Special talk 畑野 智美さん × 能登麻美子さん

登場人物が「生きている」

畑野智美さん(以下H) 朗読、素晴らしかった。本当にありがとうございます。

能登麻美子さん(以下N) とんでもありません。こちらこそ本当にありがとうございました。ずっと感想をお話したかったんだけど、この対談までずっと我慢していました(笑)
『夏のバスプール』、もう、衝撃だった!! 智美とはお友達としてずいぶん長いけれども、やっぱりこの作品の中の「作家肌の智美」というのを本当にまじまじと感じて、もう一気に読みました。原稿をいただいたときはわりとバタバタしていた時期だったんですけど、もう最優先にこれを……というくらい、続きが気になって、一気に読んじゃいました。
高校生たちのこの感性を、ここまで表現出来るって本当に凄いと思って…。私なんかは、こうやって小説になって触れることが出来て初めて思い出せる部分もあったりしたんだけど、この感性をこうやってゼロから作って表現して、ここにおさめられるって、作家って本当に凄いと改めて思いました。むさぼるように読んじゃった。

H や、もう泣きそうになっちゃった。私もね、能登さんの朗読を聞いていて、自分で書いた話なのに、ああ! こういう話なのかって思ったというか。自分で想像していた以上のものが能登さんの中から出てきたので、もしかしてもうちょっと書けたんじゃないかなって、思ったりもしたんですよ。

N おんなじです。もっと読みようがあったんじゃないかなとか。もっとああすればこうすればって思ったり……。それってきっと登場人物が生きてるからだよね。

H 小説の中でこの子たちがくだらないこともたくさん考えたりするんで、能登さんに読んでいただいて大丈夫かな、能登さんの声質に合うかなって思ったりしてたんです。でもさすが「能登麻美子」というか。本当に期待以上で、聞いていて泣きそうになりました。私の書いた子たちなのに、ああ、久野ちゃんはこう思ってこの台詞を言うって考えて書いたんだけど、違うのかもしれないって思ったり。むしろ、こっちのほうがいいかもって(笑)。

N 読む側としては、作者である智美がどういうふうに書いたんだろうというのは一番に考えるんですけど、自分の中からまたそれと違うものが出てきたりする瞬間があってそれは本当に面白いと思いました。読む人それぞれでいろんな可能性があるんだなと…。改めて考えたりしました。

出会いは二十歳の誕生日

N 『国道沿いのファミレス』が新人賞を受賞して、智美がデビューしてから、いつか何かの形でお仕事ができたらいいね、それって夢だねって話をしていて……。

H なんかこう、映画化したときの予告の声とかね(笑)。

N そうそう、ナレーションとかね。

H 誰かに何かしてもらって乗っかろうという感じで、今思うと、なんてささやかなことを言っていたんだろうと思うけれども(笑)。

N 小説家と声優とで、間接的でもお仕事で関わりあいたいなって話をしてたんですけど、夢がこんなに早く実現するとは。

H 能登さんのほうがもちろんデビューがうんと早くて。会ったときはもう仕事してたもんね。そういえば初めて会ったとき、麻美子はハタチの誕生日だった。

N そうそう。演劇のワークショップの第一回目で。あのころの智美はカラフルなものをよく着ていた印象があるなあ。わ~ピンクの可愛い人って……。

H いやいやいや。初日、私は中学の青ジャージ上下だったよ……しかも自宅から自転車で通ってたし。そういう麻美子は水色のダッフルコート着てて、すごく可愛くて。

N 水色のダッフル! よく着てた。懐かしいなあ。

H や……お互いに可愛いとか言い合ってると馬鹿みたいだから(笑)

N そうだね。やめとこう(笑)

H そのワークショップは、1クール2、3ヶ月で、続けたい人はもう1クール、2クールと受けられる形式で、麻美子は結構長く通っていたよね。私は3クール、9ヶ月くらいでやる気をなくしてやめたんですが。家も近かったんだよね。夜中にデニーズで話したりね。

N 夜中にデニーズ! 覚えてる!!ずっと話してたよね。しかもあんまり女子っぽい話ではなく。

H わりとこう、密度の濃い話を……仕事はがんばってやらんといけないよね、とか。

諦めずにいられた本当の理由

N そんなにしょっちゅう会えるわけでもないから、最初は近況報告から入るんですけど、やっぱり深い話になってたよね。お互いの興味のあるものの話とか、私は智美が「書いてる」って聞いてからは、どういう本を読んだりしているの?と本について聞くこともあった気がする。

H あのころ一緒にいた人たちって、もちろんまだ演劇を続けていて舞台に出たり、たまにテレビに出ている人もいるけれど、たぶん半数くらいは芝居から離れてしまってるよね。わりと、気軽なワークショップだったので、普通の主婦の人とかも来てたし……。

N 実家に戻った子も多いかもね。

H 私は、もし麻美子とこうやって連絡を取り合ってなかったら、たぶん途中で諦めていたんじゃないかなっていう気がする。麻美子がプロとして第一線でやってるから、彼女の友達としてふさわしい存在になりたいっていう気持ちがすごくあって。だから諦められなかったっていうのはありますね。
特に、私は賞もらったのって30過ぎてたんで……30歳過ぎると同時に実家に帰る子とかを見ていて、キツかったし。粘れたのは麻美子がこうして現実として近くにいてくれたことがすごく支えになったんですよ。今だから言えるんだけど。

N なんと!!初めて聞いたよ。でもわかるな。気持ちだけで引っ張っていくのが難しくなる時はやっぱりあるよね。私もありがたいことにずっとお仕事を続けてることができているけれど、でもふと折々で自分を見つめる時、見つめ直さざるを得ない時はたくさんあったし…。

H そういうときに何か核になるものはあった?

N あった時期もあるし、なかった時期もやっぱりあったよ。見えなくなるというか…。そんな時はとりあえず目の前にあることを大事にしていこうと思ったり。

H 私はとりあえずデビューしてから二作目まで、長かった。ほんとに(笑)。去年の12月までこの子たちはかけらもなかったし……。

N え、そうなの!?

H 何度も書き直しをしまして(笑)。涼太という名前の主人公はずっといたんだけど、性格は全然違って。今の涼太とは、去年の12月にやっとお会いしたという。

N そうなんだ! 智美が自分でどう思ってるかはまたわからないんだけど、私が知る智美は、やっぱりがんばりやさんです。それこそ演劇のワークで知り合って、だんだんと演劇という方向から作家、物書きになりたいって変化していくなかで、一回「見せて」っていったことあるじゃない。でも、見せてくれなかった。

H え、そんなことあったっけ

N あったの。どういうのを書いてるのって。そしたら、ちゃんと形になるまでは、読ませないって。ちょうど、選考には残るんだけど賞は逃しててっていう時期だったと思うけど。

H ああそうだった! 麻美子にはプロにならなきゃ見せないって言ったような気がする。ほかの人には見せるけど(笑)

N 見せてたんだ(笑)。で、やっぱりその間の智美の、働きながら作品を書いてるっていう姿勢はね、もうガッツ以外の何物でもないだろうって思う。周りでもそういう子たちはいたけれど、諦めていく子も多かった。そんな中でほんとに、賞をとって、デビューして書き続けているっていうのは、本当に凄いなと思った!! だからもう、めちゃくちゃ応援してます!!

学校嫌いだった子に勧めたい

H 本当にありがとう。前に能登さんがさ、高校サボってよく川原でおじいちゃん、おばあちゃんとずっと話してた、っていう話をしていたじゃない。

N あはははは(笑)そんなこともあったかも(笑)仲の良い友達もいて、楽しい時間も勿論あったけれど、どこか学校生活に馴染めない部分もあって…。……わりと一人が大丈夫な高校生だったかも(笑)

H 私自身も高校生活楽しいことはそんなになかったんで。この小説はほぼ妄想に近いんだけど、すごく高校生活を楽しんでた子たちよりも、あんまり楽しめなかった子たちが、なんかいいなと思ってくれると、いいなと思って。で、さらに「記憶のねつ造」が起こるといいなって。この小説を読んで、自分の高校生活が楽しかったような気持ちになってくれるといいなと。もしかしたら、学校好きだった子より、学校嫌いだった子のほうがなんだか意外と共感してもらえるかもしれないなと思ってます。

N 実に真実味がある妄想です……。本当に面白かった!! だから、ひとりでも多くの方に読んでもらえたらって、本が発売されたら私、配ってまわりたいです!

H 本当にありがとう。

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Book review 熊谷充紘さん「小説すばる」転載/瀧井朝世さん「青春と読書」転載

キラキラと輝く、あのひととき―。新鋭が描く、最高に心躍る青春の物語! 熊谷充紘

 退屈な日常がドラマに変わる瞬間。それは恋した時だ。僕らは物語の主人公となり、毎日は色鮮やかに脚色される。

 なにを隠そう、三十歳の僕の原動力は恋である。もちろん、もう大人だからいつでも誰にでも恋をしているわけではない。でも恋の力を知っているから、気になるあの娘とこんなデートができたらいいなという妄想の恋や、昔の恋人との甘い記憶を活力にして、日々を楽しく生きられている。実際の恋をしていなくたって、その記憶が僕らの背中をそっと押してくれることがあることは、誰にだって覚えがあるはずだ。畑野智美の「夏のバスプール」には、そんな僕らの記憶のかけらが、色鮮やかに散りばめられている。

 主人公は高校一年生の涼太。前期試験中のある朝、トマトを投げつけてきた変な女・久野ちゃんとの出会いが、涼太の毎日を文字通り一気に彩る。

 追試や親友の初体験、不登校のクラスメイトや世界が終わるという噂、そして、気になる久野ちゃんに隠された複雑な事情。さまざまな登場人物や出来事が、ターミナルを行き交うバスのように、涼太の前を行き来する。涼太たちはなかなか上手くバスに乗ることができない。恥をかきたくないし、カッコ悪く思われたくない。傷つきたくないし、傷つけたくもない。僕らが高校生の頃そうだったように、自意識が邪魔をして、彼らもいろいろな物事との距離感をうまく掴めない。汗をかき、もがく涼太たちの姿にあの頃の苦しさを投影しながら、それでも彼らに清々しさを感じるのは、大切な人に大切な気持ちをきちんと伝えたいという真っすぐな思いが、行動に表れているからだ。

 そして、涼太は諦めなかった。久野ちゃんへの思いが原動力となり、彼は自意識という殻を破る。

 誰かを好きになるということは、自分ではなく相手のことを考えるということだ。他者と関わると、相手を傷つけることになるかもしれないし、自分が傷つくことになるかもしれない。それを覚悟した上で、自分のことは二の次で、相手の幸せを考えること。それが恋するってことで、涼太はそう思えた時点で、大人への第一歩を踏み出した。

 恋をすると、自分の世界に他者が入ってくる。その分、「この世と指差せるくらい」だった世界が広がる。夏の日射しは照らし方を変え、打ち上げ花火は今までとは違うもののように映る。二人の世界。二人で物事を共有することの喜び。それが新たなエネルギーとなる。世界の終わりも、二人でいれば怖くないし、もしかしたら二人でなら乗り越えられるかもしれない。それが恋の力だ。「夏のバスプール」には、そんな恋の力をあらためて思い出せてくれる、普遍的な物語の強さがある。

※本稿は「小説すばる」8月号に掲載されたもの転載しました。

熊谷充紘(くまがい みつひろ)
‘81年生まれ。フリー編集者。
主宰する『ignition gallery』(http://ignitiongallery.blogspot.jp/
では若手アーティストのキュレーションや
人々の心に着火するトークショーなどを企画。

低空飛行の高校一年生 ライター 瀧井朝世

〈真っ赤に熟したトマトが飛んできて、僕の右肩に直撃する。〉

 なんて鮮烈な書き出しだろう。青空をバックに弧を描く真っ赤なトマトの絵が浮かぶ。夏らしいなあ、青春小説っぽいなあ、と思いながら読み進めていくと、決して“爽やか”とは言えない事態が次々と浮かんでくる。

 本書『夏のバスプール』は、『国道沿いのファミレス』で小説すばる新人賞を受賞した畑野智美さんの二作目となる書き下ろしだ。主人公は大学付属の高校に通う一年生、中原涼太。背が低くて可愛らしい顔立ちのこの少年の、夏休み直前の恋模様と人間模様を描く。

冒頭のトマトを投げたのは外部から入学してきた久野ちゃんという女の子。仙台で被災して引っ越してきた彼女は魅力的だが、なんと因縁の相手、野球部の西澤と付き合っているという噂。彼女の家庭にはなんらかの問題があるらしいが、涼太はなかなか踏み込めない。一方で親友・青野と幼馴染みの女の子・望月のカップルはぎくしゃくしているし、不登校の友人は涼太に冷ややかだし、さらには中学時代に一瞬だけ付き合った元カノの行動がなんだか不穏……と、涼太の周りはゴタゴタしている模様。

巧いなと思うのは、これほど多くの面倒な事情が続出するのに、高校生たちのキャラクターがしっかり伝わってくること。夢も目標もない涼太の低空飛行っぷり、格好つけた青野の青臭さ(好きな異性のことを「女」と呼ぶあたり!)、気ままなようで実は繊細な久野ちゃんはもちろん、脇役たちの人物像と複雑な胸中がリアルに立ち上がってくる。主人公はもちろん涼太だが、それぞれの青春のままならなさを描いた群像劇だと言いたくなる。陰鬱さがさほど感じられないのは、のほほんとした涼太の目を通して描いているからだろう。深刻そうな状況においても、どこかのんびりした空気が漂っている。だけどこの涼太が最後の最後になってやっと必死になる。頑張るのだ。さて、その結果は……。本を閉じた後、彼がこれから迎える夏休みの日々を想像するのも、また楽しいのであった。

※本稿は『青春と読書』7月号に掲載されたものを転載しました。

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Natsubus ouen-dan! 「夏バス」最強応援団募集中!

今井麻夕美さん(紀伊國屋書店新宿本店)
ドキドキが止まらない! 青春小説だから、だけじゃない。すごい小説に出会っているんじゃないかという興奮で!
きゅんとするのにひやりともする。どこにでもいる高校生だけど、みんなどこか普通じゃない子たちばかり。自然なのに、凡庸ではない。
ほんとにグルーヴ感あふれていて、流れに身をまかせていると、突如薄暗い影に襲われたりもして、ただ心地よいさわやかな青春小説じゃないところが、またいい。容赦なくぐいぐいと引き込まれる小説。
畑野智美――また要チェック作家がひとり増えた。

沢田史郎さん(丸善津田沼店)
青春期特有のノリと勢い、馬鹿っぽさ(笑)。そしてその向こう側に隠された不安や焦り、戸惑いの描写がひたすら丁寧で、大人は昔を思い出しながら、若者は現在の自分に当てはめて、共感するところ大ではないか、と。
大切な人を大切にしようとするあまり遠回りして七転八倒する高校生たちが、痛々しくも清々しい。
恋愛小説というよりも、人と人とのつながりの、苦しさときらめきを同時に描いた傑作だと思います。ゲラ、2回読みました。

武井めぐみさん(ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店)
苦くて甘い青春中の高校生たちが充分大人に育ちきった自分にまぶしかった! スマホを持ってたり、イマドキな彼らだけれど、今はもちろん、昔の学生が読んでもきゅんとくること、請け合い。そして、後の学生も、きっと。
この物語は色あせない強靭さを持ってるから。
取り立てて、良い子でも悪い子でもない、けれどバツグンににくめない涼太。彼の怒涛の五日間、一緒にドキドキしてみてください!

内田剛さん(三省堂書店営業本部)
あぁ、ため息が出るくらい、めまいがするくらいの青春だなあ。
懐かしくもあり切なくもありうらやましくもあるあの時代……太陽の光のように眩しく、青空のように澄み切って、プールの水しぶきのように弾けとぶ……。ココロとカラダ、理性と感性とがせめぎ合い、環状が揺らめいて、時として理不尽な場面に出合う、夢の中の出来事のような密度の濃い数日間……いつまでもこの心地良い余韻を味わっていたいと感じました。

中川浩成さん(文教堂書店三軒茶屋店)
軽妙な会話の中に、ユーモアと切なさが絶妙にブレンドされている。
この先どうなるんだろう? というワクワク感が常にあって、物語として抜群に面白い。っていうか、僕もこんな青春過ごしたかったよ!(魂の叫び)

村中友希さん(ジュンク堂書店大阪本店)
自分たちのいるところが世界の中心!!
という感じの必死さが青春っぽくて気に入りました。
アツい夏にお勧めの一冊!

安田有希さん(紀伊國屋書店横浜みなとみらい店)
たとえ友だちだって、相手に何もかもさらけ出してつきあう訳じゃないけれど、自分自身に対して評価をするのはいつも相手の方だ。
相手がどう思ったか、どう感じたか。そんなつもりじゃなかった、なんて後から言っても結局はどう受け止められたかが全て。自分を否定されればどうしたって傷つく。不安にかられ、この先どうしていいのかわからなくなる。
けれど自分を見てくれる大事な人の、たった一人にでも認めてもらえるだけで途端に舞い上がり、有頂天になる。
結局大事なのは、かっこつけたり遠慮したりなんかじゃなくて、大事な人に本当の自分を見てもらえる努力をするっていうこと。
不安定に揺れ動きながらも一番大切な気持ちに気づかせてくれる、こそばゆい、雨と汗と土ぼこりと、夏のにおいが詰まった一冊。

片山峻太郎さん(紀伊國屋書店北千住マルイ店)
久しぶりに一気に読んでしまいました。
コトバのセンス、軽快なテンポ、心をえぐる切れ味。
ちょっとまわりを小バカにしたような涼太と、訳あり美女の久野ちゃん。
2人の距離が近づいたり離れたりするたびにどきどき、わくわく、やきもき、きゅんきゅん。忘れかけていたいろんな気持ちを思い出した気がします。疲れた心にこの「青さ」は効きます!!

大浪由華子さん(文教堂書店浜松町店)
なに気なく読んでいると、足もとをすくわれるような……
ドキっとする感覚にびっくりさせられますね。
昔あった!! 確かにこういう感覚あった!!
どちらかというとイヤな思い出のほうかもしれないけど……なんて、ちょっと思い出します。

吉江美香さん(教文館)
大人も子どもも関係なく、誰でも悩みは尽きないんだよなぁ。
人間の内と外って本当にワカラナイ。「イマドキの子」ぢゃなくて、みんながみんな、「ソノトキの子」なのです。
登場人物の容姿はもちろん性格や声色までもが響いてきそうなキラキラした描写は読み手のこころを捉えるだろう。たった5日間の出来事をここまで楽しく読めるのは「夏バスだけ」と言いたい。
こういうのを課題図書にして欲しいんだよね。

岩立千賀子さん(浅野書店スカイプラザ柏店)
青春してますね。夏、青春まっさかり!
主人公・涼太のいいかげんさが面白かった。今の子って先生と友達感覚な態度をとっている人が多いのでしょうか?(あれ?私もそうだったかな……)でも皆、元気がよくて、一足早く夏を感じました!

田中元子さん(A-BOOK飯塚店)
好感度120%でした!
「私の高校時代は……」と自分の思い出と比べてみたりして、楽しかったです。
タイムリーな話題もあり、たぶん何年か後に読み返したりしたら、今のことを「そんなこともあったなぁ」となつかしく思ったりすると思います。
今年の終わりに世界が終わらなかったら……ぜひもう一度読みたい!

狩野大樹さん(ブックメイツ新百合ヶ丘北口店)
青春はやはり重いのだ。すがすがしいし楽しいけど、あの純度、勢いはない(笑)。でもその思いをこの小説を読むことで取り戻せる。ただ、面白いだけでなく、止まることを許さない。涼太がんばれ!!

井辻吉博さん(ブックファーストなんばウォーク店)
おもしろかった。本当に面白かったです。おもしろかったとしか言いようがないくらいおもしろかったです。

伊藤久美子さん(谷島屋書店ららぽーと磐田店)
読後感が良いですね。ラスト、主人公を取り巻く環境がすべて解決している訳ではないのに、不思議と安心してしまいました。

昼間匠さん(リブロ池袋本店)
全体のストーリーは正直あまり新しい感じはしませんが、前作同様に畑野さん独特のゆったりした時間の流れが大好きです。
全体を通じて、この作品、映画で見たことあるかもと、思わず感じるような映像的な描写が印象的でした。良質なミニシアターの作品のようでした。

市岡陽子さん(喜久屋書店北神戸店)
夏休みまでの濃縮された5日間を読む側も一気に駆け抜けました。
自分が生活する世界が地球のすべてのように感じる多感な現役中高生、そして突発的エネルギーを持つ彼らが懐かしくも、ちょっとうらやましいと感じるかつての高校生(わたしたち)にも、ほろ苦い思いが蘇ってきます。くすっと笑える会話も面白かったです。

安達仁美さん(三省堂書店京都駅店)
普通の青春小説にはないちょっと変わった雰囲気に引き込まれました。シリアスな場面でも、突然笑いを誘うコメディタッチの描写が本当に面白くてすいすい読めました。主人公始め、登場人物がみんないいキャラしてて、この高校生たちの夏休みを考えると、こちらまでワクワクしてきます!

金杉由美さん(明正堂書店NTT上野店)
高校生は毎日が嵐の中だ!
ドロドロでグチャグチャになりながらも意外とタフにサバイバルしていくんだ。だって明日は晴れるから。

岸田安見さん(ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店)
なんかいいなぁ。涼太がのほほんと周りを傷つけちゃっているところとか、そこに気づかない鈍感さとか、高校生の恋愛模様とか、なんか若くていい。そうやって人を傷つけて、自分も傷ついて、人を好きになって、好きになられて、大人になっていくのかも。夏休みまであと5日!のドタバタ青春物語。涼太の恋は実るのか!?

川俣めぐみさん(紀伊國屋書店横浜店)
トマトが直撃したシーンから、何かが“がつん”ときて、やられてしまいました。
キラッキラな青春小説!
でも、ただキレイなだけじゃないのが青春。切実なシーンとちょっと笑えるシーンのコントラストがとてもいい。最後のシーンは読んでいてちょっぴりはずかしい……けど、うらやましい(笑)!

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Information 内容紹介&著者プロフィール

『夏のバスプール』  著者 畑野智美 定価:1,500円(本体)+税 7月5日発売

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夏休みまであと5日! 青春初恋物語
2012年、世界は12月で滅亡するとの噂だが、高校1年生の涼太は、仙台から来た同級生に恋をする。一風変わった彼女には複雑な事情が…?
小説すばる新人賞受賞第一作、胸キュン青春小説!

畑野 智美(はたの ともみ)
小説家。1979年東京都生まれ。東京女学館短期大学国際文化学科卒。
2010年『国道沿いのファミレス』で第23回小説すばる新人賞を受賞。本作『夏のバスプール』が受賞第一作の書き下ろしとなる。

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