雨の降る日は学校に行かない 相沢沙呼

SHIBUYA TSUTAYA 竹山涼子さん

最近の女子中学生って大変・・・
私が今女子中学生だったら、と自分が中学生だった頃を思い出し、
かなりクラスで浮くのだろうなと思いました。

小さな世界なんだよ、教室の中なんて。
でもそこが全て。
だからこそ生まれる息苦しさ。
教室の中での地位の低さが自分の価値の低さだと思ってしまう。
そんなことはないのに。
この小説は“そんなことはない”と言っているような物語だと感じました。

もっと広い世界をみなよ、でもなく、
大人になればその世界がどんなにせまかったか気付くよ、でもなく、
世界を否定するのではなく、
自分を肯定してくれること、
それが必要なのだろうということを考えました。

大人は無力だと思います。
真っ只中に苦しんでいる子を救う言葉を大人は持っていないから。
それは同じクラスや同じ学校の子にしかかけられない言葉だったり優しさだったりするのだろうと思います。
だからこの小説を読んだ中高生の子が自分の周りに目を向けてくれることを願います。
その力がこの物語にはあると思います。

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昼下がりの保健室。そこは教室に居場所のないサエとナツのささやかな楽園だった。
けれどサエが突然“自分のクラスに戻る”と言い出して──「ねぇ、卵の殻が付いている」
“お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください”。早朝の教室で、毎日手帳に書いていた架空の遺書。その手帳を偶然にも人気者の同級生が拾ってしまう――「死にたいノート」。揺れ動く6人の中学生の心を綴る6つのストーリー。
 
相沢沙呼(あいざわ・さこ)
1983年、埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。11年3月「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作に。その他の著作に『ロートケプシェン、こっちにおいで』『マツリカ・マハリタ』『卯月の雪のレター・レター』など。

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本作は、学校生活に違和感を覚える中学生の少女たちが、悩みつつ、それぞれにとってのかすかな光を探していく物語です。
6つの短編で構成され、彼女たちの何気ない日常が丁寧に描かれていきます。
「なんとなく学校で居場所がない」
「人気者のクラスメイトと話すと緊張する」
「自分が“普通”にふるまえているのかどうか、自信がない」――。
彼女たちの、誰にも打ち明けられない息苦しさは、きっと共感してくださる方も多いはずと思います。
中高生の居場所の無さにそっと寄り添うような一冊です。
 ぜひご一読ください。
(担当AT)


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