空への助走

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あらすじ

 

バレー、陸上、柔道、釣り、テニス、映研……それぞれの“今”に真っ直ぐ向き合う高校生たちを描いた青春部活小説。

強者(きょうしゃ)の同盟

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空への助走

途中下車の海

単行本書き下ろし「桜のエール」

 

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書評・榎本正樹氏

 

榎本正樹(文芸評論家)「時代を越えた青春小説のニュースタンダード」

「キーリ」シリーズなど数多くのライトノベルを手がけてきた壁井ユカコは、近年、青春小説やスポーツ小説の書き手として衆目を集めている。セカンドシーズンに突入した人気作「2.43清陰高校男子バレー部」シリーズ(集英社刊)は、青春部活小説の決定版といえるが、『空への助走』はその世界をさらに広げた連作短編集であり、青春群像小説である。
 本作に登場する主人公や周辺人物は、福井県にある工業高校や女子高や県立高校に通う高校生だ。バレー部、硬式テニス部、陸上部、柔道部に所属する彼らの部活を軸に、夢に向かって邁進する若者たちの日常がすくい取られていく。技能や経験に差こそあれ、彼らは部活内の人間関係に悩み、ライバルとしのぎを削り、恋に身を焦がす「普通」の高校生だ。
 対立や葛藤や挫折を経て、彼らはひと回りもふた回りも大きくなっていく。愚直でがむしゃらな高校生の部活ライフには、時代を越えた青春の原像がある。精緻な観察眼に基づく壁井の筆は、実況中継さながらのリアルタイム描写で競技シーンを活写する。スポーツ競技に対する壁井の理解と敬意は、本格アスリート小説としての本作の完成度を裏づけている。
 福井に育ち福井弁を使う高校生の物語は、この小説が地方を舞台にした話であることを改めて気づかせてくれる。福井の美しい自然や土地柄が描かれる一方、地方都市ならではの閉塞感や外の世界への憧れが登場人物の心を交錯する。物語は四月に始まり翌年の四月に終わる。ある者は卒業し、ある者は引退し、またある者は進級する。そして新入生がやってくる。それぞれの部の伝統が、世代から世代へと受け継がれる。青春のきらめきと切なさが凝縮する思春期ならではの時間の流れを、壁井は確かな目で摑みとっている。
 これから高校生になる人、いま高校生活を送っている人、かつて高校生であった人、すなわちすべての人に読まれるべき青春小説のニュースタンダードの誕生を心から喜びたい。

(「青春と読書」2016年10月号掲載)

 

 

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著者紹介+メッセージ

 

壁井(かべい)ユカコ

沖縄出身の父と北海道出身の母をもつ信州育ち、東京在住。学習院大学経済学部経営学科卒業。第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。著書に「2.43 清陰高校男子バレー部」シリーズ、「五龍世界」シリーズ、『K -Lost Small World-』『サマーサイダー』『代々木Love&Hateパーク』他多数。

 

壁井さんからのメッセージ

最初に新作の短編の依頼をいただいたとき、『2.43』の脇役の誰かを主人公にした話を書きたいですと私から提案したところから、「福井×運動部×(恋!)」の青春部活シリーズがスタートしました。
『2.43』のバレーボールに続き、陸上・柔道と、ほとんど知識0から取材と勉強を重ねながらの執筆になり、まだまだ力不足も痛感していますが、題材にした競技への憧れと尊敬をこめて、”かっこよく”描こうと心がけました。

今、毎日部活に熱中している人。
かつて部活に捧げた青春時代を通ってきた人。
部活、もっと何か思い切り打ち込んでおけばよかったな…という人。
今これから、何の部活に入ろうかと、夢と不安の両方が胸に膨らんでいる人。
たくさんの方の心に何かが届けば嬉しいです。

そして、バレーって、ハイジャンって、柔道って、”かっこいい!”と感じていただけたら何よりです。

 

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