内容紹介

高校生の毅(つよし)は詩を書いているが、全くといっていいほど評価されていない。
一方、親友のあたるには才能があった。彼は紙上に至情の詩情を書き込める天才だった。すでに多くのファンがいて、新人賞の最終候補にも残っている。
しかもあたるは毅が片想いしている可愛い女子と付き合っていて、毅は密かに劣等感を抱いていた。
そんな中、小説投稿サイトにあたるの偽アカウントが作られる。
ふたりで「犯人」を突き止めると、それはなんとあたるの作風を模倣したAIだった。
あたるの分身のようなAIが書く小説は、やがてオリジナルの作品を書くようになり──。

AIは人間の創作を超えられるのか、オリジナルな文学とは何なのか。
芥川賞を受賞し、純文学の世界で高く評価される著者が今日的テーマに挑んだ話題作!

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著者プロフィール

町屋良平(まちや・りょうへい)
1983年東京都生まれ。2016年「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞してデビュー。
2019年「1R1分34秒」で第160回芥川賞を受賞。
その他の著書に『しき』『ぼくはきっとやさしい』『愛が嫌い』などがある。

坂下あたると、しじょうの宇宙

坂下あたると、しじょうの宇宙町屋良平
2020年2月5日発売
定価:本体1600円+税
ISBN978-4-08-771693-1

コンピューター詩人坂下あたる

コンピューター詩人 坂下あたるは、コンピューターがランダムに言葉を並べ、自動で「詩」を作ってくれるシステムです。

機械が詩を書く!?「コンピューター詩人 坂下あたる」はこちら

町屋さんのコメント

ここにあるのは詩のような言葉たちですが、詩ではない。
そして素材として自分(町屋)の言葉がある以上、純粋に「コンピューター」でもなければ、「詩」でもないものです。
もしそこに「詩情」が読みとれるとしたら、いったいなんなのか?
ぜひ奇妙なる言葉の感覚を、体験してみてください。

町屋良平

試し読み

燃ゆる漏斗の形せる、紺青の空をぶちのめす。
アルチュル・ランボオ

「ヒョッ!」
みたいな声がでた。
自分の名前を見つけた瞬間だった。
授業に遅刻して、書店に寄っていた。朝弱いおれは、制服をちゃんと着て、一応顔も洗って適当な身支度をすませ、家から出かけたという意識を失っている。いつの間にかいまここにいる、という感じだった。
まるで空中遊泳しているみたい。

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坂下あたると、しじょうの宇宙

坂下あたると、しじょうの宇宙町屋良平
2020年2月5日発売
定価:本体1600円+税
ISBN978-4-08-771693-1
AIは人間の創作を超えられるのか、オリジナルな文学とは何なのか。
芥川賞を受賞し、純文学の世界で高く評価される著者が今日的テーマに挑んだ話題作!
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