かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。こどもみたいな、ばかな大人。みんなの愛玩動物。
そんな由美子ちゃんの一言で、わたしと彼女は、退屈な放課後から逃げ出した。
あまずっぱじょっぱい、青春譚――「じごくゆきっ」。
ぼくのうつくしいユーノは、笑顔で、文句なく幸福そうだった。
あのときの彼女は、いまどこにいるんだろうか。
ユーノのお母さんの咆哮のような恐ろしい泣き声。
僕はユーノにも、その母親にも追い詰められていく――「ロボトミー」。
とある田舎町に暮らす、二人の中学生――虚弱な矢井田賢一と、巨漢の田中紗沙羅。
紗沙羅の電話口からは、いつも何かを咀嚼する大きくて鈍い音が聞こえてくる。
醜さを求める女子の奥底に眠る秘密とは――「脂肪遊戯」。
7編収録の短編集。