時は十六世紀、戦国の世。辺境の地、土佐国。
渡来系の秦氏を祖に持つ名家・長宗我部家の三家老の一つ、久武(ひさたけ)家の二男・親直(ちかなお)は、新しい主君である長宗我部家二十一代目当主・元親のもとへ初出仕の日を迎える。
初対面の主君は、ちまたで<姫若子(ひめわこ)>と呼ばれるのも頷ける、女子のような容貌をしていた。
初子の誕生に浮かれ騒いだり、槍の扱い方も知らぬまま初陣に臨んだりと、一族の長、武者らしくない行動に戸惑いを覚えつつも、他家を滅ぼし、版図を拡げ四国統一へ向かう元親をそばで支えていく。
やがて土佐の出来人と呼ばれ、四国の覇者となる元親も、息子や臣下たちとの軋轢に加え、信長、秀吉、家康との交流と決裂の中、一家の存亡の危機と己の器量の狭間で、深い懊悩を抱えていく。 |
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16世紀四国地図(クリックで拡大) (制作:テラエンジン) |
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