『終わりは始まり』中村航&フジモトマサル
定価:1,000円(本体)+税 5月26日発売
『終わりは始まり』刊行記念スペシャルトーク
回文、このすばらしき世界。
中村航&フジモトマサル
――さっそくですが、「中村航コラムかなfeat.マサルサマ」あらため『終わりは始まり』は、読者が応募してきた回文をもとにフジモトさんがイラストを描き、それらをもとに中村さんがショートストーリーを作り出す三層構造になっています。この仕組みはどうやって生まれたのですか?
――まさに運命、まさに宿命ですね。ところで、三者によるコラボレーションならではの面白さ、難しさはどこにありましたか?
――お互いを信頼しているからこそ可能なプレイだったわけですね。では、もう一人のプレイヤーである読者からの応募回文を選ぶ時には、何がポイントになりましたか?
――装幀や本文デザインを名久井直子さんが担当されていますよね。お二人と名久井さんのタッグによって、連載時の要素が大胆に再編集&レイアウトされ、物語の“見え方”が大きく変化しているように感じました。
――それは……かなりみっちりですね。確かに、夢遊病気味のマレーバク「マレー・次郎」やさすらいのギタリスト「ネコ・ヤマザキ」などたくさんのキャラが物語に登場しますが、彼らの趣味嗜好や裏設定がさりげなく用意されていて、読者をとことん楽しませてくれます。
――ありがとうございました。言葉と絵が織りなす魅惑の回文ワールドが広がる『終わりは始まり』。ぜひ手にとって、その悦びをとくとご堪能あれ! (「小説すばる」2008年6月号より)
さらにバージョンアップしたスタイルで見せる回文連載、お二人のコメントの掛け合いが爆笑を誘い、巷で話題になっています。
回文の投稿もお待ちしております!
●ワタナベ刑事
回文刑事(デカ)の異名をもつベテラン捜査員。廃墟煉瓦型の性格で、自分は孤独だと思いこむ癖がある。捜査員としては優秀だが、最近、私用電話が多い。B型。
●ネコ・ヤマザキ
「おいらは土管で生まれた」、「今夜もマタタビふかすぜ」など、あくまで自分はネコだと主張する言動が特徴的。昨年秋にレコードデビューを果たす。自費でカナダツアーを敢行。自分のファンを、ニャンコちゃんたちと呼ぶ。
●マレー・次郎
本業は博物館員。ベジタリアン。深夜の散歩が趣味なのだが、ときどき自分でも理解できない場所で眠っており、夢遊病の一種ではないかと悩んでいる。趣味は切手集めと、水泳。
●間山秀男
世界に比類なき記憶力を誇る老人。長き人生において、その能力を有用なことに活かすことはなかったが、ひょんなことから後世に名を残すことになる。好きな言葉はベータ・マックス。
「キャラクター紹介」より抜粋