『瑠璃でもなく、玻璃でもなく』唯川恵
定価:1,400円(本体)+税 10月3日発売
「るりはり」がついに単行本になりました!
ご存じの方も多いと思いますが、この作品は女性誌MOREで
約2年半に渡り、連載されていたものです。
これも、なにかの縁だと思っていますが、
実は私、連載当時はMOREのスタッフでした。
MOREという雑誌はおかげさまで、今年で31周年を迎えました。
その歴史の中で、数々の連載小説がありましたが、
この「るりはり」以上に読者の反響が大きかったものは
正直申しまして、過去に一度もありませんでした。
数多くあるテーマの中でも、読者アンケートは常に上位。
MOREを買ったら、まず「るりはり」から読む、という読者の声もよく耳にしました。
でも、といったら語弊がありますが、誰よりもこの連載を
待ち望んでいたのは、実はMOREの編集スタッフたちでした!
我こぞってと、本になる前に原稿を読み、深夜まで討論(?)したものでした。
「美月、だめだよ~、そんなこと言っちゃ~!」とか
「朔也、もっとしっかりしろよ~」とか
「英利子、なかなかカッコいいじゃん」とかとかとか。
(ネタばれになるので、詳しくは書けません)
中でも、唯川節とも言える、数々の名台詞に
特にアラサー世代の女性スタッフたちはヤラれていました(笑)。
たとえば、
「恋愛は、終われば、すべてがゼロに戻る。
それをこれからも繰り返してゆくことを想像すると、
それだけで疲れ果ててしまう」
という美月の心の叫びであったり、
「日々、繰り替えされる単調で、好意ではなく、義務として課せられる妻としての役割。
思う時がある。こんなことが永遠に続いてゆくの?」
という英利子のやりきれない心情であったり。
ジンジンとまたじわじわと、またビンビンと響いていたようです。
ここが、唯川小説の真骨頂なのです。
気づいていなかったり、
もしかしたら気づかないふりをしていた私たちの気持ちを
ときにはストレートな言葉で、ときには真綿で首をしめるように(?)
気づかさせてくれる。
それが痛さにも、快感にも変わっていくのでしょう。
「るりはり」には、本当にたくさんの名台詞が満載です!
未婚の人も、既婚の人も、不倫中の人も、子育て中の人も、
そして多くの男性にも読んでほしい、
王道の恋愛長編エンターテインメントです!
(編集E)