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担当編集のテマエミソ新刊案内

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ここに消えない会話がある

  • 紙の本

『ここに消えない会話がある』山崎ナオコーラ

定価:1,100円(本体)+税 7月24日発売

(5)■これからのこと――「地続き」でいたい

今後、どんな作品を書いていきたいですか。そして、どんな作家でありたいですか。

――作家としての夢がずっとあって、一つは書店の棚に差してある著者別の出っぱってるやつを作ってもらうこと。それからもう一つ、自分の本を買う人を見たい、というのがあったんです。以前、『論理と感性は相反しない』を出したときに、それを買ってくれている人をちょうど見られて、話しかけたら「昨日ナオコーラさんの別の本を通勤電車で読み終わって、今日これを買いに来たんです。また電車で読みます」と言われて、地続きな感じがしてすごく嬉しかったんです。

確かに、電車の中で本を広げている人、けっこういますよね。

――なんか繋がっている感じがして、嬉しいですね。通勤中に読んでくれているなんて、その人の生活の中に染み込んでいるようで。今回の作品でも書きましたが、こうして普通に労働している人も、けっこうみんな本を読んでいるんです。

確かに、出てきますね。広田も、「傷ついた時には本を読めばいい」と言っていますし。

――小説を解決手段じゃなくて、栄養にしてほしいんです。

何か答えを見つけようとするんじゃなく、ということですね。

――答えが書いてあると思って読むんじゃなくて。もちろん、答えが書いてある小説なら手っ取り早いのかもしれませんが、たとえ直接的なことを書いていなくても、心の栄養にはなる。本を閉じたときに、ちょっと視点がふわっと上がるような小説を書けたらいいなと思います。

<了>

(編集W)


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