『きままな娘 わがままな母』藤堂志津子
定価:1,500円(本体)+税 12月15日発売
「一卵性母娘」という言葉が流行ったのも、かれこれ10年ほど前になります。
友達のように悩みを相談しあったり、ショッピングや観劇にでかけていた母娘たち……。
当時、母娘の新しい関係として注目された彼女たちの多くは、今、この作品の主人公の母と娘の年齢ぐらいにさしかかっているのではないでしょうか……。
娘・沙良、37歳、独身。インテリアコーディネーター。
母・駒子、62歳、主婦。七年前に夫を亡くして以来、娘と二人暮し。
ある日、娘が「会社を辞めて、フリーランスになろうと思う」と打ち明けたのに対し、母が「それなら、この家を改築して事務所にすればいいわ。資金は私が貸すわよ」と提案したことから、物語がはじまります。お互いの思惑が一致し、新しい生活がスタートしたものの、職場が自宅となったことでこれまで以上に母娘の距離が接近して、日々の微妙な軋轢は日常茶飯事に……。
つねづね、「あなたの人生だもの、あなたが好きなように生きればいいわ」と言っていた母、自由きままに独身生活を謳歌していた娘。
ところが、ふとした隙に、母が、「娘を支配しようとする」顔をぬうっとみせる、ということに、娘は気づきます……。
アラフォーの皆さん、「結婚はとりあえずあとまわしでいいから、孫を産みなさいよ。私が育ててあげる」と、お母さんに言われたことは、ありませんか……?
(編集I)