『御不浄バトル』羽田圭介
定価:1,200円(本体)+税 7月5日発売
最近、編集Nのまわりでは、仕事を辞める友人がちらほら出てきました。
						社会人3年目。
						「3年で辞める若者」というレッテルが他人事ではないのだと実感します。
本作の著者・羽田圭介さんも、私たちの同年代。
						近刊『ミート・ザ・ビート』が芥川賞候補となるなど、いま注目の若手作家です。
						そんな羽田さんが本作でテーマにしたのが、働くこと、仕事を辞める/辞めないということ。
表題作の主人公は、なんとなく大学を卒業してなんとなく就職してしまった、要するにどこにでもいそうな青年。
						しかし、その職場は詐欺まがいの悪徳商法で教材を売りつけるブラック会社。
						尋常ではない職場でストレスが極限に達した彼は、【会社都合退職】を勝ち取るべく行動を開始するのですが……。
映画にもなった『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のような状況ですが、主人公のとる行動は全く違っていて、奇妙な方向へねじれていきます。
なぜなら、彼の闘いの舞台は、【トイレ】なのです。
なぜトイレなのか。トイレで何をするのか。
						ぜひ、読んで確かめてみてください。
						ブラックユーモア満載の奇妙なお話ですが、だからこそ、ひりひりとしたリアリティを感じられるはず。
仕事を辞めたい人も、そうでない人も、
						決して他人事ではないと思える作品です。
(編集N)


























