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担当編集のテマエミソ新刊案内

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行正り香の旅で出会ったイタリアン

  • 紙の本

『行正り香の旅で出会ったイタリアン』著者:行正り香

定価:1,500円(本体)+税 11月26日発売

「なんで"り"だけ平仮名なの?」
著者名を見て、まず思うのがこの疑問かもしれません。
り香さん・・・正真正銘ご本名です。私自身、初めて著書を手にしたときは同じ疑問を持ちました。ご両親がユニークな方なのだろう、などと思いつつ、行正さんの既刊本を読んでみると・・・。
お母さま直伝のレシピと、幼い頃からの家族との楽しいエピソードが綴られています。納得。
このお母さまに育てられ、仲良し家族に囲まれておいしいごはんを毎日食べ、すくすくと大きくなったのが「り香」さんなのでした。
行正さんのレシピには「あれば少々」「適宜」「なくてもよい」という言葉が頻出します。普通の料理本ではあまりないですよね。使用する材料、調味料も、そのへんで買えるもの。
材料にも作り方にも、面倒なことはほとんどありません。
なのに、間違いなくおいしく作れ、しかも見栄えがいいので、料理上手に見えるものばかり。
さらに本の中に、結構な分量で綴られる旅や家族、友人との思い出話が、レシピとリンクしつつも、独立した読み物として大変印象深いことに、文芸編集者魂がくすぐられ・・・そして、実現した最初の仕事が、レンザブローで連載された旅エッセイ「ひとり1WEEKヴァカンス」でした。イタリアからフランスを旅したときに出会った料理、風景、人々について語られます(レンザブロー「ひとり1WEEKヴァカンス」で読めます!)。
アクセス数も多かったこちらの連載の、いわば発展版が本書。
前菜からドルチェ(デザート)まで、ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェ、タオルミーナなどのイタリア各地で、行正さんが出会ったレシピをアレンジした約60品を紹介しています。
そして、イタリアワインのわかりやすい紹介と選び方、行正さんが10年以上にわたって見つけ出したおすすめワインショップまで載っています(担当編集はさっそく活用しております!)。
さらに、行正さん撮影のイタリア各地写真とともに掲載されるのは、旅心を刺激するエッセイ10編。
ページを繰れば、日本にいながらイタリア各地を旅した思いになれること必至の、他にはない料理本となりました。
旅写真も満載ながら、料理写真も「イタリア現地のトラットリア」をイメージして、田尻光久さんが撮影してくださいました。見るからにおいしそうなパスタやピッツァが並びます。
この料理全品、もちろん行正さんご自身が作っています。
猛暑が続く8月の丸4日間、行正さんが淡々と次から次へと作りだすお料理は、どれも美味。調子に乗って味見しているうちに、スタッフ一同、満腹です。しかし、おいしくて食べるのをやめることが出来ない上、行正さんったら「飲みますか~~?」なんて、ワインを開けてくださり・・・。夕刻には毎度、宴会のようになっていました。
こんなに楽しい仕事はそうそうありません(笑)。
行正さんが料理をする現場を見ると、とにかく「早い」。
にんにくのおいしい香りが漂ったと思ったら「出来ました~~」という感じ。
そして、お皿に盛り付けるそのセンス。まるで絵を描くようなバランスと色彩です。
いつもお忙しくて前夜も遅くまで仕事だっただろうに、朝から上機嫌にお料理する行正さんは、日常生活でも旅先でも楽しいこと、うれしいことを見つけるのが上手な方です。
ネガティヴなことも、悪口、陰口もおっしゃらない。
「楽しいねー、面白いよねー、ありがとう!」これが、口癖。
一緒にいると、こちらまで楽しくなってくるのです。
今回の仕事はスケジュールもタイトでしたし、カメラマンの田尻さん、デザイナーの中村朋子さんをはじめ、皆さん、はっきり言って、すごーく大変でした(汗)。しかし、気付けばみーんな、行正さんのこの明るいエネルギーに引っ張られ、「もう頑張っちゃおう!」と巻き込まれて「ああ、楽しい仕事だったね」となっていました。
料理も仕事も<行正マジック>!
読んでも、作っても、食べても楽しい。
この本に溢れている「一度きりの人生、楽しもうよ!」というメッセージも、ぜひご賞味ください。

(編集K)


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