『天に星 地に花』著者:帚木蓬生
定価:1,900円(本体)+税 8月5日発売
<あらすじ>
人間の命といとなみを見つめる若き医師の、魂の物語。
久留米藩領井上村。大庄屋高松家の総領・甚八と弟の庄十郎は父に連れられ、数千と集まる百姓たちの姿を目の当たりにする。突然下った年貢の増徴と夫役によって、百姓たちの怒りに火がついた。天地を揺るがすような一揆寸前、稲次因幡家老が百姓救済を申し出て、一揆は回避されるが――。
時が経ち、甚八は家督を継ぎ、庄十郎は自らの病をきっかけに医師の道を志す。
逃げ出すわけにはいきまっせん。
前ば向いて生きんこつには。
黄金色に輝く稲穂、田植え唄、雨乞い、火祭。
筑後平野に息づく、さまざまな人生の哀歓を描きつくす感動長編。
(担当編集者から)
帚木蓬生さん新作は、手書き原稿用紙1000枚以上、単行本600ページにも及ぶ超大作の時代小説です。
作品の主軸となるテーマの一つは「一揆」です。「官」に翻弄され抑圧され続ける庶民の姿は、今の日本の実状と重なって見えます。怒りを溜めこんだ人々が、一体どのような答えを出すのか。苦しい時代をひたむきに生きた一人の青年医師を描くと供に、現代社会への問題提起を行う傑作長編です。
百姓の生活と困窮を見届ける青年医師、「田舎の赤ひげ」の物語をご堪能ください。
(担当N)