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担当編集のテマエミソ新刊案内

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イヴォンヌの香り

  • 紙の本

『イヴォンヌの香り』著者:パトリック・モディアノ 訳者:柴田都志子

定価:2,000円(本体)+税 12月5日発売

2014年ノーベル文学賞を受賞したパトリック・モディアノの傑作、『イヴォンヌの香り』が20年ぶりに装いも新たに復刊しました。

初版は1994年。当時、『髪結いの亭主』などで知られるパトリス・ルコント監督で映画化されとこともあり、大きな話題となりました。

物語の舞台は1960年ごろのフランス。スイス国境に程近い湖畔の町に、素性のよくわからない18歳の「ぼく」がやってきます。「ぼく」はヴィクトール・シュマラ伯爵を名乗り、いざというときにはいつでも、国境を越えて逃げる気持ちでいます。
そんな「ぼく」はホテルのロビーで、電撃的な出会いをします。相手は少し年上の女性、イヴォンヌ。新人の女優ということで、憂鬱そうな大型犬を飼っていました。「ぼく」はイヴォンヌの部屋に転がり込み、その時から、二人の耽美な時間が流れ始めるのですが……。

イヴォンヌの友人で医師のルネ・マントが踏み込んでしまったきな臭い世界、夜中の電話、アルジェリア紛争下という時代が落とす暗い影。何より自己を語りたがらない「ぼく」とイヴォンヌ。全体が謎のヴェールに包まれていて、「ぼく」の恋がどのような結末を迎えるのかが気になる――。普段、フランス文学に馴染みのない方でも、否応なしに惹き込まれる作品です。

初版時の事情を知っているスタッフがいなく、文章のデータも残っていない……。手探りだらけの復刊作業となりましたが、とても素敵な新装版に仕上がりました。ぜひ手にとってもらいたい一冊です。

(担当MD)


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