『動物翻訳家』著者:片野ゆか
定価:1,500円(本体)+税 10月5日発売
片野ゆかさん『動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー』が10月5日(月)に発売となりました。
「最近、動物園が面白い」。そんな声が聞こえてきたのは数年ほど前。
ただ動物の姿形を来場者に見てもらう「形態展示」から、動物本来の行動や能力を見せる「行動展示」へ。動物たちの行動を理解した施設を造る裏側には、飼育員を始めとする様々な人々の絶え間ない努力がありました。
「ペンギンは氷の上を歩いている」。そんなイメージから、従来ペンギンの動物舎は南極をイメージした白いコンクリートに囲まれていた。しかしペンギンは温帯や亜熱帯にまで広く分布し、岩場や草むらに生きる個体も多い。常識を覆すペンギン舎を新設するため、園長とともに南米・チロエ島に飛び立った飼育員の小山。緑の丘と、日本初のウォークスルー方式を取り入れた動物舎は成功するのか。埼玉県こども動物自然公園「緑の丘のペンギン」――。
その他、日立市かみね動物園「チンパンジーの群れづくり」、秋吉台自然動物公園サファリランド「アフリカハゲコウのフリーフライト」、京都市動物園「キリンのお引越し」の計4動物園に片野さんが取材を行い、飼育員、そして動物たちの努力の軌跡に迫りました。動物たちが暮らしやすい魅力的な環境をつくるためには、彼らの行動を理解し、“心の声”に耳を傾けることが重要。それは飼育員による大胆にして緻密な「翻訳作業」と言えるのではないでしょうか。
動物の幸せとは――? 多くの人が考えるこの問いに、真摯に向き合った動物園ノンフィクションです。
ぜひ手に取っていただけますと幸いです。