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光のない海

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成熟した世代に人生の意味を問う、白石一文『光のない海』、12月5日発売!

定価:1,750円(本体)+税 12月4日発売


『一瞬の光』でのデビュー以来、直木賞受賞作の『ほかならぬ人へ』や、『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』など、人間の生と死、運命をめぐる小説を書き続けている白石一文氏。

今作は、建材会社の社長・高梨修一郎を主人公に、取引先の粉飾決算で危機に陥る企業経営のスリリングなストーリーと、人生をめぐる哲学的思索が交差します。

高梨は50歳を過ぎて、不眠とウツに悩まされながら、社長としての責務をこなしていく日々。成熟した大人として周りの人々と関わりつつも、内心では「果たして自分は何のために生きているのか?」という大きな問いを抱えて、人生の意味を振り返りはじめます。
社会的な成功を経てもなお、満たされない個人の「孤独」とは――。
そして、その乾いた孤独の果てにある「人生の光」が、『光のない海』のメインテーマです。

著者は、本作についてこう語っています。
「恋愛も友情も家族も遠ざかり、人はやがて最後の孤独に身を浸す。
そのとき、私達はどうやって人と関わっていくのか? 
必要なのは手段方法ではなく、自らの深い想いなのだとこの小説で私は言いたかった」

エンタメ性と文学性を兼ね備えた最新長編、ぜひご一読ください。

(担当AT)


●あらすじ
建材会社の社長を務める高梨修一郎・50歳。
以前は結婚していたが離婚し、現在は一人で暮らしている。
かなり長く不眠症に悩まされていて、鬱々とする自分をもてあましている。
仕事では、取引先の粉飾決算によって経営危機が勃発。
彼は事態の収拾を図ると共に、社長からの引退を考えはじめる。
30年以上の歳月を仕事に捧げた彼の脳裏に浮かぶのは、
「果たして自分の人生は何のためにあるのか」という問い。

怒涛のように過ぎ去った時間。よみがえる記憶。
彼と、先代の女社長の間には、誰にも言えない愛憎関係があった――。

●著者
白石一文(しらいし・かずふみ)
1958年福岡県生まれ。出版社勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。他に『僕のなかの壊れていない部分』『私という運命について』『どれくらいの愛情』『砂の上のあなた』『翼』『快挙』『彼が通る不思議なコースを私も』『神秘』『愛なんて嘘』『ここは私たちのいない場所』など著書多数。


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