『ボージャングルを待ちながら』
「音楽」と「テキスト」の蜜月
オリヴィエ・ブルドー×菅原敏
今や世界中で旋風を巻き起こしているオリヴィエ・ブルドー氏のデビュー作『ボージャングルを待ちながら』。ニーナ・シモンの歌う『ミスター・ボージャングル』が常に流れるなか、“美しい嘘”が織り成す、おかしくて悲しくてせつない家族の物語だ。この作品に、大好きなボリス・ヴィアン、ジャック・プレヴェールらの香りを感じたという詩人・菅原敏さん。ブルドー氏の来日を機に、念願の対談が実現!
◇ボリス・ヴィアンとフィッツジェラルドの間で
◇『ミスター・ボージャングル』が松葉杖に
◇七色の髪のおばあさま、真夜中のシャンソン
◇書くためだけの贅沢な時間
◇めまいがする“行間の広さ”
オリヴィエ・ブルドー(Olivier Bourdeaut)
1980年フランス・ナント生まれ。大量の本を読んで青春時代をすごす。10年間、不動産関係の仕事についていたが失業。様々な職を転々としながら2年かけて「暗い小説」を書くも、どの出版社からも良い返事はもらえず、その後、スペインにいる両親の家に滞在して7週間で書き上げた「明るい小説」が『ボージャングルを待ちながら』。発売されるや、たちまちネットなどで話題となり、文庫版も含め50万部を超える大ヒットとなった。世界30カ国での翻訳、舞台化、映画化、BD(バンデシネ)化が決まっている。
菅原敏(すがわら・びん)
詩人。2011年、アメリカの出版社PRE/POSTより詩集『裸でベランダ/ウサギと女たち』で逆輸入デビュー。執筆活動を軸に異業種とのコラボレーション、ラジオやテレビでの朗読、デパートの館内放送ジャック、海外での朗読活動など、幅広く詩を表現。Superflyへの歌詞提供、東京藝術大学との共同プロジェクト、美術家とのインスタレーションなど、音楽や芸術との接点も多い。現在は雑誌『BRUTUS』や『GINZA』WEB他、連載も多数。