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担当編集のテマエミソ新刊案内

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葉桜

  • 紙の本

『葉桜』著者:橋本紡

定価:1,300円(本体)+税 8月26日発売

 好きな人に、初めて思いを伝えた日のことを覚えていますか? 橋本紡さんの2年ぶりの新作は、そんな初めての恋の切なさとまぶしさにあふれた青春恋愛小説です。

 本書の主人公、櫻井佳奈は小学生の頃から通い続ける書道教室の継野先生に片思いをしています。先生には由季子さんという奥さんがいて、佳奈の思いは決して届くことはありませんが、ふたりの仲睦まじい姿を見ているのが幸せでもあって……。高校三年生になっても、佳奈は教室に通い続けていました。

 時を同じくして、妹の紗英にある問題が持ち上がります。美人で天才型の紗英ですが、櫻井家には何十年かに一度、神童と呼ばれる子どもが生まれ、誰もが例外なく十七歳の時に自ら命を絶ってきたという「伝説」がありました。物語のなかで十七歳を迎えた紗英は、生き急ぐかのように奔放に遊びはじめます。

 夏。教室に新しい生徒があらわれます。かつての継野先生のライバル・塚本の弟子で、書家を目指す津田君。真摯に書道に打ち込む津田君の姿に刺激された佳奈は、夏休みもひたすら教室に通い、一心に半紙に向かっていきます。

 紗英が抱える命の不安、まっすぐに書の道を進む津田君。才能がありながら小さな教室に留まってきた先生と奥さんの過去。さまざまな思いに背中を押されるようにして、長い片思いを抱えて身動きがとれなくなっていた佳奈のなかで、何かが大きく変わっていきます。

 橋本さんが紡ぎ出す繊細な感情描写に、担当者は一生分の胸キュン体験をしてしまいました。佳奈と同じように初めての恋を体験している若い世代はもちろん、大人世代まで。初恋を知るすべての人に贈る、永遠の初恋物語です。

(編集I)


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