『蛇衆』矢野隆
定価:1,500円(本体)+税 1月5日発売
対談 宮部みゆき×矢野 隆
おもしろくて、恰好いい活劇を!
頃は室町末期。戦乱の日本各地を、誰にも仕えることなく、己の技倆と才覚のみで生き抜く最強の傭兵集団「蛇衆(じゃしゅう)」。体術の天才・朽縄(くちなわ)を筆頭に、槍の十郎太、金棒の鬼戒坊、弓の孫兵衛、小刃投げの無明次、紅一点・大太刀遣いの夕鈴。そして渉外担当の宗衛門。彼ら七人が縦横無尽に戦国の世で活躍する、第二十一回小説すばる新人賞受賞作『蛇衆』。
作者の矢野隆さんは前回、『臥龍の鈴音』で同賞最終候補に残りましたが、選考会で同作を高く評価したのが宮部みゆきさんでした。宮部さんの期待に応えて今回、見事受賞を果たした矢野さん。尊敬する先輩作家と歓びを分かち合っていただきました。
テレビゲームからの影響
活字でアクションを書く喜び
初めて観た映画は『八つ墓村』
*以下、小説の内容と深く関わる発言が出て来ますので、本文をまだお読みでない方は、読了後に読まれることをお勧めいたします。
「そうこなくっちゃ」と「そうだったのか」
死んだ人間は、生き返らない
現代にはないもう一つの真実を描きたい
(構成・増子信一/撮影・秋元孝夫)
※この対談の一部は、「青春と読書」2009年2月号にも掲載されます。
宮部みゆき●作家。1960年東京都生まれ。著書に『火車』(山本周五郎賞)『蒲生邸事件』(日本SF大賞)『理由』(直木賞)『模倣犯』(毎日出版文化賞特別賞・司馬遼太郎賞)『名もなき毒』(吉川英治文学賞)等。
注*司馬遼太郎の遼のしんにょうは点ふたつ
矢野隆●1976年福岡県生まれ。2007年、第20回小説すばる新人賞最終候補に。2008年、「蛇衆綺談」で第21回小説すばる新人賞を受賞(受賞後、「蛇衆」に改題)。
矢野 隆 著
『蛇衆』
発売中
定価:1,500円(本体)+税
室町末期、荒喰(あらばみ)とよばれる傭兵集団「蛇衆(じゃしゅう)」が各地の戦で力をふるっていた。頭目・朽縄(くちなわ)ら6人は、皆天涯孤独ながら、今は寝食を共にし、老人・宗衛門の手引きでそのときどきの雇い主のもとに赴き銭を得ていた。一方、筑後と肥後の国境近くの鷲尾領では、当主・鷲尾嶬嶄(ぎざん)の2人の息子による家督争いが、家臣を巻き込み激化しつつあった。隣接する我妻家との戦いのため鷲尾家に雇われ、めざましい働きをみせる「蛇衆」。その戦の後――どこからともなく、朽縄が、生後まもなく死んだとされる嶬嶄の嫡男ではないか? という噂がささやかれるようになる……。
(担当より)ゲーム世代の若い才能による、“新感覚の超絶アクション時代小説”が誕生しました! ……とはいえ、ゲームを全くやらない私も、スピード感あふれる合戦シーンに目が釘付けになり、蛇衆の面々の強い絆に心打たれました。“熱い”物語がお好きな方におすすめしたいです。(編集I)