『ジムグリ』著者:飴村行
定価:1,700円(本体)+税 6月26日発売
本サイトで連載していた長編小説『ジムグリ』が、ついに単行本に! 「トンネルにまいります」との手紙を残して失踪した美人妻を探し、謎の洞窟・虻狗隧道(あぶくずいどう)へと向かう主人公。山間の田舎町で繰り広げられる異形のものの活動、想像を超える展開をぜひご堪能ください。「読む」愉しさを満喫できる、至高の怪奇幻想小説です。
(担当H. K.)
〈前半部分の主な登場人物〉
内野博人(うちのひろと) 主人公。幼い頃より内向的で、人付き合いが苦手だった。母親から受験で猛勉強を強制され、私立の進学校に進むも鬱状態となり、大学には進学せず、地元と訣別。X県の山間にある獅伝町(しでんまち)で特産のツチヘビを解体する仕事に就く。そこで妻となる美佐に出会う。
内野美佐(うちのみさ) 博人の妻。旧姓・横田。「トンネルにまいります」との短い書き置きを残して、ある日忽然と姿を消す。
内野博昭(うちのひろあき) 博人の父親。戦時中に自らが学童疎開していた獅伝町を、博人が一人暮らしをする場所として紹介する。
瀬戸口淳一(せとぐちじゅんいち) 疎開していた博昭と知り合い親友となった、獅伝町の農家の長男。戦時中、博昭の看病をしていた際に衝撃的な発言をする。博人に「おろろんフード」への就職をつないだ後に亡くなる。
瀬戸口鈴江(せとぐちすずえ) 博人が虻狗隧道及び戦時中の出来事を探るために訪問した、瀬戸口淳一の妻。
大田原樂(おおたわらがく) 大正7年に虻狗隧道をモデルにした小説『地下帝国』を発表して大ブームを巻き起こした作家。破天荒な振る舞いで知られ、莫大な印税収入で放蕩生活を送る。死後も根強いファンを持つ。
来堂喜八(らいどうきはち) 敏腕編集者として知られた、大正期の同人誌「異極界」の編集長。美貌の作家・藍野君子を見出し、大田原樂と対立する。
藍野君子(あいのきみこ) 来堂に見出された美貌の女流作家。
鐘文堂書店店主(しょうぶんどうしょてんてんしゅ) 獅伝町にある書店の店主。大田原樂の作品について博人にレクチャーするとともに、戦時中の出来事について手掛りを与える。
鴨井雪薇(かもいゆきら) 瀬戸口家が檀家になっている寺の18歳の娘。
モグラ 虻狗隧道に住む者たちの俗称。彼らは黄泉族とも土竜族とも呼ばれていた。
目次
第一章 傷痍婦人
第二章 愁嘆聖女
第三章 哀願天使
第四章 花葬麗人
最終章 闇、流離姫
*本作品はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
『ジムグリ』著者イラストギャラリー
(レンザブロー連載時に掲載した飴村行さんによるイラスト)
※単行本の装画は影山徹さんです。




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写真/島袋智子著者略歴
1969年福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年、『粘膜人間』(「粘膜人間の見る夢」改題)で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞し作家デビュー。2010年、『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。