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担当編集のテマエミソ新刊案内

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祭り囃子がきこえる

  • 紙の本

『祭り囃子がきこえる』川上健一

定価:1,400円(本体)+税 8月26日発売

ちょっと記憶をたどれば、みなさんにも祭りにまつわる思い出は、
きっとたくさんあるのではないでしょうか。
特に子供の頃の思い出は鮮烈です。
祭りの夜ばかりは、親も寛大で外出を許してくれます。
わずか数枚の100円玉を握りしめて、友達と連れ立って夜店を冷やかします。
ちょっと気になるクラス子も女の子同士でいたりします。
今夜はなんだかスゴいことが起こりそうな、ワクワクした気分になります。
胸騒ぎ、ってヤツでしょうか。
でも現実は、スゴいことなど起きずに妙な興奮だけ残るのが祭りの夜――。

さて、川上健一さんの最新作『祭り囃子がきこえる』は、
8つの祭りを舞台にした短編集になります。
そして、この物語では、祭りの夜にスゴいことが起こります。
奇跡が起こるのです。主人公たちは奇跡に出合うのです。

「再会」。

ものすごいスピードで変わり行く社会の中にあっても、
祭りは昔と変わらぬ姿であり続けます。
そんな祭りの中で、奇跡的な再会を果たしたことで、
主人公たちは自分の選んできた人生振り返ります。

実は案外素晴らしい人生であったのではないか……。

何度も原稿を読んだ担当編集ですが、告白します。
読んだ回数分、泣きました。
読者を狭めるようなことを言うのは担当としてはいかがなものかと思いますが、
オーバー40歳の男の人にぜひ読んでいただきたい!
めっきり髪の毛も薄くなり、メタボのお腹も情けないと思っている人も
きっと自分自身を肯定できると思います。

(編集E)


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