終身雇用制度が揺らぐ今、「働く」という覚悟――。
夢と救済のネットワークビジネス。1月5日発売!
定価:1,500円(本体)+税 1月5日発売
2012年、第36回すばる文学賞を受賞した「狭小邸宅」から3年、満を持して書き上げた新作『ニューカルマ』が発売になります。
デビュー作『狭小邸宅』では、過酷なノルマが日常の、若き不動産営業マン・松尾の葛藤する姿が共感の嵐を呼んだ作品でした。
本作は、大手電機メーカーの関連会社に勤める青年が、会社のリストラ騒動で将来に不安を募らせる中、救いを求めた先がネットワークビジネスの世界でした。成功と転落を経験し、仕事と友人も失います。そこで彼が取った行動は――。
息つく暇もなく、頁をめくる手が止まらないほどスリリングに話が展開して行きます。
読み終わったあと、問われます。「ネットワークビジネス」って「悪いこと」だと思い込んでいたけど本当だろうか?……。
著者はこう語っています。
「こういう業界って、何となく疑いの目で見るようなところがありますけど、事実上、法律には触れていなかったり、昔のような粗悪な商品はもう排除されて、ちゃんと需要に見合う商品になりつつある。そうすると、一体何がいけないのかってことになる。今までのこの業界を怪しげなものと見ていた社会の風潮を覆すような、パラドックス的なものを感じながら書いていました」
誰しもが一度は耳にしたり、もしくは接触があったりするネットワークビジネス。そして、その実体は何かということを、深く考えてみたこともないだろうと思います。
どうぞ、本作を読んでいただいて、自身へ問いかけてみて下さい。
「働く」ということの意味を。
●著者紹介
新庄 耕(しんじょう・こう)
1983年、京都市生まれ。神奈川県在住。慶応義塾大学環境情報学部卒業。
2012年「狭小邸宅」で第36回すばる文学賞を受賞。デビュー作『狭小邸宅』に続き、本作が2冊目の単行本となる。