子ども、親、保育士、先生…それぞれの成長描く佐川光晴最新刊『大きくなる日』発売中! 感動・共感の声、続々!
定価:1,500円(本体)+税 4月5日発売
匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」をきっかけに、最近にわかに、この国の子育てに関する問題がますますクローズアップされています。そんな状況の中、佐川光晴さんの新作『大きくなる日』が発売されました。この作品は、今まさに物議を醸す保育園に加え、小学校、中学校等、身近な教育の場に関わる子どもや大人の気持ちに温かく寄り添い、その心の成長に光を当てた連作短編集です。
児童養護施設を舞台にした「おれのおばさん」シリーズでは、青春を迎える少年の成長を痛快かつ感動的に描いた佐川光晴さん。実は作家である一方、長年「主夫」として小学校教諭の奥様を支え、二人のお子さんを育てていらっしゃいます。『大きくなる日』の全9編は、「おばさん」シリーズの前向きで温かな作風をそのままに、主夫としての経験と実感がふんだんに生かされた、誰しもの胸に染みる物語となっています。
四人家族の横山家の長男・太二が、保育園から中学を卒業するまでの時系列の中で、横山家と横山家に関わる地域の人々の姿が生き生きと描かれます。そこにはヒロイックな人物も、大きな事件も出て来ませんが、「こんな子どもに育って欲しいな」「こんな保育士さんがいて欲しいな」「こんなお父さんでありたいな」と素直に思えるような、市井に生きる人々の等身大の魅力に溢れています。
本読みのプロである書店員の皆さんからも、たくさんの感動・共感の声が届いています。
何度も何度も手を叩き、膝を打ち、頷いて、ウルウルしながら読みました。大人は子ども心が、子どもは大人の気持ちがよくわかり、誰もがもっと素直で優しくなれるはず。温かな血の通った物語に心がスッキリ洗われました!
(三省堂書店 営業企画室 Uさん)
横山家の4人と関わる人たちの、日々の成長と変化をゆっくりと見守る物語たち。このゆっくりとした作者の視線が優しくて心地いい。
かつて子どもであった人、子どもを育ててきた人、子どもに関わる仕事の人、これから大人になっていく人、すべての人と共有したい一冊です。
(精文館書店 中島新町店 Hさん)
お涙ものでもない、最近多い子どもの不幸ものでもない、普通に暮らす子どもたちの話を小さな喜怒哀楽を感じさせながら読ませる佐川さんの小説が大好きです。
(MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 Nさん)
子育て世代はもちろん、保育士さんや先生、子どもの成長に関わるすべての人に届けたい。そして、そんな皆さんが新たな一歩を踏み出す際の心の糧にしていただきたい作品です。
●著者紹介
佐川光晴(さがわ・みつはる)
1965年2月8日生まれ。東京都出身、茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。2000年、食肉処理場で働きながら書いた作品「生活の設計」で第 32回新潮新人賞を受賞しデビュー。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。同 作が評判を呼び、『おれたちの青空』『おれたちの約束』『おれたちの故郷』とシリーズ化。エッセイに、食肉処理場での体験を描く『牛を屠る』、長年の主夫経験をまとめた『主夫になろうよ!』がある。
第1話試し読みはこちらです。