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担当編集のテマエミソ新刊案内

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ここに消えない会話がある

  • 紙の本

『ここに消えない会話がある』山崎ナオコーラ

定価:1,100円(本体)+税 7月24日発売

(4)■会社で働くということ――「からかいたいですね、組織を」

仕事に対する思い入れも6人でそれぞれ違いますよね。

――そうですね。広田は広田で、プライドをもって仕事をしていて、いばっている佐々木を妬んだりもしないですし。佐々木は佐々木で、仕事で認められたいタイプですし。それぞれに軸があるといいなと思いますね。たぶん別所は釣りが軸になっちゃいますけど(笑)。

佐々木の“寝てない自慢”とか、「こういうやついるなー」と思いました(笑)。

――愛すべきキャラクターですよね。こういう男子、かわいいと思います。

え~そうですか!?(笑) 私は意外と毒がある岸が好きですね。佐々木に「フォーマルぶりっこ出たー」とか言ったり。

――社員証を捨てたりね(笑)

実はこっそり小説を書いていますしね。でも、そうやってそれぞれ全然違う軸を持った6人が、それでも「職場」という場でちょこちょこ助け合ったりしている感じは、本当に職場の面白さがすごく良く出ているなぁと思いました。協調性・社会性の中に個性が見え隠れする感じというか……会社という組織で働くってそういうことなのかもな、と思いました。

――私もすぐ人のことを「組織」「組織」と言ってしまうんですが(笑)、実のところは、自分は組織じゃない、というようなスタンスで組織に関わっている人たちがいっぱいいて、ぼんやり組織が形作られているんですよね。そうやって社会が機能しているんだなって思うと、集団は怖いけれど、決して集団になることを否定はしたくないなと思いますよね。本気の「個人」で生きている人なんていないんだから。

やっぱり、組織や仕組みがあるから、世の中が動いているんですよね。

――組織や集団を意識してはいたいですが、「組織からは離れています」みたいな顔をするのもどうかと思う。楽しみたいですね、組織を。で、からかいたいですね、それこそ社員証を時々捨てたりとかして(笑)。


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