小説すばる12月号、好評発売中です!
2023年11月17日更新
【第36回小説すばる新人賞受賞作抄録】
「正しき地図の裏側より」 逢崎 遊
父が盗んだ8万円は、定時制高校に通う耕一郎がやっとの思いで貯めたものだった。怒りのあまり父を殴打すると、雪の中で動かなくなってしまう。その時、 耕一郎が取った行動は――。地図には書かれない道を歩み続けた、一人の青年の成長記。
「我拶もん」 神尾水無子
売れっ子の駕籠舁・桐生と久留米領主の近習・小弥太。身分も性分も相容れない二人の男が、時に殴り合い、時に助け合いながら、災禍に見舞われた江戸の町で、再生への一歩を踏み出す物語。
選評/朝井リョウ 五木寛之 北方謙三 辻村深月 宮部みゆき 村山由佳 (五十音順・敬称略)
新選考委員インタビュー/朝井リョウ 辻村深月
新人賞応援企画/編集部からのアドバイス
【第37回小説すばる新人賞】
募集要項はhttp://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/sinjinsyo/をご覧下さい。ご応募をお待ちしております。
【第36回柴田錬三郎賞決定発表】
受賞の言葉
『ハヤブサ消防団』(集英社刊) 池井戸潤
選評/伊集院静 逢坂剛 大沢在昌 桐野夏生 篠田節子 林真理子 (五十音順・敬称略)
【インタビュー新連載「注目の星」】
『歌われなかった海賊へ』刊行記念 逢坂冬馬「「普通」である私たちへ」
二〇二一年刊行『同志少女よ、敵を撃て』から二年。今最も新刊を期待されている逢坂冬馬氏の長編最新作が、遂に刊行されました。舞台を終戦間際のドイツとし、戦時下の「普通」の人々を描いた今作『歌われなかった海賊へ』。激変する時代の中、他人ごとではなくなっている「戦争」を目前にして、私たちはどう生きるのか。作品に込めた思いを語っていただきました。
【読書エッセイ新連載】
「これがそうなのか」第1回 永井玲衣「恥辱だけが」
【短期集中連載】
青波 杏『日月潭の朱い花』
桐島秋子の日記にのめりこむジュリ。とある人物が存命であることに辿り着き、二人は台湾を離れイタリアヘーー
【読切短編】
人間六度『君のための淘汰』
謎の生命体に寄生された婚活中の港藍子(29歳・東京都) 。ダメ男ホイホイだった彼女は、その日を境に一変する。「選ばれたい」願望の先を描く次世代婚活譚、開幕。
【インタビュー】
『なれのはて』刊行記念 加藤シゲアキ「答えではなく、問いを与え続ける物語を」
吉川英治文学新人賞を受賞し、直木賞候補にもノミネートされた『オルタネート』から約3年。加藤シゲアキさんの新作『なれのはて』は、一枚の古い油絵をめぐる謎が日本の戦中戦後史と交差する、肉厚骨太なエンターテインメント大長編になりました。物語の主な舞台を自身の母親の実家がある秋田県に据えた今作は、加藤さんのルーツを巡る旅の趣も含んでいます。今作に託した思い、そして作家生活一〇年を経て戦争を描くに至った境地についてお聞きしました。
【舞台密着ルポ】
小説家が語る舞台の魔力~夢枕版『怪談 牡丹灯籠』に寄せて~
怪談噺の名作「牡丹灯籠」が今また、注目を集めている。十月二十四日に幕が上がった「夢枕版『怪談 牡丹灯籠』」には、昼夜二回、たった一日の公演にも関わらず、演劇・古典芸能ファンなら垂涎の錚々たる出演者が集った。その脚本を書きおろし、演出まで関わったのが小説家・夢枕獏である。脚本執筆に関しては時々、しかし演出については「ド素人」という夢枕。本人曰く「縁出です。スミマセン、ご縁があって出しゃばってしまいました、の縁出」ということだ。異種格闘技ともいえるコラボレーションの中で体験した舞台の醍醐味を、小説家の視点で語る。
【韓国旅エッセイ】
原田マハ「フーテンのマハ ソウルへおかえり」
原田さんの小説『旅屋おかえり」がなんと韓国でドラマ化! ソウルで行われた撮影の現場に、原田さんが潜入します。
連載小説、インタビュー、対談、エッセイ、書評等、豊富な内容で毎月17日発売予定です。
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村田沙耶香さんの「世界99」が堂々完結。最新刊『グリフィスの傷』刊行記念の千早茜さんと石内都さんの対談も注目!
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千早茜×石内都「傷痕の奥に見えるもの」
千早茜さんが今作の着想源にしたのは、世界的写真家の石内都さんの傷痕をテーマにした作品群。お二人にとっての書くこと、撮ることとは。
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グリフィスの傷
千早茜
からだは傷みを忘れない――「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。