【第38回小説すばる新人賞】
受賞作抄録 「ギアをあげた日」平石さなぎ
ある教団で「創始者の生まれ変わり」と崇められる小学四年生・吉沢癒知の世界は、同学年の転校生・渡来クミの登場によって瞬く間に変化し、新たな色を帯び始める――

選評 五木寛之 北方謙三 辻村深月 宮部みゆき 村山由佳(五十音順・敬称略)
編集部からのアドバイス

【第39回小説すばる新人賞】
募集要項はhttp://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/sinjinsyo/をご覧下さい。ご応募をお待ちしております。

【第38回柴田錬三郎賞 決定発表】
受賞の言葉
松井今朝子 『いちじょうの夢と消え』(文藝春秋刊)
選評 逢坂 剛 大沢在昌 桐野夏生 篠田節子 林 真理子(五十音順・敬称略)

【新連載】
天野純希「靴と太陽」
目指すのは、良妻賢母ではなく靴職人。
大正時代、靴作りをなりわいとする家で、業界への参画を夢見る十四歳の輝子。
だが、その志に理解を示す者はおらず……
著者新境地となる、抵抗と再生の物語。

【『がみ』刊行記念対談】
矢野 隆×よじょう(お笑い芸人・ガクテンソク)「命と向き合う「猟師」のリアル」
歴史時代小説の書き手である矢野隆さん初の現代小説『猪之噛』。
狩猟をテーマに、猟師たち、そして山と共に暮らす人々の生きざまを描いた作品です。
猟師といえば、昨今お笑い芸人の間で狩猟免許を取られる方も増えているんです。
今回はそんなブームの火付け役でもある、ガクテンソクのよじょうさんをお招きし、狩猟の今、そして『猪之噛』の魅力について語っていただきました。

【『これがそうなのか』刊行記念対談】
永井玲衣×頭木弘樹(文学紹介者)「生まれたての言葉と出会う」
哲学対話を通して、言葉の生まれる現場を見つめる永井玲衣さん。
頭木弘樹さんも、話題の書『痛いところから見えるもの』で痛みを抱えた人の言葉をすくい上げています。
永井さんの新しいエッセイ集『これがそうなのか』の刊行を記念して、対話で波打つ言葉の海を、お二人に泳いでいただきました。

【読切短編】
寺地はるな「白い風船と虹の国」
三日間の有休。目的は、いまだ毎月律儀にやってくる生理の次ぐらいにやっかいなイベント――「帰省」だ。祖父の七回忌、わたしは染め直したばかりのピンク髪にパンツスーツ姿で故郷へ帰るが……。

【インタビュー連載「注目の星」】
前川ほまれ「臨床現場と物語世界をつないで」
小説家として、現役看護師として、ふたつのキャリアを積みながら、生命の豊かさ、ままならなさを表現しつづける前川ほまれさん。
最新作で描いたのは、「SOGI支援医」。
Sexual Orientation and Gender Identity(性的指向と性自認)の
頭文字をとったこの言葉にこだわりたかったという思いの根源、「書くこと」と「ケアすること」を行き来するなかで可視化される世界について、じっくりお話をお聞きしました。

連載小説、インタビュー、対談、エッセイ、書評等、豊富な内容で毎月17日発売予定です。