特集【生命は歓ぶ――人はなぜ「面白い」「美しい」を創造するのか】では、川上弘美さんと森郁恵さん(生命科学)、池澤夏樹さんと山本貴光さん(ゲーム作家・文筆家)、町屋良平さんと松原仁さん(AI研究)、近藤良平さんと野村亮太さん(認知科学)の四組が、科学的視点と文学的視点を重ねて対話し、創造の本質に迫ります! 辻原登さん、井上荒野さん、宮内悠介さんの新作も読み逃しなく!

【小説】
辻原登「偶然の本質」
かつて「私」の担当編集者だったKさんとは、今では友人のような間柄だ。彼が1990年代初めに起きたある事件について思い掛けない事実を知ったというので、「私」はメモを取りながら話を聞いてみることにした――。

【小説】
井上荒野「ぴぴぴーズ」
コンビニでのバイト中、ある女の客から「俺」に持ち掛けられたのは、思いもよらない交渉だった。「あなたの子種がほしいんです」――。

【小説】
宮内悠介「花であれ、玩具であれ」
黄色い夜――砂嵐が地を覆うE国。かつて子供時代にゲームの達人だったベイェネ・イメールは、幹線道路沿いの茶屋でコーヒーを前にし、砂漠の風景を眺めていた。ふと気が付くと少女が一人、無言でイメールの近くに佇んでおり……。

【特集:生命は歓ぶ――人はなぜ「面白い」「美しい」を創造するのか】
わたしたちは創造を楽しんでいる。この歓びは人間の本能か、進化の過程で獲得したものか。文明が進んでも解明されない点が多い、人の創造性。小説家、舞踏家、各分野の研究者が対話を重ね、創造の本質と未来に思いをはせる。

対談/川上弘美×森郁恵「引き寄せ合う芸術と科学」
かつてお茶の水女子大学で生物学を学んだ同級生二人の対談。線虫を使い脳神経の働きを研究する森氏の興味は今、人間の芸術や創造性にあるという――。

対談/池澤夏樹×山本貴光「美しいとは何か──科学の視点から」
科学を題材に小説を書くことも多い池澤氏と、プログラミングを起点に人間全般に興味を抱き研究する山本氏が、「美」を科学でひもとき語り合った。

対談/町屋良平×松原仁「「フレーム」から飛び出す術を求めて」
人間が持つ「創造性」とは一体何なのか。AIが「創造性」を持つ未来は訪れるのか。小説家とAI研究者が、各々の立場からその可能性と展望を語る。

対談/近藤良平×野村亮太「目に見えない熱を味わう」
舞台上で踊り演じるパフォーマーは何を思い表現しているのか。それを観客である私たちはいかに受け止めるのか。ダンサーの言葉を認知科学の研究者が読み解く。

【国際交流基金 共同企画】 
「会えない時代の往復書簡 小野正嗣×ブライアン・ワシントン編(3)」
最後のやりとりは創作の主題でもある、コミュニティとその可能性について。不安定な時代において「コミュニティ」はどう変化したか。お互いの言葉を頼りに、この難しい問いに正面から向き合います。

【第46回すばる文学賞予選通過作発表】
第47回すばる文学賞の募集要項はhttps://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/をご覧下さい。ご応募をお待ちしております。

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