すばる1月号、好評発売中です!
2023年12月06日更新

新年を寿ぐ小説は桜木紫乃さん、石田夏穂さんの新作!
大人こそ読みたい「児童文学」も大特集。自分自身と子どもたちの未来について考えます。
金原ひとみさんのデビュー20周年記念インタビュー、
綿矢りささん新刊『パッキパキ北京』刊行記念対談も掲載!
【小説】
桜木紫乃「情熱」
小説家の島村は招かれた講演の後、博多から下関に向かう。同行者は偶然門司に帰郷していた内田夏海。大学教授である彼女は、還暦を前にした島村と同い年で、二人の住む北海道のテレビ局の番組審議委員会で出会った。夏海に町を案内されながら彼女の過去に触れ……。
【小説】
石田夏穂「世紀の善人」
オフィスの「雑用」である、コピー、スキャン、ファイリング、電話番、照明のつけ消し、応接室の予約、お茶出し、土産物の配布etc.は、入社5年目の安井のもとに「必ず」やってくる。職場に棲む、扱いが非常に難しい生き物「サンゾウ」たちの手によって。
【特集:子どもと本と未来と 座右の児童文学】
出あったのが幼い頃でも、年を重ねた今でも「子どもが主役の物語」に心がふるえるのはなぜか。対談、エッセイ、論考、小品を通して、その理由を考える。大人だからこそ沁みる、読むべき「児童文学」がわかります!
対談/小澤俊夫×エリザベス・コール「昔話の持つ力」
幼いころに物語と出あうことにはどんな意味があるのか。小誌でコラムを連載中の写真家・コール氏と、氏の夫、小沢健二氏の父親で口承文芸学者・昔話研究家の小澤氏が、じっくり語り合う。
対談/金原瑞人×西村義明「忘れられても残り続ける物語」
長年金原氏を敬愛してきた西村氏がプロデューサーを務めた12月公開のアニメ『屋根裏のラジャー』。金原氏が原作に書いた帯文に影響を受けたという。子どもに物語を届ける営みとは。
エッセイ/深緑野分「児童文学について」
児童文学は「良い子」のためのもの? 児童文学には「大人が子どもへと手渡す」構図がある。どんな子どもも本の世界から疎外されないよう、大人たちが考えるべきことは何か。実体験をもとに、鋭く見つめる。
エッセイ/佐藤厚志「フィリパ・ピアスから日本の子供たちへ」
読み継がれる物語を生み出すのには、「魔法」が必要。ピアスの『トムは真夜中の庭で』はそんな魔法にかかった作品だ。佐藤氏が愛読していたピアス作品と来歴を振り返る。
エッセイ/都甲幸治「暴力と祈り――ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』を読む」
「子どもでいることは辛い。まずは、自分では生まれてくる環境を選べない」。絵本の翻訳も手掛ける英米文学者が自身を語りながら名短篇集を読む。
論考/河合俊雄「河合隼雄と児童文学」
児童文学こそが「たましい」を捉えるものだと、その精神に深く共鳴し、よき理解者であり続けた河合隼雄。『飛ぶ教室』の創刊と連載、遺作となった『泣き虫ハァちゃん』まで、生涯と児童文学との接点を再考する。
論考/安藤聡「英国ファンタジーとその背景――児童文学の名作を生んだ時代と風土」
英国児童文学の名作は、独自の風土と歴史のなかで生まれた。『アリス』とオクスフォード、『思い出のマーニー』とノーフォーク州――作品とその背景を読み解く。
論考/遠藤純「戦時下、ある文学者が子どもに向けたまなざし――山本有三編「日本少国民文庫」のこと」
1935年に刊行が開始された叢書「日本少国民文庫」。戦時下の影響を退け、ヒューマニズムを希求した方針が高く評価される。総編集を担った山本有三の信念とは。
小品/池澤夏樹「失われた子供たちの海岸」
トルコに流れ着いた遺体を目にした美術家が、小豆島の海岸に創った200もの砂の子供像。今、世界で「たくさんの子供たちが住むところを失ってさまよっている」。波に洗われる像は筆者に何を語るのか。
インタビュー/金原ひとみ「絶望から他者理解へ 金原ひとみの20年」
2003年に「蛇にピアス」ですばる文学賞、翌年に同作で芥川賞を受賞という鮮烈なデビューを果たした金原ひとみ氏。小説を通して社会を見つめ、時代を表現し続けてきた20年の足跡と現在地に、江南亜美子氏が迫る。
『パッキパキ北京』刊行記念対談/綿矢りさ×藤井省三「オンナ寅さん北京をゆく⁉ 新境地の魅力」
綿矢氏の実際の北京滞在から生まれた本作の主人公は、今までとは少し違う? 中国文学者の藤井氏が、綿矢氏の思いもかけない中国文化とのつながりを、文芸評論家として紐解いてゆく。
【第48回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/ をご覧ください!
連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。
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