松田青子さんの新連載「ポリゴナムの集会室」と、
山内マリコさんの連作小説「ペンと絵封筒」は必読!
キム・ソヨンさん文月悠光さんの対談、詩人・左川ちかに関する講演・対談では、
古今における「詩」の役割が見えてくる……!

【新連載】
松田青子「ポリゴナムの集会室」
「その年、わたしはただ静かに、ただ目立たずに、ただ日々をやり過ごすことで時を越えようとしていた」。学校、他人、自分、いろんなことが「気持ち悪い」わたし。ある日、バスに揺られ音楽を聴くわたしの前に、その「人のかたち」は現れた。

【小説】
山内マリコ「ペンと絵封筒」
大正四年、父の転勤に伴い東京から大阪へと移り住んだ松本新子。「華羊」の号で日本画を描く彼女はやがて、大阪で活躍する同年代の女性絵師たちと出会い、ともに画会を開くことに。実在の人物をモデルに綴られた、女性と表現の物語。

【小説】
水原涼「台風一過」
何かの言葉を交わして始まったわけではない関係。最後に会ったのがいつだったのか思い出せない相手。「終わること」が決まってから、交わされた会話――「不在」の手触り、その始まりを確かめようとする人々の物語。

【シリーズ対談「変化する価値観と物語の強度(4)」】
桜庭一樹×かが屋(加賀翔・賀屋壮也)「笑いの多様性――誰も傷つけない笑いと、社会へのカウンターになる笑い」
桜庭一樹さんが「新時代のクリエイター」として注目する人々と対話するシリーズ。今回はかが屋のコントの「現代性」に迫ります。

【対談】
キム・ソヨン×文月悠光「悲しみに寄り添うのが詩人の役割」
2023年秋に詩集『数学者の朝』が邦訳され、注目を集めるキム・ソヨンさんと、『パラレルワールドのようなもの』で富田砕花賞を受賞した文月悠光さんの対談。日韓の詩の第一線で活躍するお二人が語らう「詩の現在」。

【講演と対談】
「左川ちか モダニズムの女性詩人」
昭和十一年、二十四歳で夭逝するまで、詩人・翻訳家として生きた左川ちか。ヴァージニア・ウルフ作品を翻訳し、最前線で詩作を重ねた。北海道立文学館での特別展「左川ちか 黒衣の明星」での川村湊氏の講演、川村氏と島田龍氏の対談を載録。

【文芸漫談】
奥泉光×いとうせいこう「大江健三郎『水死』を読む」
「後期の仕事(レイト・ワーク)」と聞き私たちが思い浮かべるのは、静かな筆致で人生を振り返る類の私小説だろう。ところが大江健三郎が晩年に発表したのは、円熟や調和とは程遠く、過激さに溢れた「私小説」だった。

【第49回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/  をご覧ください!

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