すばる8月号、好評発売中です!
2024年07月05日更新
辛島デイヴィッドさんの連作はフランツ・カフカ没後100周年に寄せての意欲作!
金石範さん、川崎徹さん、シュチェパン・トファルドフさんの小説は、
この夏、戦争とその傷痕について考えさせられる傑作です。
【連作 断識芸人】
辛島デイヴィッド「アンビバレンス」
フランツ・カフカ没後100年に合わせた短編連作。徐々に言葉を失い、変わっていく父を施設に見舞い、家では夫の言動にいら立つ自分を押し殺す日々。ある朝、首にオリオン座のような3つの吹き出物を見つけた。
【小説】
金石範「マンドギのユーレイ」
済州島・ハルラ山のふもとの観音寺に召使いとして住み着いていたマンドギ。彼はパルチザン闘争の渦中で警官に抵抗して逮捕、処刑されたはずだった……。しかし、墓場から出てきたという噂が村に広がる。はたして、マンドギは生きているのか、それとも──。
【小説】
川崎徹「鉄の脚」
駅の東西を結ぶ地下通路。電車が通るたびに響き渡る轟音にかき消されながらも、アコーディオンとハモニカで軍歌を演奏する人たちがいた。白い衣をまとった傷痍軍人。あらかじめ親から渡された十円玉をどの人の飯盒に入れるか、こどもはいつも迷うのだった……。
【小説】
椎名誠「天竺屋奇譚」
道端でバクチに興じていた灰汁は、首の後ろに異変を感じ、そのまま気を失ってしまう。介抱してくれたのはトバク師の親父とさくらの若い男。宿屋「天竺屋」で酒宴が始まる――。
【すばる海外作家シリーズ】
シュチェパン・トファルドフ「時間の無駄」
芝田文乃訳・解説。昨年、ワルシャワ・ゲットー蜂起80周年を記念して発表された短編小説。現在はポーランドに属する「シロンスク」地方の複雑な歴史から、第二次世界大戦を描く。
【『Blue』刊行記念対談】
川野芽生×岩川ありさ「信頼できる物語を生み出すために」
代官山 蔦屋書店で行われた対談イベント「トランス差別に抗うために、文学ができること」を載録。様々な形式が駆使された『Blue』の表現を振り返りながら、読み手が排除されない、物語の「信頼」について話します。
【論考】
木村朗子「孕む身体と太古の時間──津島佑子初期作品『生き物の集まる家』『寵児』をめぐって」
女性としての身体経験を描きながら時間の複層性をあらわしていくこと――「女の立場から」なされた津島文学の大きな試みについて、二つの初期作品を手掛かりに読み解く。
【すばるクリティーク】
西村紗知「いしいひさいちについて」
朝日新聞での連載「ののちゃん」で知られる漫画家・いしいひさいち。その作品群において、近年Xで好評を博した『ROCA』は異色であった。ギャグとしての機能から「箱庭」性に至るまで、いしいの作品世界を繙き掘り下げる。
【追悼:アリス・マンロー】
鴻巣友季子が「極私的追悼――手の届かなかったあの人へ」を寄稿。
【エッセイ】
小説『銭湯』で2022年に、ことばと新人賞を受賞した福田節郎が「裏切者」を寄稿。
【エッセイ】
カメラマンで、その文章表現にも注目が集まる川崎祐が「光の記憶」を寄稿。
【第49回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/ をご覧ください!
連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。
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新刊案内2025年12月05日武家女人記
砂原浩太朗
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インタビュー・対談2025年12月03日道尾秀介「読む順番によってストーリーががらりと変わってしまうようなものを作れないかと考えたんです」
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インタビュー・対談2025年12月03日森晶麿✕おとん ミステリおじさん「“一句”から始まる推理:森晶麿が明かす〈一言トリック×自由律俳句〉
森さんと、長年ミステリに親しみ、書評インフルエンサーとしても知られる“ミステリおじさん”ことおとんさんが、制作秘話について語り合いました。
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インタビュー・対談2025年11月30日永井玲衣×頭木弘樹(文学紹介者)「生まれたての言葉と出会う」
言葉について考え続ける永井さんと頭木さん。対話で波打つ言葉の海を、お二人に泳いでいただきました。
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インタビュー・対談2025年11月26日村山由佳「動物のことは噓偽りなく書ける。それが私の強みだと気づきました」
愛猫たちとの日々を愛情たっぷりにエッセイに綴ってこられた村山さんが、このたび小説で動物たちと人間を描いたのはなぜなのでしょうか。