すばる9月号、好評発売中です!
2025年08月06日更新
注目は古川真人さん、石沢麻衣さん、上田岳弘さんの新作小説3本。
桜木紫乃さんの最新刊『情熱』の創作秘話を、大竹まことさんと語り尽くす対談も見逃せません。
【小説】
古川真人「豚の泳ぐ日」
豚の泳ぐ姿を見た。そう伯父から聞いた。「それで、豚はどうなったと? 捕まえることができたの?」今まさに眼前で起きたハプニングのように語られる、五十年以上も昔の長崎の島のこと。当時その港にいた人たちの、人生の経路と歴史が交錯する――。
【小説】
石沢麻依「糸芝居」
笑わない司書、アリアドネは私たちの視線を惹き付ける。美観地区といえば聞こえがいい古い屋敷街に、両親と、牛頭と呼ばれる弟と暮らしているらしい。夕闇に沈む路面電車の中で、私たちは今日も彼女を見つめる――。
【小説】
上田岳弘「ノー・ファンタジー」
経営する会社を売却して単調な日々を送る〈僕〉は、同窓会で15年ぶりに再会した〈三木遥〉と関係を持つようになる。結婚、出産、離婚を経て、現在は育児と仕事を両立させる三木。やがて日常とは〈別モード〉に入った三木が姿をのぞかせるが――。
【『情熱』刊行記念対談】
桜木紫乃×大竹まこと「情熱と分別の先にある、男と女のいい関係」
桜木紫乃さんの新作短編集『情熱』では、60歳前後と思しき男女の心の機微が描かれる。収録作の「ひも」は、大竹まことさんとの対話から生まれた作品。創作や、人生の後半に入った男女の幸福について語らう。
【論考】
四方田犬彦「エドワード・W・サイードの〈始まり〉」
1975年に刊行されたサイードの『始まり 意図と方法』についてはサイード論者のほとんどが言及を避けてきた。直観的な警句と逸脱、詩的な強度に満ちた断言と知的饒舌は魅力的だが、読者を疲弊もさせる。そんな書物を丁寧に読み解くと……。
【インタビュー】
宇野常寛「環境から主体へ、『庭の話』から『ラーメンと瞑想』へ」
中年男性二人が毎週ラーメンを食べ、瞑想する。そんな「朝活」が、実は「人間」的世界を相対化し超越する行為だった……! 最新刊でなされた思考の試みを手掛かりに、宇野氏の近年の批評活動について訊く。
【最終回】
岡野大嗣「夜なのに夜みたい」
息をするように穏やかに、目を凝らし耳を澄ませて、時間も距離もぽんと超えて、散文と短歌で集めてきたこの世界の差分のスケッチ。いよいよ最終回。
【新連載】
年森瑛「四捨五入したら趣味」
第127回文學界新人賞受賞作「N/A」の著者、年森さんには、好きではあるけど人に言えるほどではない、くらいの趣味が実は沢山あるらしい…! きらっと素敵な写真も添えて、たのしい趣味(?)の世界をめぐる連載エッセイが始まります。
【すばる文学賞】
第49回の予選通過作を発表しています。
第50回は応募受付中です。みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/ をご覧ください!
連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。
新着コンテンツ
-
インタビュー・対談2025年11月30日
インタビュー・対談2025年11月30日永井玲衣×頭木弘樹(文学紹介者)「生まれたての言葉と出会う」
言葉について考え続ける永井さんと頭木さん。対話で波打つ言葉の海を、お二人に泳いでいただきました。
-
インタビュー・対談2025年11月26日
インタビュー・対談2025年11月26日村山由佳「動物のことは噓偽りなく書ける。それが私の強みだと気づきました」
愛猫たちとの日々を愛情たっぷりにエッセイに綴ってこられた村山さんが、このたび小説で動物たちと人間を描いたのはなぜなのでしょうか。
-
新刊案内2025年11月26日
新刊案内2025年11月26日I
道尾秀介
「一冊の本」の概念を壊す道尾秀介、2年ぶりの新作。あなたの選択で、結末が変わる。35万部突破の『N』を凌ぐ衝撃。
-
新刊案内2025年11月26日
新刊案内2025年11月26日しっぽのカルテ
村山由佳
舞台は信州の美しい木立の中に佇む動物病院。かけがえのない命をいかに救い、いかに看取るのかを問う、感涙のハートフル・ストーリー。
-
インタビュー・対談2025年11月20日
インタビュー・対談2025年11月20日永井玲衣「言葉との出会いや、それを通して世界とどう出会い直すかを書きたかった」
永井さんがあちこちで行っている哲学対話での出来事を例に挙げたり、心の琴線に触れた詩や短歌を引用したりしながら展開していく本書への思いとは?
-
お知らせ2025年11月17日
お知らせ2025年11月17日小説すばる12月号、好評発売中です!
今年度小説すばる新人賞、抄録掲載! 天野純希さんの新連載、矢野隆さんの対談など本賞出身作家の活躍も見逃せません。