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2021年10月06日更新
第45回すばる文学賞発表。
受賞作/永井みみ「ミシンと金魚」。安田カケイは、訪問介護やデイ・サービスのケアを受け一人暮らしをしている。認知症の症状があり、近年の記憶が曖昧なカケイ。ある夜彼女は床に就き、ミシンを踏んで生計を立ててきた自らの過去に思いを馳せる。
佳作/石田夏穂「我が友、スミス」。U野は筋トレに励む会社員。ある日ボディ・ビル大会への出場を勧められ本格的に身体を鍛え始める。大会の審査基準は多様で、筋肉だけでなく女性的な美も求められる。審査員に翻弄されながら、彼女がたどり着く境地とは?
水原涼「息もできない」。粂次はほんに手があったこうてええね――。もうとっくに成人したのにいつまでも幼い子のように接しつづけるヨシノさんとその孫を見つめる村人たち。その村にきな臭い空気が漂いはじめ……。新鋭が斬新な手法で描く意欲作。
亀山郁夫「ジュネーヴのドストエフスキー」(後編)。1868年、長女ソフィアが生まれた喜びも束の間、赤ん坊は肺炎を起こして亡くなる。絶望した夫妻はジュネーヴからレマン湖畔へ居を移した。著者はレマン湖の絶景が作家の創作に与えた影響について思いを巡らせる。
佐々木敦「ふりだしに戻る/TIME AND AGAIN――『ゴジラS.P』の円城塔論」。今年、テレビ放映やネット配信が始まったアニメシリーズ『ゴジラS.P』。この作品は「ゴジラ史」とは意識的に切断された次元にあるのでは? 脚本に携わった円城塔の過去作の分析を通して読み解く。
追悼 保苅瑞穂/吉川一義が「保苅さんの「愛着と共感」に貫かれた文業」を、岩川哲司が「シャルダンの白い花」を寄稿。
連載小説、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。
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からだは傷みを忘れない――「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。
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