担当編集より

蝦夷、奥州を舞台にした新たな太平記。直木賞作家のライフワーク、ここに開幕! 『蝦夷太平記 十三の海鳴り』10月25日(金)発売

10月25日(金)、安部龍太郎さん新刊『蝦夷太平記 十三の海鳴り』が刊行。
鎌倉末期から南北朝時代にかけての激動の世を生きたひとびとが、我々と同じように考えて悩みながら、自らの道を選ぶべく戦います。
舞台はなんと、北海道、東北。
太平記というとイメージ的に鎌倉や京都の印象が強いかもしれませんが、この時代、日本全国が北朝側と南朝側に分かれて争いを繰り広げていたのです。
本作の舞台となる地域でもそれは変わらず。主人公の新九郎は、朝廷につく実父・季長と、幕府に与する叔父・季久の間で翻弄されながら、何が正しいのか懸命に模索します。

目次は
第一章  蝦夷管領家
第二章  熊狩りの罠
第三章  外の浜安藤家
第四章  渡党アイヌ
第五章  大塔宮
第六章  厳鬼山神社
第七章  内乱前夜
第八章  虚々実々
第九章  トリカブト
第十章  それぞれの夢
第十一章 羆の風
第十二章 月の神さま
第十三章 都へ
第十四章 真言立川流
第十五章 独自の道
 あとがき

面白いのは、目次からも分かる通り東北では当時から既に“アイヌの民と交流があった”ということ。
そして、“同盟や争いの原因には必ず経済問題があった”ということ。あたかも好き嫌いで武士たちが戦っていたかのように語られる戦国の歴史ですが、実は──というところに着目すると新たな見方に辿り着けるはずです。

文庫『婆娑羅太平記 道誉と正成』『士道太平記 義貞の旗』と並び刊行される安部版「太平記」シリーズ。このあとも後醍醐天皇や足利尊氏にスポットライトを当て、順次刊行予定となります。乞うご期待ください!