小説すばる4月号、好評発売中です!
2024年03月15日更新
【特集:我が街と本】
その街で暮らす人々の息遣いが聞こえてくる小説
中島京子『うらはぐさ風土記』と寺地はるな『こまどりたちが歌うなら』がこの春、発売になります。
出会いと別れの季節に、今、暮らしている街のこと、大切にしたい本のこと、立ち止まって一緒に考えてみませんか。
書店を巡るエッセイ、書店の今を考えるインタビュー、ご当地の魅力を探るブックガイドまで、総力特集!
『うらはぐさ風土記』刊行記念インタビュー/中島京子「足元にある歴史を眼差して」
夫と離婚し、30年ぶりに帰国した主人公・田ノ岡沙希は、伯父が住んでいた一軒家に暮らすことに。
「うらはぐさ」と呼ばれるその地域での生活の中で、沙希はチャーミングな人たちと交流し、その土地の歴史を緩やかに辿っていきます。
過去、今、そして未来と、街とともに生きていくためにはどうすればいいのか。
舞台のモデルの一つであり、中島京子さんと縁深い西荻窪にて、本作に込めた思いをうかがいました。
『こまどりたちが歌うなら』刊行記念インタビュー/寺地はるな「主人公の目で街を眺めてみたら」
『こまどりたちが歌うなら』は、主人公の小松茉子を中心にした、小さな製菓会社で働く人々の物語。
舞台となっている場所のイメージソースは、作者の寺地はるなさんが暮らし、普段から身近に感じている関西の街。
市井の人々の日常の息づかいや街で生きていく姿を描いてきた寺地さんに、この作品の背景や地元を書くこと、小説と地域性との深い関係、また作家になる前から通っていた街の書店の思い出について語っていただきました。
エッセイ/
青波 杏「日常に魔法をかける」
荒木あかね「近所のT書店」
新川帆立「世界の書店から」
降田 天「離れても好きな人、みたいな」
インタビュー/書店主・今村翔吾「二刀流をやって初めてわかった書店存亡の現実と希望について」
現役の直木賞作家にして、ふたつの書店の経営者でもある、今村翔吾さん。
’21年11月に大阪府箕面市にある〈きのしたブックセンター〉を事業継承してリニューアルオープンさせたのを皮切りに、’23年12月にはJR佐賀駅構内に〈佐賀之書店〉を新規開店、さらに今年4月には東京・神田神保町に3店舗目となる新業態のシェア型書店〈ほんまる〉を出店することも発表しました。
全国で書店の閉店が止まらず存亡が危ぶまれるなか、再興を期してさらにギアを上げる今村さん。作家と書店主の“二刀流”として奮闘するなかで見えてきた書店経営の実情から、書店文化の未来を見据えた構想まで、じっくり語っていただきました。
鼎談/内沼晋太郎〈本屋B&B〉×辻山良雄〈Title〉×花田菜々子〈蟹ブックス〉「独立系書店の現在地」
書店経営が厳しいと言われ始めて数十年。
2003年には2万店以上あった書店が、この20年でおよそ半数になっています。
その間、大型書店や昔ながらの老舗書店が姿を消してしまう一方で、“独立系書店” と呼ばれるこれまでになかったかたちで本を扱う店が、小規模の街や地方都市でじわじわと増えています。
今回はその先駆けである〈本屋B&B〉の内沼晋太郎さんを中心に〈Title〉の辻山良雄さん、〈蟹ブックス〉の花田菜々子さんのお三方に、街とかかわる書店の現況や、その未来について語り合っていただきました。
ブックガイド/書店員が薦める”我が街”ブックス
【対談】
『黄金の刻 小説 服部金太郎』テレビドラマ化記念 楡 周平×西島秀俊「“東洋の時計王”の志を演じる、描く。」
日本が世界に誇る時計メーカー・セイコーの創業者・服部金太郎の人生を、作家・楡周平さんが小説に描いた『黄金の刻 小説 服部金太郎』がこの春、テレビドラマ化される。
その主人公、服部金太郎を演じるのは、今や世界でも注目される俳優・西島秀俊さん。
服部金太郎によって結ばれた原作者と主演俳優が、時を超えてなお生き続ける”東洋の時計王”の起業家精神、セイコー創業者として”時計”製造に懸けたその志に思いを馳せながら、ここに語り合う。
【対談】
『フェスタ』刊行記念 馳 星周×矢作芳人〈JRA調教師〉「凱旋門賞制覇は「夢」から「目標」へ」
世界最高峰のレースと呼ばれるフランス・凱旋門賞。
日本競馬界の悲願に挑むホースマンたちの熱き想いを描いた、馳星周さんの新たな競馬小説『フェスタ』が刊行されます。
数々の名馬を輩出し、海外遠征でも多くの偉業を達成して、「世界のYAHAGI」と称される調教師・矢作芳人さんは、この物語をどう読んだのか。
競馬の魅力に改めて迫るスペシャル対談です。
【インタビュー連載「注目の星」】
『あいにくあんたのためじゃない』刊行記念 柚木麻子「考えの合わない人も理解したい」
女性が女性に対して抱く複雑な感情をこまやかに掬い上げ、共感を得てきた柚木麻子さん。
この数年は、シスターフッド小説の旗手として高い評価を得ています。
そんな柚木さんの新刊『あいにくあんたのためじゃない』が、まもなく刊行されます。
独立した六つの短編が収録された本書にこめられた思いをうかがっていきます。
【第37回小説すばる新人賞】
募集要項はhttp://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/sinjinsyo/をご覧下さい。ご応募をお待ちしております。
連載小説、インタビュー、対談、エッセイ、書評等、豊富な内容で毎月17日発売予定です。
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