2月に一時休館が発表されている帝国劇場を舞台にした
小川洋子さんの新連載「劇場という名の星座」がスタート!
劇作家、俳優、制作スタッフ、小説家たちが
「現場」について語る「劇場」特集は必読です。

【新連載】
小川洋子「劇場という名の星座 ホタルさんへの手紙」
2025年2月をもって一時休館が発表されている帝国劇場。帝劇を舞台に、「あったかもしれない」物語が紡がれます。連載の幕開けは、亡くなった父の持ち物から見つかった一通の封書。差出人には「帝国劇場案内係」とあり……。

【小説】
井上荒野「お母さんが片づけておくから」
福岡の私立中学に合格した愛真音は、福岡で単身赴任をする父親のもとに母親と引っ越し、10年ほどそこで暮らすことに。それは素敵なことに思えた。10年経てば、東京で一緒に暮らしていたおばあちゃんも死んでいるかもしれないから……。

【小説】
石井遊佳「Delivery on holy night」
デリヘルで出会い「一日でいいから彼女にしたい」と思った女性が今、智史の隣にいた。世はクリスマス。それは、宅配ピザの配達員である彼が一年で最も休めない日であると同時に、ある因縁の始まりの日でもあった――。

【小説】
上田岳弘「生的同意」
AI関連企業の役員を務める南は、コロナ禍以降ルールが変わってしまった世界を飄々と生きていた。会社の売却をめぐるごたごたや、恩義のある先輩のリタイアを経て、かつての恋人が口にしていた〈生きてていいのかな?〉という言葉を反芻するが――。

【特集:劇場 身体と言葉の芽吹く場所】
私たちはなぜ劇場に足を運ぶのか、そしていま劇場では何が起こっているのか――。劇作家、俳優、制作スタッフ、小説家たちがそれぞれの「現場」について語りながら、劇場と共にある社会の豊かさについて考えます。

対談/山田由梨×額田大志「はじまりは劇場の外だった」
「贅沢貧乏」主宰の山田さん、「ヌトミック」主宰の額田さん。一軒家、アパート、屋外など劇場外の公演経験が多く、現在は劇場でも挑戦を重ねる同い年のお二人にとって、「劇場」とはどういう場所か、伺った。

対談/安藤奎×小西朝子「越境し合う笑いと演劇」
いま、お笑いと演劇はどんな関係にあるのか? 両者によるクロスオーバーの最前線について、「テアトロコント」キュレーターの小西さんと「劇団アンパサンド」主宰の安藤さんが語ります。

インタビュー/平田オリザ「劇場が身近にある社会のために」
昨年閉館した「こまばアゴラ劇場」を拠点に長らく日本の演劇シーンを牽引してきた平田さん。2019年から居を移された豊岡の「江原河畔劇場」にて、劇場が社会に果たすべき役割についてお聞きしました。

エッセイ/大鶴義丹「最後のアングラ俳優」
昭和のアングラ演劇の激流を作った唐十郎と李麗仙を両親に持つ大鶴。昨年、父の昨『ジャガーの眼』の上演にかかわり、主要人物を演じた。アングラ演劇とはいったいなんだったのか、改めて考える。

エッセイ/桜庭一樹「あらゆる夜のあなたが異なる」
演劇の劇場公演を、約1ヶ月の期間中に何十回でも通いつめる友人たちのことを不思議に思っていた桜庭さん。しかし舞台『刀剣乱舞』〈悲伝 結いの目の不如帰〉を観たことをきっかけに急速に理解できるように。その理由は――。

エッセイ/高羽彩「ちょっと待ってください 舞台『他者の国』現場日記」
「脚本の進捗どんな感じでしょうか?」タカハ劇団の最新公演を控える高羽さんのもとに一本の電話が。全体の5分の2書けた脚本、迫る稽古初日……これが演劇制作の現場だ!

エッセイ/上坂あゆ美「舞台の上なら人間になれる」

昨年、劇団ロロの公演「劇と短歌『飽きてから』」で俳優に初めて挑んだ上坂さん。予想外のオファーと稽古場での出来事、そして上演期間中に起こった自身の劇的な心境変化とは――。

エッセイ/松田いりの「出鱈目の再生」
文藝賞受賞作『ハイパーたいくつ』が話題の松田さん。近年で最も印象的な観劇体験だという、ハイバイの『再生』。その時の記憶を辿りながら、その後自身の生活に生じた「ある変化」について綴ります。

【詩とエッセイ】
池澤夏樹「谷川俊太郎についてもう少し」
昨年11月、谷川さんが亡くなって、突然生まれた空白。しかし、どうやら谷川さんはまだ作者の近くにいるようだ。詩とエッセイが再び生まれた。

【『港たち』刊行記念対談】
古川真人×小山田浩子「コロナ禍が書かせた小説たち」
古川氏の『港たち』には、いつもの温かな島の光景の背後にコロナ禍の不穏な時勢がみえる。同じく新刊『最近』で、ある夫婦の視点でコロナ禍の不思議な時間を切り取った小山田氏と、初の対話が実現した。

【第49回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/  をご覧ください!

連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。