遠野遥さん、山内マリコさんの新連載小説は
現代社会が抱える歪みを大胆に活写します。
鏡リュウジさんと東畑開人さんの、占いと心理学を巡る新連載対談にも注目!

【小説短期集中掲載】
遠野遥「吸血鬼」(1)
「あなたがたの心の中に、常に我々を棲まわせてください」
女性の十二段階評価において最高の「おひつじ」と次点の「おうし」の生徒しか在籍していない名門学院。男性から厳しく評定される学院の日々のなか、進路の決定を控えた十四歳の有紗は不安定になっていた。

【新連載】
山内マリコ「アンダーステア」
東京・原宿のシーシャバー〈ケムリ〉でアルバイトをする蜂矢ユキは、頻繁に店を訪れる中年男性がかつて一時代を築いたAV監督・遠藤トージであることを知る――。AV新法以降のポルノ業界を舞台に著者が新境地を拓く、野心的長編。

【新連載】
鏡リュウジ×東畑開人「占いと心理学の対話 昼間のスターゲイザー」
かねてから親交があり、それぞれの分野を牽引する占星術研究家と臨床心理士によるダイアローグ。オカルトと心理学、交差することがないように思われる両者の領域は、人の「心」や「意識」「無意識」を軸にすると――。

【連載第2回】
池澤夏樹「天路歴程」
道の先にポッと人影が見えた。たくさん荷物を背負っている。追いついて話しかけると男はタルチョー(祈禱旗)の刷り師だという。荷運びを手伝おうと申し出た修行僧・スダナに、逆に男から提案があった。祭りでタルチョーを売るのを手伝ってくれないか?

【『世界99』刊行記念対談】
村田沙耶香×岸本佐知子「人を、世界を実験し、誠実に書き留める」
人間社会の終末を描いた大長編『世界99』を3月に上梓した村田沙耶香氏。世界文学に精通する岸本佐知子氏をお相手に、作品世界のことや、海外でのことなど、たっぷり語っていただきました。

【『記念日』刊行記念エッセイ】
青山七恵「もてる力で」
『記念日』の刊行にあわせ、作品に込めた想いについて、著者である青山七恵さんにエッセイをお書きいただいた。体ってなんなのか。私の体に、何ができるのか。青山さんの視線の先には、毛繕いをする猫がいる。

【批評】
町屋良平「小説の死後――(にも書かれる散文のために)――小説でしかない小説 荻世いをらの傑出」
2000年~2015年に発表された日本文学の批評プロジェクト最新章。最重要作である「宦官への授業」(2013年)を軸に、荻世いをらの卓抜した独創性と「小説すぎる面白さ」の正体に迫る。

【『ダロウェイ夫人』刊行100周年記念インタビュー(前編)】
真理子「ヴァージニア・ウルフと韓国文学」
イギリスのモダニズム作家・ウルフが、なぜ現代の韓国で広く読まれるのか。翻訳家・斎藤氏が韓国文学の背景と歴史、垣間見えるウルフの影響を語る。聞き手・構成は、小川公代氏。

【第50回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/  をご覧ください!

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