藤岡陽子さんの新作長編『きのうのオレンジ』が10月26日(月)に刊行となりました。
長年医療現場に立ち続けてきた著者が、まるで本当に一人の患者を全力で看護するように、がんに侵された若き主人公と、その家族に寄り添います。著者のひたむきさが結実した圧倒的に誠実な一冊です。自分を大切にしたくなると同時に、誰かにとっての大切な人になりたい――正直に明日を行きたい――そう思わせてくれる作品となりました。心から、多くの人に読まれることを願っております。

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□『きのうのオレンジ』刊行記念 藤岡陽子さんインタビュー            
人生は、好きになれる人にどれだけ出会えるかが大事

胃の不調から受けた検査の結果、医師から言い渡された悪性腫瘍の宣告。「どうして自分が?」「まだ33歳なのに……」。ひとりの青年の目の前に突然現れた「病」と「死への恐怖」。その不安を彼はどう乗り越えていくのか──。
10月26日に刊行された藤岡陽子さんの新刊『きのうのオレンジ』は、現役の看護師として今も
医療の最前線にいる藤岡さんだからこそ書けた感動作だ。作品にこめられた思いをリモートインタビューで伺った。

◇今日一日を無事に生きられた。それは、本当に奇跡的なこと

――新刊『きのうのオレンジ』を拝読して、とても感動しました。がんを患った青年・笹本遼賀が、恐怖、不安、後悔など、さまざまな感情を抱えながらも自分の人生を前向きに受け入れようとする姿に心を打たれました。また、ごく普通の日常が病で一変する様子や、家族や友人との関係の変化がとてもこまやかな筆致で描かれていて、遼賀の人生を追体験するような気持ちで読ませていただきました。まずは、なぜこの作品を書こうと思ったのか教えてください。
藤岡 ひとりの人間が、「病」や「死の可能性」に直面したときにどんな思いでその試練と向き合うのか、また、その気持ちがどう移り変わっていくのか……。そのあたりのことを、じっくりと、たっぷり時間をかけて書きたいと思ったのが、この小説を書き始めたきっかけです。
――主人公の遼賀は、地元の岡山で食品メーカーに就職したものの、東京へ転勤となり、イタリアンレストランで店長をすることになった青年です。33歳という比較的若い世代に主人公を設定したのは、どんな意味がありますか。
藤岡 人は、ある程度年を重ねると自分の中で人生やその先にある死というものをイメージできるようになります。今回は、その年齢にまだ達していない、病や死に対してもっと無防備な年齢の人物を描きたかったんです。そんな世代の人が、突然重い病に直面し、もしかしたら死ぬかもしれないという状況になったら、内面は一体どんな変化をたどっていくのか。どんなことを考えて、どんなことを感じていくのか。それを読者の方々にも一緒に考えてほしいなと思いました。
――遼賀は、他人が必要としたときにそばにいてそっと助けてくれるような存在。声高に何かを主張したりしないけれど、静かな強さも感じる、まさに好青年です。
藤岡 そうですね。つねに精神が安定していて、浮き沈みがなくて、感情を露わにしたりしないけれど、静かに見守っていてくれる人。目立たないけれど、「この人がいてくれて良かったな」と思う人。そういう人物が、皆さんのまわりにもきっといるはずです。スーパースターではないけれど、静かにみんなを支えてくれるような人、そんな人物を主人公にすえて書いてみたくて。
 でも、じつは最初は、すごくダメ人間の主人公を想定していたんです。ちゃらんぽらんで、人生、適当に生きているような人が突然病気になったらどうなるか――と。でもやはり、自分が尊敬できる主人公じゃないとうまく書けないなと思って。小説を書く時間はすごく長いので、執筆を通して長く付き合うならどんな人がいいか――と考え、結局、遼賀のような穏やかな性格の人になりました。
――だからこそ余計に、「どうしてこんなにいい人が病気に?」というところが切ないですね。人生の理不尽を感じました。
藤岡 勧善懲悪ではなくて、いい人にも悪い人にも不幸は訪れる。それがリアルですよね。だからこそ、そういうことを頭の片隅に置いて一日一日をちゃんと生きていかないといけないなと思います。私は看護師として働いていることもあって、普通に健康であることや、今日も一日無事に生きられたということがいかに奇跡的なことか、つねに感じています。
――藤岡さんご自身が医療従事者で、さまざまな患者さんと接してきたからこそ書けた部分もあるのではないでしょうか。
藤岡 それもありますが、じつはこれを書くにあたって、大学病院の第一線で実際にがん患者さんと接している20代、30代の看護師さんに取材させていただきました。物語の中に矢田泉という30代の看護師が出てくるのですが、彼女を描く上でも必要でしたし、また、若い世代の人ががんや死をどう考えているのかをきちんと知りたいと思ったので。私も現役の看護師ではありますが、もう49歳なので、病や死に対する気持ちが若い看護師さんとは違うはずなんです。年齢によって死への距離感が違ってくるといいますか。若い方だと、身近な人の死をあまり経験していないこともあって病や死をまだ遠くに見ているところがあるような気がして。取材では、若い看護師さんたちが患者さんからどんなことを受け取って、どんなことを考えているのか、また同世代で病を得た人をどんな気持ちで看ているのか知ることができ、本当に勉強になりました。おかげで、病気に対するリアルな気持ちが書けたのではないかと思っています。


◇「家族でいよう」という気持ちを持ってはじめて成り立つのが家族

――遼賀を身近で支える存在として、母親と、そして弟・恭平が登場します。恭平は元高校球児でエネルギーあふれるキャラクターです。恭平から発せられる熱量が、病身の遼賀と対比的に描かれているのが印象的でした。
藤岡 恭平は病や死から遠い存在として書きました。そうすることで、遼賀との対比がより鮮明になった気がします。
――子どもの頃からお互いを思いやってきた仲良しの兄弟ですが、じつは恭平には、出生の秘密が隠されていて――。
藤岡 家族というものは、努力してやっと成立するというのが私の考えです。だからあえて、恭平の出生に秘密を持たせて笹本家に障害を作りました。
 じつは、私の両親はすごく仲が悪くて、子どもの頃は家庭が殺伐としていました。のちに両親は離婚しましたが、結局、家族とは名ばかりで、互いに思いやっていない集合体だったんだと思います。血はつながっているけれど、家族になれなかった、と。当時私は子どもだったからどうしようもなかったけれど、「どうしたら本当の家族になれたんだろう」という後悔が今もずっと自分の中にあって。だから「家族」は自分にとってとても重要なテーマのひとつなんです。親も子もみんなが「家族でいよう」という気持ちを持ってはじめて成り立つものが家族なんだ――そのことを、『きのうのオレンジ』で描きたかったんです。
――お母さんのセリフで、心に残る言葉がありました。「毎日を丁寧に生きるというのは雑草を抜くことと同じじゃよ」「だからお母さんはこうして毎日雑草を抜いているの」と。とても心に響きました。
藤岡 私もその言葉がすごく好きです。雑草って、こまめにちゃんと抜かないと、気づいたときには庭が雑草に埋めつくされてしまう。そして雑草に埋めつくされていると、雑草が雑草に見えなくなっていく。そうならないように日々、丁寧に手入れをしていくことが大事……。それって、家族とよく似ているな、と。家族の誰かが落ち込んでいるのを見過ごさないとか、誰かが困っているときに手を差し延べてあげるとか、そういう互いを思いやる気持ちを日々持ち続けることが本当に大切だと思うんです。もちろんそれは理想論で、実際にやるのは難しいですけれど、笹本家がそれをずっとやってきたというのが伝われば嬉しいですね。
――藤岡さんの小説は、本作に限らず、悪意のある人があまり出てきません。藤岡さんの小説が人間の「闇」ではなく、「希望」のほうに振れているのはなぜですか。
藤岡 それは、私の人生が「いい人」に支えられてきたおかげだと、私自身が感じているからだと思います。もちろん辛いこと、嫌なことはたくさんありますし、ときには人間の闇と向き合うことも必要です。でも、生きていくのに必要なのは、やっぱりいい人とのいい出会いだったり、希望だったりするんじゃないかと確信しているので、それを信じて書いています。
――その希望がタイトルの「オレンジ」という色にもこめられているように感じます。
藤岡 遼賀が山で履いていた登山靴、職場の店で育てているみかん、病室で見た夕日など、小説の中にはいろいろなオレンジが出てきます。生きるエネルギーや希望をシンボリックに表したのがオレンジで、タイトルにもその思いをこめました。


◇遼賀にとって本音が言える唯一の存在が泉だった

――もうひとりキーパーソンとなる人物に、先ほどおっしゃった看護師の矢田泉という女性がいます。彼女は、遼賀の高校時代の同級生でもあって、看護師と友人という二つの目線で遼賀を支えます。そしてそのことによって、彼女自身の人生も大きく変わっていきます。
藤岡 同級生や同じ年代の友達が重い病気を患うと、やはりショックが大きいし、自分自身の人生と重ね合わせて考えてしまいますよね。とくに泉にとって遼賀は特別な存在だったので、それはなおさらで、自分自身の人生を振り返っていろいろ考えることになるわけです。しかも今の泉は、約10年間続けてきた看護師という仕事に疲弊していて、意欲も薄れかけている。そんなときにがんになった遼賀と出会って、自分の仕事の意義や自分自身の存在価値みたいなものを考え直す……。その結果、彼女は自分にとって看護師という仕事がいかに大切か、自分は仕事を続けたいんだということを再確認します。そしてそのために自分の生き方、働き方を変える選択をする。遼賀との出会いが、彼女にとっても人生を顧みるきっかけになったんだと思います。
――遼賀にとっても泉は特別な存在ですよね。
藤岡 遼賀は非常に我慢強い性格ですけれど、それでも自分の心の弱さとか、辛さを吐き出せる相手が必要。それが泉だったんだと思います。実際、看護の仕事をしていると、患者さんの本音を聞くのは家族でも医師でもなくて、看護師だなと思うことがよくあります。家族は、一番近くにいて何でも話せる一方、家族だからこそ言えないこと、甘えられないことがある。泉は医療従事者ということもあって、遼賀にとって本音を言える唯一の相手だったんだと思います。
――治療にかかわる責任だけでなく、死に直面した人の不安や恐怖を受け止めなければならない。看護師という仕事のたいへんさも泉を通してよくわかりました。
藤岡 肉体的にも過酷ですし、治らない病気の患者さんに接するときはメンタル的にもきつい。自分の力不足を痛感することも多々あります。看護師さんに意欲があって患者さんに共感すればするほど、どんどん自分がすり減っていく。本当にたいへんな仕事ですけれど、人と本音でかかわれる数少ない仕事なのかなと自負しています。
――泉は、最後まで希望を持って患者さんと接するという信念を持ち続けていますが、それは藤岡さんも同じ思いですか。
藤岡 患者さんって、すごく敏感に人の気持ちを感じ取るんです。相手の言動とか、顔つきで気持ちを察してしまうんです。だから、毎日接する私たちが希望をなくしてしまうと、それに気づいてダイレクトにメンタルに響いてしまう。たとえホスピスの看護師であっても、最後まで希望を忘れずに、というのはやはり基本だと思っています。


◇先生から言われたひとことで、無気力だった自分が変わることができた

――本作では、がんの治療方法や投薬の過程、その副作用などについてもかなり詳細に書かれていて、とても勉強になりました。今やがんは二人にひとりがかかる身近な病気なので、がん患者さんやその家族にとっては、とても良い手引書になると感じました。
藤岡 本から新しい知識を得るのは大切ですよね。ですから、今の現場の真実みたいなものは、ちゃんと新しいものを書こうと心がけました。ただ「おもしろかった」「涙が出た」というだけではなくて、小説によって得た事実で読者の皆さんの行動が変わるような、そういう作品にしたいと常日頃考えています。今作においても、がん治療については新しい情報をしっかり書き込めたと思います。
――現在も藤岡さんは地元の脳外科クリニックで看護師をされているということですが、作家活動とはどのようなバランスで、お仕事をされているのでしょうか。
藤岡 月に4~6回程度看護師の仕事が入っていて、あとはずっと執筆をしています。看護師は私にとって「社会の窓」で、人間の本音だとか現実を肌で感じられる貴重な場所なんです。今もコロナ用のシールドをつけて、ときには防護服も着て仕事をしています。コロナの患者さんを受け入れるような大きな病院ではないのですが、発熱した患者さんもいらっしゃるので気は抜けません。たいへんですが、私にとっては大切な場所なので、書く仕事がどれだけ忙しくても看護師の仕事は続けたいなと思っています。
――お子さんも二人いらっしゃいますが、仕事と子育てとのバランスでご苦労された時期もありましたか。
藤岡 子どもが小さかった頃は、小説を書く時間が全然とれなくてたいへんでしたけれど、子どもがいたことで書けたものもたくさんありました。たとえば、子どもと接していて「なんでこの子はこんなに怒っているんだろう?」と思うことがあったんです。でも、よくよく観察していると、「ああ、この子は本当は泣きたいんだ。でも、泣けないから怒るんだ」ということを発見したりして。弱さを見せられなくて強がったりすることが、子どもなりにあるんだなとわかりました。大人になると忘れてしまった感情に、もう一度気づけるというのは、作家としてとても有意義な体験ですよね。
――お子さんたちは、藤岡さんの小説を読んでいますか。
藤岡 上の娘は大学生なので、結構読んでいて、読書感想文を出すのに読むものがないから家にある私の小説を読む、みたいなこともあります(笑)。息子は中学生なんですが、野球部に入ったので、この前、私がはじめて書いたスポーツを題材にした小説に興味を持って読んだみたいです。そうしたらおもしろいと言ってくれて、「他にスポーツものはないの?」って。そういえば、息子は華奢で背も小さいのに、なぜか中学入学と同時に野球部に入っちゃったんですよ。それもコロナ自粛中に野球漫画を読んで一気に野球の世界にハマってしまったらしくて(笑)。意外なきっかけで子どもは変わるんだなと実感しています。
――そういえば『きのうのオレンジ』も野球が人間関係をつないでいるところがありますね。弟の恭平と遼賀の店でアルバイトをしている高那くんは、ともに野球少年で、ケガで夢を断念したという経歴の持ち主です。このあたりは、藤岡さんがかつてスポーツ新聞の記者をしていたことと関係がありますか。
藤岡 そうですね。高校野球や大学野球を担当していたので、取材を通して、野球を続けていくことがいかに難しいかを痛感しました。どんなに才能があっても、どんなに強い気持ちがあってもケガという障害には勝てない。華やかなスポーツ界の裏には、ケガで挫折して夢がついえてしまった子どもたちが表舞台に立っている子の何百倍もいるんです。そういう傷を負った彼らのその後を書きたいと思い……。とくに高那くんは、野球をやめたあと人生がうまくいってなかった。そんなときに遼賀に出会ったことで人生が変わってやり直すことができた。そういう大切な出会いが、日常の中にはいくつもあるような気がしていて、それを遼賀と高那くんの関係に託しました。
――藤岡さんご自身にもそんな出会いが?
藤岡 はい、ありました。中学校のときでした。当時私はちょうど思春期で、しかもさっきも言った通り家庭がごちゃごちゃしていたせいで、すごくふてくされていたんです。何に対してもやる気が出なくて、授業中も机に突っ伏しているような少女だったんですよ。
――それは今の藤岡さんからは想像がつかないですね(笑)。
藤岡 いや、本当に無気力な少女でした。そうしたら中学2年生のとき、それまで何も言わずに見守るだけだった担任の先生から呼び出されまして、「そろそろ藤岡の本気を見せてくれ」って言われたんです。そのときに「ああ、頑張ろう」と……(涙ぐむ藤岡さん)。たったそれだけの言葉なのに、何かが変わったんです。今でもそのときのことははっきりと覚えています。
――先生は藤岡さんの中に、何か可能性を見ていたということでしょうか。
藤岡 私には3つ上の姉がいるんですけれど、姉は勉強もできて優等生でした。先生は姉のことも知っていたので、「あの優等生の妹がどうしてこんなことに」「この子はやれるのにやらへんだけ」って思ってくれたのかもしれません。でも、そうやって、ちゃんと自分を見ていてくれる人がいるというのは本当に有り難かったというか。この先生のためにちょっとやってみようかなっていう気持ちになれたんです。……つまり好きになったんでしょうね、その先生のことを。高那くんが遼賀のことを好きになったみたいに。人を好きになったことで、自分が変われたんだと思います。
 人生は、好きになれる人とどれだけ出会えるかが大事なんだと思います。それは、小説の中での出会いも同じ。登場人物との出会いだけでなく、心に響く言葉との出会いなど……。私自身もそういったさまざまな出会いに助けられてきたので、その恩返しではないですが、これからもいい出会いがたくさんつまった作品を書き続けていきたいですね。
――ちなみに、藤岡さんがもっとも心に残った小説との出会いを挙げるとしたら? 
藤岡 宮本輝さんの作品ですね。宮本さんの作品を読むと、明日に向かって少し希望をもらえる気がするんです。
 とくに印象に残っているのは、『流転の海』シリーズの主人公・松坂熊吾の言葉で、「人間には自尊心よりも大切なものがある」というもの。人からどれだけみじめに見えたとしても、「自分はこれだ」という信念に従って生きることが大事なんだ、と。この言葉に出会ってからは、人生の選択において、よくこの言葉を思い出してきました。そう考えると、本の力ってすごいなと改めて思います。
――本当にそうですね。私にとっては、遼賀に出会えたことも非常に貴重な経験になりました。性別も年齢も全く違う遼賀から、たくさんのことを学びました。
藤岡 それは何より嬉しい言葉です。遼賀の病によってつながった絆や縁が、この先もみんなを支える希望になればこんなに嬉しいことはありません。

聞き手・構成┃佐藤裕美 「小説すばる」11月号転載

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□全国の書店員さんからの感想
今回、全国の書店員さんへ事前に原稿をお送りしたところ、100を超えるご感想をお寄せいただきました。
お忙しいなか、本作をご一読いただき、また心のこもった感想をいただき、ありがとうございました。 この場を借りて御礼申し上げます。
一部抜粋し、ここにご紹介いたします。

[北海道]文教堂 北野店
若木ひとえさん
遼賀と恭平の手紙が特に印象に残りました。
涙が止まらないのは闘病についてではありません。
遼賀という青年の生き方そのものです。
誰よりも自分以外の家族の為に生き、思いやり、前面に出ることなくそっと支える。この人がなぜ、この病で苦しまなければならないのか。
そこへ15歳の時の手紙です。涙腺が枯れそうです。
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[北海道]喜久屋書店 小樽店
渡邊裕子さん
涙があふれてきます。
でも涙があふれるたびに心がふわりとかるくなってゆくような、やわらかでやさしい物語でした。
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[北海道]喜久屋書店 帯広店
磯野あかねさん
私はこの小説を忘れない。遼賀くん、その家族、看護師で同級生の矢田さん・・・登場人物たちの温かくて相手への深い思いやりがこもった言葉や気づかいの場面をずっと心に残していたい。
自分も大切な家族も年齢を重ねてゆく、この先の私の人生でおこるだろう苦しい時、悲しい時にも、きっと私をささえてくれるから。
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[北海道]ゲオ イオン石狩緑苑台店
光繭美さん
久しぶりに本を読んで涙しました。
自分なりに頑張って、不満もあるだろうけど「普通」に生きてきた遼賀が、がんになる。
母親として、息子と重ね合わせてしまい、辛かった。
遼賀、幸せな人生でもあったでしょ??
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[青森県]成田本店 みなと高台店
櫻井美怜さん
人間はいつか死ぬものだ。
未来、と聞くと輝かしく晴れやかでただただ希望に満ち溢れているように感じるが、私達が日々歩んでいる道はいつか、必ずどこかで終わる。
病気と闘う主人公。兄弟の確執。そう書いてしまえばベタすぎるけれど、読めば確実に泣かされる。
ひんやりと染みる、清水のような文章に、ただただ私たちは静かに泣かされるだろう。
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[青森県]伊吉書院西店
安保貴司さん
主人公・遼賀への突然のガン宣告で、失われた日常ってこんなに大切だったんだと気付かされました。今のコロナも同じですね。
遼賀は宣告後、弟の恭平をはじめ、まわりの人々を気づかって、自分なら自暴自棄になるだろうなと感じてしまい、もっとワガママを言っていいのにとも思いました。277Pから、一番泣けるシーンでした。
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[山形県]TENDO八文字屋
石山泉さん
仕事、生活、そして医療、患者やその家族としての病院で受ける感情がリアルで、目の前で語られているようでした。
どちらにも(どの人にも)片寄らない作家の立ち様が清々しい本でした。
読む毎に印象が変化していて、自分の気持ちの有様がすうっと透明になる時がありました。
人の命は長さではきっとないけれど短さでもきっとない。何ものでも量ることの出来ない貴いものなのだと、青空のように、降る雪のように、心にオレンジ色とともに届きました。
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[岩手県]伊吉書院 盛岡南サンサ店
土屋静香さん
生きることについて、とても考えさせられました。病気を背負ってしまった側、病気の人を支える側、どちらもの苦悩、不安がありありと描かれ、それでもあたたかな景色をみせてくれる作品です。人はみんな誰しも自らの預かり知らぬところであったとしても、何かに影響しあい、誰かと支え合いながら生きている。勇気づけられました。
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[宮城県]紀伊國屋書店 仙台店
齊藤一弥さん
自分に癌が見つかった時、転移が見つかった時、自分は何を思い出すのだろうか。
きっと母は泣き続けるだろうな。弟は恭平と違って臆病だから弱っていく兄を見られず病院には来ないだろうな。
遼賀のように穏やかに過ごしたいな・・・・・・そう思います。
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[福島県]岩瀬書店 富久山店プラスゲオ
吉田彩乃さん
この作品に無関係な人なんていないはず。
それが自分だったり家族だったり友人かもしれない。
いつ消えるかすらわからないこの日常を、関わりある関係を、精一杯生きなければならないんだと教えられました。
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[福島県]鹿島ブックセンター
鈴木順子さん
最期を迎える時、私は何を考えるのだろう。
みんなに対して「ありがとう」という気持ちがわいてくるか。
人生の終わりに「ありがとう」と言える、そんな人間になりたい。
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[福島県]西沢書店
星裕子さん
気がつくと蝉の声が聞こえなくなっていた。
気まじめな遼賀の気持ちの揺れに伴って、自分の胸がきゅうとしめつけられた。
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[山梨県]柳正堂書店 甲府昭和イトーヨーカドー店
山本机久美さん
今を生きている。
自分の足で歩けている。
それはとても幸せなことなのだ。
優しい主人公はどんな時も周りの人たちに気を配り、感謝を持って接している。どうしてそんなに優しくなれるんだろう。
想いを込めて、この作品を売りたい。
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[長野県]ニシザワ いなっせ店
後藤由紀子さん
決して悲しいだけのお話ではないのに、最初からずーっと、切ない気持ちで読み進めました。
でもそれは心地よい、受け入れる覚悟の切なさでした。すごいエネルギーの一冊でした。
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[新潟県]文信堂書店 長岡店
實山美穂さん
15歳で冬山の遭難を経験し、33歳で胃がんの告知。
遼賀と恭平が生と死について考えさせられたように、この作品を読んで、私も生きるということについて教えられた気がします。
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[新潟県]くまざわ書店 新潟西店
大谷純子さん
涙なしでは読めない物語。
さりげなさを装った態度や行動に感情が溢れんばかりに詰まっていて、胸に迫る。
遼賀が見たオレンジ色の夕焼けが私の心にもいっぱいに広がって、涙はたくさん流したけれど、読後感は爽やかで、生きることの尊さを噛み締めた。
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[富山県]BOOKSなかだ 本店
熊田明浩さん
主人公のように生きることができたら、どんなにいいことだろうと思う。
死が目前にせまっているとしても、生きる目的を失わないために支えてくれる仲間がいるだろうかと、考えたりしている。
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[福井県]SuperKaBoS 新二の宮店
中西若葉さん
病気、死の宣告という厳しい現実を突きつけられた主人公も、大切な人が苦しく悲しい運命にあると知る周りの人間も皆が目を背けずに誠実に生きる姿が心に残ります。
ただ、日々をしっかり生きていることが、もしかして誰かに大きな影響を与えることになるのかもと思わせてくれる物語でした。
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[栃木県]うさぎや 作新学院前店
丸山由美子さん
永く生きることではなく
自分の人生をどう生きるか
あきらめるのではなく、受け入れて生きる事。
「弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている。」
心に沁みました。
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[栃木県]うさぎや 矢板店
山田恵理子さん
藤岡陽子さんの紡ぐ物語が好きだ。
誠実な登場人物が丹念に編まれていて、周りの人を温める力が本から届く。
心のスクリーンに映る主人公遼賀は透明に柔らかに微笑んでいる。出会えて良かった一冊です。
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[栃木県]ビッグワンTSUTAYA さくら店
阿久津恵さん
サンセットオレンジと、ブルーサファイアのまぶしい色彩がずっと心に残っています。
人が生きていくことの尊さを改めて感じさせられました。当たり前の日々が全然当たり前じゃないんだと気付かせてくれました。
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[千葉県]丸善 津田沼店
安井理絵さん
藤岡陽子さん大好きです。
あいかわらず登場人物が皆とても魅力的。
視点を変えることによって見えてくる、それぞれの優しさや弱さがとてもリアルで、一人一人に引き込まれてしまいます。特に主人公の店のバイトの高那くんや、主人公の両親は彼らを主役にしたサイドストーリーが読みたくなります。
ラストは何度読んでも涙・・・。
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[千葉県]ブックマルシェ 津田沼店
渡邉森夫さん
藤岡陽子という作家には作品の度に心の一部を毎回持っていかれる。
昔のドラマの名セリフではないが、「人」というのは人と人が寄りかかり、支えながら成り立っているのだろう。
そしてそこに大きな優しさと謙虚さがあることでその人の熱と大きさ、柔らかさを伝えてくれる。
この作品には人を想う大切さを教えてもらった。
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[千葉県]WonderGOO 八街店
深水雄宇さん
命には限りがある。
遅いか早いかの差はあるけれど、すべての命に終わりがあるという一点は平等だ。
限られた命を精一杯、生きていきたいと思いました。
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[千葉県]くまざわ書店 蘇我店
西村綾乃さん
泣きました。たくさん、たくさん、泣きました。
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[千葉県]幕張 蔦屋書店
後藤美由紀さん
辛く、悲しい物語のはずなのに、読んだ後は静かな幸福感に包まれました。
特に「最後に人はたったひとつの気持ちを持って逝くのかもしれない」この言葉がとても印象的でした。
自分は最後の時にどんな気持ちを持つのでしょう。幸せだったと思えるように、自分の毎日を見つめ直したいと思います。
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[千葉県]紀伊國屋書店 セブンパークアリオ柏店
伊藤奈穂子さん
第一章から涙がとめどなく溢れてしまって、なかなか読み進めることができませんでした。
遼賀と周りの人々が皆、優しくて誠実で、遼賀に寄り添って支えていく様子に胸を打たれながらも、正直羨ましくもありました。
本当に辛いときに相手の迷惑だとか考えずに相談できる相手がいるのはとても幸せなことだし、私も支えられる人間になれるように、周りの人とも自分自身にも誠実に向き合って生きていきたいと思いました。
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[埼玉県]東京旭屋書店 新越谷店
猪股宏美さん
静かにじんわりと感動が胸にしみる、なんて優しい物語だろう。
家族・友人との絆を大切にしたいと改めて思いました。
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[埼玉県]ジュンク堂書店 大宮高島屋店
小林佑一さん
開いてすぐ、衝撃を受けます。
今、こんなことが起きてしまってこのあとどうなってしまんだろう。
不安と期待とが膨らんでいきます。
読み終わった今、心情をもっと知りたくて読み返している最中です。
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[埼玉県]未来屋書店 レイクタウン店
逸見夏来さん
遼賀が泉に「この先何千人の患者と出会ったとしても、この苦しさは絶対にわからない。わかるわけがない。……わかるなんて言ってほしくない」そう言った時、私は遼賀に親しみを覚え、そこから先は号泣しっぱなしでした。
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[埼玉県]ゲオ フレスポ八潮店
星由妃さん
涙腺崩壊しました。
普段、家族と離れて生活していて一番怖いのは病気になった時。心細くて涙が自然に出ている。家族といると涙なんて出ないのに、、、
ちょうど家族が揃った時に読んでいたので涙を隠しながら読みました。
電車では決して読めない本!
じっくりと家族を思いながら読んでほしい。
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[埼玉県]明文堂書店 TSUTAYA戸田
坂本まさみさん
身内を残して逝く側の気遣いと見送る側の愛情がお互いに寄り添って悲しいけれども温かな気持ちになりました。これは優しさの通う物語。
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[埼玉県]丸善 丸広百貨店東松山店
本郷綾子さん
「どう生きたのか」ということが、人生で一番問われるのかもしれない。
病の宣告を受けた主人公に、周囲の人びとが寄り添い励ますその姿に、大切なことを教えられました。
人生の節目ごとに読み返したくなる、力をくれる一冊です。
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[埼玉県]文真堂書店 ビバモール本庄店
山本智子さん
病にかかった時、誰もが「何故自分が」と思うと思う・・・・・・
遼賀の優しさも恭平の優しさ真っ直ぐさも何もかもが眩しい。
もう本当に泣きました。目が腫れるぐらい・・・・・・
たくさんの人に読んでもらいたい作品です!!
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[東京都]有隣堂 アトレ亀戸店
鈴木さよ子さん
たとえ短い人生であったとしても最後に家族や友人と貴重な思い出を作れたら「良い人生だった」と思えるのではないでしょうか?
人の心の温かさを感じる1冊でした。
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[東京都]くまざわ書店 錦糸町店
阿久津武信さん
生まれること、生かされること、生きること、生かすこと・・・すべての「生」が凝縮された1冊でした。
相手を大切に思うからこそ伝えられないこともある。
しかし、限られた時間の中で伝えなければいけないこともある。
例えばそれは「優しさ」が「後悔」に変わらぬために。
また例えばそれは「熱い想い」が「過去の記憶」に変わってしまわぬために。
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[東京都]くまざわ書店 南千住店
鈴木康之さん
この物語に出会えた事に感謝します。
こんなにも癌患者を見つめなおしたお話は他にはないと思います。
泉と遼賀の関係性がすごく光って見えました。
もう感動しっぱなしでした。読んであなたも涙してください。感動してください。ふるえてください。
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[東京都]教文館
津田篤志さん
遼賀の何も言わず人に優しくするばかりの人柄。
それに長年助けられてきた母や弟たち。
遼賀の人生の危機に、これまでの遼賀の献身に応えようと皆で思いやる。
そんな家族の姿に、まっとうな人生を強く感じました。
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[東京都]八重洲ブックセンター 本店
内田俊明さん
ほのかに灯るからこそ温かみの感じられる、暗闇のロウソクのように、非情な運命の中にひっそりと息づく、はかないながらも強い人間の生命力を、しっかりと感じました。
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[東京都]東京旭屋書店 アトレヴィ大塚店
北川恭子さん
遼賀は、なんて心の強い男の人なのだろう。
自分の病気を受け入れ、支えてくれた人々への感謝を常に持つ。
優しい気持ちを持っているから、まわりの人々も優しく温かい。
電車の中で涙しながら読み終えました。
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[東京都]紀伊國屋書店 新宿本店
松倉桑子さん
はじめ、遼賀は「我慢の人」なのだと思いながら読み進めましたが、次第に「与える人」かもしれない、と印象が変わっていきました。
与えられた周りの人たちが、彼を思い繋がっていく。
たくさん泣き、心が前向きになれる1冊でした。
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[東京都]三省堂書店 神保町本店
副田陸児さん
家族の絆の強さが上手く描かれた小説でした。
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[東京都]三省堂書店 有楽町店
山口奈美子さん
読み始めてすぐに『これは電車で読んではいけないやつだ』と確信しました。
『普通』の幸せってなんだろう。癌に侵され自分の命に限りがあるとわかったとき、自分と自分の大切な人たちにどう向き合っていくのだろう。
そのとき自分は幸せなのだろうか。そんなことを思いました。
主人公の誠実でまっすぐに自分と周りの人たちに向き合った人生に拍手を送りたいです。
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[東京都]株式会社トゥ・ディファクト
高橋亜悠子さん
本作を読んで印象に残ったのは、看護師や患者家族の描写、特に患者本人の絶望と諦め、受容の心の動きの描写がとてもリアルで、医療従事者としての実体験に基づいてるからこそなのだろうなと感じました。
とくに、三章での看護師矢田が病院を抜け出した遼賀に、自分の感情をぶつけるシーンが印象的です。
「余裕なんてどこにもない」
「願って励まして。それ以外になにができる?」
いま病気と闘っている家族がいる人、家族を見送った人が読んでも、やりきれない心を温かく包み込んでくれる作品だと思います。
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[東京都]三省堂書店 神保町本店
竹村真志さん
重いテーマを扱いながらも、決して深刻になりすぎず、物語がするすると身体に染み込んできたのは、登場人物たちの温かさ故だなと思いました。
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[東京都]大盛堂書店
山本亮さん
影法師のように色々な思い出と現実が遠くなったり近づいたり。
だけど、両方のピントが合った瞬間から、主人公、遼賀の生命が周囲の想いをまといページから浮かび上がる。
生きることの真摯に相対する大切さと、この本が読者のこれからにとって欠かせない物語になることを強く願わずにはいられなかった。
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[東京都]MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店
勝間準さん
いつかおこりえる未来の自分の物語。
大事な人ほどあっけなく、あっという間に死んでしまう。
それは自分自身も例外ではない。
死ぬことは怖い、もし自分が死ぬと分かってしまうことはもっと怖い。
そんな中で自分の最後はどうなるかは分からない。
だけど、願わくば最後の最後には「ありがとう」と自分の愛する人たちに伝えたい。そう伝えられたなら、死ぬことは辛く悲しいけど不幸ではないのかもしれない。この物語を読んでそう強く思った。
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[東京都]TSUTAYA 三軒茶屋店
豊田一弘さん
限りあるからこそ浮かびあがる生。
蜜柑、オレンジ色のブーツ、夕日、全てが希望の象徴のようで、ことばのひとつひとつ、いや、作品全部がまるで遼賀のようでした。
ウィズコロナの時代だからこそ読んでほしい、こんなにも温かく包み込んでくれる作品をありがとうございました!
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[神奈川県]文教堂 商品本部
青柳将人さん
この物語が強く胸を打つのは、精いっぱいにその日、その瞬間を生きる遼賀の言葉や行動の一つ一つが、「どうしてこんなに良い人を、病は奪い去ろうとしているのか」という切実なる残酷さが、ひしひしと伝わってくるからだ。
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[神奈川県]紀伊國屋書店 横浜店
川俣めぐみさん
この本で遼賀に会えて本当に良かったと思います。
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[神奈川県]有隣堂 ミウィ橋本店
渋沢良子さん
族に、大切な人に、”ありがとう”を言いたくなる一冊です。
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[神奈川県]文教堂 横須賀MORE’S店
井上昭夫さん
読む人それぞれに心揺さぶる文章がある。
語り継がれていく想いは、複雑な世界に生きる我々にとって、何て救いになるのであろう。
遼賀の想いもまた、誰かの心に深く記憶されていくでしょう。
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[神奈川県]有隣堂 藤沢店
佐伯敦子さん
人ってこんなふうに病気になってどんどん弱くなっていく(33才なのに!)と悲しくなりました。
つらいです。でも、やはり家族がいることって、本当に素敵なことなのだと思いました。
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[静岡県]アマノ 有玉店
山本明広さん
「自分だったらどうなっているだろう」と思うことは避けられませんでした。
遼賀のような波乱に満ちた出生の秘密や人生のアクシデントのない自分でも、けっして一人で生きてきたのではなく自分を支えてくれている・いた人が存在することを忘れちゃいけないなとあらためて思いました。
ガンと闘う遼賀はもちろんのこと、彼と接することで変わっていく周りの人たちの姿にも心を熱くさせられました。
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[静岡県]あおい書店 富士店
望月美保子さん
家族皆がお互いを大事に思い合っているのが伝わり、涙と胸の奥が温まる一冊でした。
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[静岡県]あおい書店 富士店
鈴木裕里さん
「最期に人はたったひとつの気持ちをもって逝くのかもしれない」
そのひとつの気持ちが感謝であるように。私も毎日を過ごしていきたいです。
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[静岡県]富士江崎書店
内山英治さん
青春、家族のきずな、病気と死、友情と恋、すべての要素が入っている。
しかし、ありきたりのようですが、感動しました。
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[愛知県]精文館書店 中島新町店
久田かおりさん
33歳で余命宣告されること。息子を、孫を、自分より先に見送ること。同じ年の兄を失うこと。
どれだけ無念か。どれだけ悲しいか。どれだけ悔しいか。
登山靴と蜜柑と夕陽。
温かいオレンジの染まるこの小説は、生きること、逝くこと、そして残されることの意味を深く私たちに問いかける。
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[愛知県]三洋堂書店 新開橋店
山口智子さん
突然のガン宣告、どんどん悪化する症状。辛い結末に向かっているのに、悲しみだけじゃなく遼賀のように生きたい!という気持ちが湧き上がる。
遼賀の生き方は優しく、強い。
笹本家の人達、遼賀の闘病を支えた泉や高那、皆、お互いを思い合う力が尊くて美しくて最高です!
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[愛知県]丸善 名古屋本店
竹腰香里さん
これまでの人生を振り返り、自分自身に真摯に向き合う遼賀に涙が止まりませんでした。
読み終わった後、自分はこれからどう生きていこうか、深く考えさせられました。
重くなりがちなテーマですが、優しさとあたたかさに溢れる物語です。
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[愛知県]ジュンク堂書店 名古屋栄店
近藤梨乃さん
主人公・遼賀の選択一つ一つが他人を救って、その人の支えになり、結果的に遼賀を支えてくれる大事な人になっているのがすごく不思議でした。遼賀の生きる姿に勇気をもらいました。
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[愛知県]三省堂書店 名古屋本店
本間菜月さん
藤岡さんの医療現場が見えるような小説が好きです。
その中でも、今回の小説は医療現場はもちろんのこと、それ以上に家族と、人と人との繋がりと、言葉が抜群に良かったです。
遼賀の魅力、彼の人としての素晴らしさは、きっと前だけ見てる人には伝わらないかもしれない。
誰かの為に動ける人は、本当に優しく、本当に強い。
まだまだ半人前の自分に刺さる、素敵な小説でした。
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[愛知県]正文館書店 本店
鶴田真さん
自分に突然降りかかってきた不幸と、治療のために様々な苦しい思いをしていく中で、家族や友人と心を通じ合わせていく。
大事なことをみんなに思い出させてくれるような、人とのつながりの大切さを思い起こさせてくれた。
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[愛知県]本の王国 南安城店
莨谷俊幸さん
癌宣告、闘病生活、そして複雑な家庭事情。
テーマは重いけれど、それを感じさせないストーリー展開は秀逸!
「死」と直面していても、支えてくれる家族、友人がいるというのは、とても心強い。
そんな絆を感じさせてもらいました。
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[大阪府]READINGSTYLE あべの
森口俊則さん
遼賀のそれまでの人生で積み重ねてきたこと、家族と育んできた尊いもの。
病で人が亡くなる話というのは、単なるお涙ちょうだいものになって白けてしまう危うさもあるけれど、これは良かったです。
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[大阪府]水嶋書房 くずは駅店
枡田愛さん
病気というのは誰がかかるかはわからない。
誰だったらよかったのにということもない。
弱くなって、恐れて、不安で当たり前。
その中に自分をおかないといけない辛さはきっと側からみててもわからないものだと思う。
遼賀の思いは周りのみんなにしっかり伝わっている。
愛し、愛されて生きる。
なによりもすばらしい人生だと思う。
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[大阪府]水嶋書房 くずは駅店
永嶋裕子さん
「弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている。」
がんを宣告された彼は、今までもそうして生きてきたのだろう。
兄として、息子として、穏やかで冷静で立派すぎるほどの強さが少し哀しかった。
だけど、命のカウントダウンという暗闇の中でも、やわらかなあたたかい光が感じられたのは、その強さから来たのだと思う。
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[大阪府]水嶋書房 金剛店
浦辺千栄子さん
180Pの「毎日を丁寧に生きるというのは、雑草を抜くことと同じじゃよ。雑草はどんな庭にも生える。家庭という庭にも生えるんよ。だからお母さんはこうして毎日雑草を抜いてるの。家族みんなの心に、いつもきれいな庭があるように」
とても心に刺さりました。
この本に出てくる人、皆それぞれが思いやりをもって、誠実に、精一杯生きています。
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[兵庫県]井戸書店
森忠延さん
遼賀の優しさに心打たれました。「人に優しくするばっかりで、自分に優しくするのをいつも忘れて……」は、今の世には稀有な存在と思いました。
そしてお母さんの毎日を丁寧に生きる姿にも優しさを感じました。
「家族みんなの心に、いつもきれいな庭があるように」
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[兵庫県]ジュンク堂書店 西宮店
水口真佐美さん
生きてるってあたり前ではなく、奇跡がずっと重なっていることなんだと、あたり前ではないことにあらためて気付き、そばにいる人、いてくれる人たちに感謝しました。
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[兵庫県]喜久屋書店 北神戸店
松本光平さん
1人の人間の生き様を見た、という衝撃で読後しばらく立ち上がれませんでした。
死が身近になったその時、それまでの自分と同じように生きられるだろうか。
深い思いやりを持つその佇まいに心動かされる、大切な物語。
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[兵庫県]流泉書房
大橋崇博さん
人は絶対に死をむかえる。
その時を感謝の心を持ってむかえたい。
そう思える本でした。
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[兵庫県]ジュンク堂書店 三宮店
三瓶ひとみさん
「なあ遼賀、遭難したのがおれらでよかったな」
 温めたオートミールを食べていると、恭平がそんなことを言い出した。
「どういうこと?」
「お父さんがひとりで遭難してたら大変だった。おれらは二人じゃから」
どこにでもいる家族かもしれない。でも兄として弟として母として、ちょっと一歩先のおもいやりがある。
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[兵庫県]ダイハン書房 本店
山ノ上純さん
30代でガンの告知を受ける。どこかで「とは言え、治るよね?」と思いながら読み進めてもそうはならない。
主人公も自分も、どんどん辛くなっていく。
まずは自分が死ぬかもしれないという恐怖、そして、一番大切な人が死ぬかもしれないという恐怖。
でも、ただ辛い、苦しい、悲しいだけではない、何か光のようなものを感じることが出来ました。
読んだ人の、きっと大切な1冊になる物語だと思います。
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[兵庫県]紀伊國屋書店 加古川店
吉田奈津子さん
涙が止まらない本には今までも出会ったことがありますが、涙も鼻水も止まらない作品に出会ったのは初めてかもしれません。
登場人物には悪い人が一切いなくて、作品の中には厳しくも穏やかな時間が流れていて、読後はとてもきれいな気持ちになりました。
そして、いろんな家族の形がありますが、兄弟姉妹っていいなと思いました。
この作品がゆっくりじわじわ広まり、長く読まれることを祈っています。
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[京都府]アバンティブックセンター 京都店
安西京子さん
これは闘病記なんかじゃない。
一人の青年と、彼をつつみこむ仲間たちのやさしい物語だ。
遼賀はしあわせなやつだなあ。
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[京都府]平和書店 TSUTAYA アルプラザ城陽店
奥田真弓さん
「弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている。」
そんなひとにそっと寄り添い、後ろで支える人がいる。
何度も涙がこみ上げました。
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[京都府]大垣書店 烏丸三条店
新井祐子さん
弱音を吐かない人は、いつだってひとりで闘っている。
主人公、遼賀のことを評する一文です。
一見した印象はおとなしく、取り立てて目立つところのない青年のように思われており、遼賀自身もそう思っているのですが、実は誰よりも家族思いで、周りの人達のことを大切にしている人でした。
登場人物に思いを馳せながら、温かい読後感包まれる本です。
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[京都府]大垣書店 商品部
森田彩美さん
冒頭から悪性腫瘍という重い話題が出てきたのにもかかわらず、読み進めれば読み進めるほど、温かい気持ちが満ちるような作品でした。
遼賀の人となりが、本人ではなく周りの人々の経験から浮き彫りにされ、彼が慕われる理由、彼を慕う人々の気持ちの揺れを、押し付けがましくなく受け取ることができたのも、すっと読めた理由だと思います。
読み終えたときに読者が感じる優しさが、遼賀の紡いできたものだと考えれば、読者もまた遼賀を通して自分を見つめる転機を、この作品に与えられるのかもしれません。
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[京都府]大垣書店 四条店
小林素紀さん
笹本遼賀というひとりの人の人生を、ひとつひとつ辿り、祈るような想いで読みました。
印象的だったのは、兄の恭平の「おまえは大丈夫だ。」という祈りにも似た、いちばん力強く何にも代えられない優しい言葉です。
そしてこのコロナ禍で会いたくても会いに行けない家族を想い、故郷の風景を想いました。
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[京都府]大垣書店 イオンモールKYOTO店
辻香月さん
遼賀は、静かに、でも確かに周囲に影響を与えている。
病が発覚してから、その存在はより鮮明になった。
大げさな表現でなく、淡々と綴られる日々が、静かだからこそ、よりいっそう心に響いた。
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[京都府]ふたば書房 本部
代表取締役 洞本昌哉さん
人は必ず死ぬ。永遠の命などは無い。ならば「命」とは時間的に長短はあるけれど1個だ。
1日の終わりに目をつぶり、瞼を通して感じられる色は何色か。
その時どんな事を思い出したか。
将来の夢、明日の約束、旧友の事、故郷の景色。
人生は紆余曲折あるけれど、最後に幸せだったと思える命にしたい。その為には「夕陽」や「靴」など思い出の切れ端を他人と共有して、記憶に残る1個でありたい。
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[滋賀県]本のがんこ堂 野洲店
原口結希子さん
読み始めてすぐにわかります、この主人公めっちゃいいヤツ!穏やかさ、誠実さ、優しさ、ものすごく地味な人物だけれど、物凄くいいヤツ、幸せになってほしい人。そんな主人公が、私が頁をめくるたびにどんどん弱っていく、苦しんでいく・・・・・・。
もうやめてほしい。傑作なんていらない。私に感動なんてくれなくていい。今すぐスーパードクターKとかブラックジャックとかがあらわれて彼を治してほしい!!
最後の最後には「そうだねぇ君の言う通りだねごめんねぇ(号泣)」でした。
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[滋賀県]ジュンク堂書店 滋賀草津店
山中真理さん
大切なこの気持ちは心の中で生き続ける。
この作品の温かい誠実な気持ちをいっぱいもらいました。
ありがとう、と心から言えることって何て美しいんだろう、めいっぱいの優しさに包まれているようです。
生きることの意味を深く、そして自然にいつのまにか寄り添うように受け取っていました。
あらゆる方に遼賀、そして彼を愛する人たちに出会ってほしいと心から思いました。
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[三重県]コメリ書房 鈴鹿店
森田洋子さん
普通に生活していたら突然のガンの宣告・・・
人の命は本当にいつどうなるか分からないですね。
なぜ自分が・・・きっと誰もがそう思うと思います。
だけど遼賀のひた向きな生き方はとても力強く感じました。
そして遼賀の周りの人達の愛情も深くて、感謝を伝えたいという気持ちが痛いほどよく分かります。
こんな生き方があることをたくさんの人に知ってもらいたいです。
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[広島県]啓文社 西条店
三島政幸さん
人と人との絆、家族の絆は何ものにも代え難い。
泣けるだけではない、その絆の強さに希望を見出せる作品だ。
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[広島県]フタバ図書 GIGA上安店
新竹明子さん
病をテーマにした小説を読むと、どうしても「自分だったら?」と自分にあてはめて読んでしまいがちです。
もし自分が主人公なら、ここまで透明な存在になれたでしょうか?
そう思えば思うほど、彼を見守る家族の哀しみが迫ってきて、涙があふれました。
ただ当たり前の生活のありがたさ、家族と日々過ごす平穏に感謝せずにはいられませんでした。
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[広島県]紀伊國屋書店 ゆめタウン廿日市店
奥野菜緒子さん
大切な人と死別するとき、遺される側、遺して逝く側、自分はどちらになるのだろう。
『きのうのオレンジ』は、どこにでもある普通の営みとして 「別れ」を描き、悲哀からだけではない涙を流させる稀有な作品だ。
人が、人に遺す、形のないもの。
小さな蜜柑のように、持ち重りのする感動が読み終えた私の胸にも灯った。
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[広島県]広島 蔦屋書店
江藤宏樹さん
最初の3分の1は、ずっと泣きながら読んでいましたが、その後少し冷静になれて落ち着いて読めて、最後の方はみんなの思いやりの気持ちがとにかく温かくて。最終的には悲しみや喪失感というよりも、この物語に出会えてよかった、という、喜びやある種の爽やかさが残りました。
読んで本当に良かった。
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[広島県]広島 蔦屋書店
犬丸美由紀さん
この作品は、思いやりに満ちている。誰かが誰かを大切に思い、寄り添いたいと。その思いが、会話に出でくる別れの挨拶からも感じられる。
「じゃあまた明後日」「じゃあ元気で」「じゃあまたな」
その約束の言葉には、「また会いたい」という願いとともに「明日も元気で」という祈りにも似た気持ちがあるのではないだろうか。
人間として「生きる」ことを、考えさせられる一冊です。
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[広島県]広島 蔦屋書店
河賀由記子さん
優しさが胸を締めつける
主人公がガン宣告をうけるという重いテーマではじりますが、人間らしくも温かい登場人物の言葉や行動に心があたたまります。人は誰かを思いやる事で強くも優しくもなれる、それを教えられます。
弱音を吐かずに頑張りすぎているすべての人に同じメッセージとこの本を送りたい。
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[広島県]広島 蔦屋書店
作田明恵さん
章を追うごとに、遼賀、泉、恭平、裕也たちの人柄に惹かれ、知ってるようでまだまだ知らないことだらけなんだなと痛感させられました。医療問題や教育に関することも折り込みながらのストーリー展開に、日を追うごとに読むペースが早まっていきました。
人を思いやる優しさを教えてもらいました。
そして人と人との繋がりの強さ、素晴らしさを改めて教えてもらいました。
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[島根県]今井書店グループセンター店
鳥橋早苗さん
生きた証として誰かの記憶に残るのなら、死は決して終わりではないとこの物語は教えてくれます。
死生観に希望という概念を上書きすることが出来ました。
「弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている」
闘病とはまさしくこういう事であると印象に残りました。
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[島根県]ブックセンタージャスト 大田店
島田優紀さん
生きることは自分を認め、受け入れることだな、と。
ポジティブな部分だけでなく、ネガティブな部分も認める。自分の全てを。そして、人との繋がりから新たな自分を知り、それも受け入れる。
理由や目的はなくとも、生きる、ということについてはこれからも考えて生きたいです。
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[山口県]明屋書店 MEGA大内店
延永ひとみさん
「ありがとう」と家族に言われるような人間か、「幸せでした」と言って死ねるような人生なのかと考えさせられました。
文中に「うちの家族の仲の良さは、客観的に見れば普通じゃないと思う。でもそれは、両親やおれたち兄弟がそれぞれ、そうありたいと願い続けてきたからなんだ」とあり、ドキっとしました。家族というものは馴れあいではなく、作っていくものだと教えられた作品です。
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[山口県]宮脇書店 ゆめモール下関店
吉井めぐみさん
涙腺崩壊です。
悲しい涙ではなく、生きていく人たちに対しての感動の涙。
人生の最後にちゃんと「ありがとう」を伝えられるように生きたいと思いました。
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[山口県]明林堂書店 フジ西宇部店
田中由紀さん
なんて思いやりに満ちた人達なのだろう。
そしてそんな優しい人たちにも試練がおとずれるなんてと眉をひそめた。
しかし、人生が短ければ不幸だ、長ければ大往生だとかそんな上辺だけでは語れない物語だと思う。
美しい風景の描写と希望のオレンジに染まる人生でいたい。
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[山口県]明屋書店 厚狭店
小椋さつきさん
もし自分がガンになってしまったら、もし家族がガンになったら、もし娘が私より先に死んでしまったら・・・・・・。
どれも起こりうる世界。先のことは分からない。
では今、何ができるのか。何をすべきなのか。
後悔しない人生なんてないと思いますが、後悔をひとつでも減らせるよう、いろんなことに向き合っていこうと思います。
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[福岡県]紀伊國屋書店 福岡本店
宗岡敦子さん
命の炎が灯り続けていく時間は人それぞれ決して平等ではなく、太く短い方もいれば、細く長い方もいて、その運命は誰にも予測できません。
いつもの日常がいつもでなくなってしまう事に直面したり、限りある時間となってしまった時、どう生きていけばよいのか、主人公の遼賀さんを通して優しく温かく語りかけてくれます。
厳しい時代だからこそ、あきらめず自分も相手も大切に優しい気持ち、感謝の気持ちを忘れず過ごしていきたいと心から実感しました!
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[福岡県]未来屋書店 福津店
出田由美子さん
何の取り柄もなく平凡などこにでも生えている木のような、そんな毎日を過ごす自分がどこかで誰かの心の支えになっていて、ひとつの言葉や行動がまた誰かと繋がっている。そう思えた物語でした。
暖かく優しい空気感はとても心地よく、ティッシュ片手に一気に読みました。
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[佐賀県]明林堂書店 南佐賀店
本間悠さん
いやぁ泣けた。泣けて泣けて泣けました。
悲しいから、辛いから、という部分ももちろんありますが、それだけじゃないのが不思議で。
お客様にも読んで欲しい・・・・・・というか知って欲しい。遼賀という人がいたことを。彼が懸命に生きたことを。
私は忘れません。彼と、そして彼のまわりの人たちと過ごした時間のことを。
多くの人にこの物語を知ってもらえることを願って。
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[熊本県]蔦屋書店 嘉島
迫彩子さん
「弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている。」
自分の悲しみやつらさを、人への優しさにかえられる人を尊敬します。
遼賀の優しさも、周囲の人や家族の優しさも、優しさが悲しい。
人に「ありがとう」と言われ、「ありがとう」と伝えたい人がいることのかけがえのなさを強く感じました。
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[宮崎県]明林堂書店 南宮崎店
河野邦広さん
瞼を通して感じる色。
癌と闘病する兄と家族の物語。
ごく自然にさりげなく支え合う家族の姿に胸打たれました。
周囲から見ると理想的な支え合う家族の姿に、闘病してる当人が「意識して努力してきた」と仄めかすあたりにハッとさせられます。
自分の役割、性質を理解し日々送る姿は「生きる」ことを全うし辛く感じてしまう今、逆に新鮮でした。
少し哀しいけど温かい涙が溢れる感動作。
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[大分県]明林堂書店 大分本店
多田由美子さん
正直、途中から辛かった。読むのが、ではなく主人公の、そしてまわりの気持ちがヒシヒシと伝わってくるのだ。
辛くて悲しくてそれでも前に進みたくてページをめくった。
私も遼賀のような生き方をしていきたいと強く思いました。
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[大分県]明林堂書店 別府本店
冨田昭三さん
突然の癌宣告、まだ33才なのに。
まじめに生きてきたのに。なのに残酷だ。
こんなに何度も何度も泣けてくる小説は初めてだ。
かなしくて泣くのではない。いろいろなことで泣けてくる。
主人公の生きざまにスポットを当てた藤岡さんに星5.0です。
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[沖縄県]HMV&BOOKS OKINAWA
新垣咲乃さん
十五の頃から変わらない遼賀の謙虚さと静かな強さが印象深かった。
彼自身がなんでもないように行っていた行動が、実は人の救いになっていたり、そうして救われた人たちだから彼を心から支えたいと思う。そして、それがまた彼の救いになる。
まるで輪になっている。そういう物語だと思いました。