
内容紹介
装蹄師の平野敬は、北海道の浦河で引退した馬の世話をする養老牧場を営んでいる。敬が注目している馬・エゴンウレアは日高の小さな栗木牧場生産の最高傑作と言われるが、気性が荒く、プライドも高い馬で誰もが調教に手を焼いていた。以前エゴンに装蹄したことのある敬は、初めて彼に触れた時、間違いなく超一流の資質を秘めた馬だと確信していた。敬は、覚醒剤所持で服役していた元騎手で幼馴染の和泉亮介の才能を信じ、エゴンの乗り役を頼むことに。調教を重ねるうち、人間を敵視していたエゴンが自分の意志で走る姿を見せ始める。
「シルバーコレクター」と揶揄されるエゴンは果たしてレースに勝つことが出来るのか――。
プロフィール
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馳 星周 (はせ・せいしゅう)
1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。96年『不夜城』でデビュー。翌年に同作で第18回吉川英治文学新人賞を受賞。98年『鎮魂歌 不夜城Ⅱ』で第51回日本推理作家協会賞、99年『漂流街』で第1回大藪春彦賞、2020年『少年と犬』で第163回直木賞を受賞。他の著者に『約束の地で』『雪炎』『ソウルメイト』『神奈備』『雨降る森の犬』など多数。
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