プロフィール
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ミチコ・カクタニ (ミチコ・カクタニ)
文芸評論家。米コネチカット州に日系アメリカ人二世として生まれる。イェール大学で英文学を専攻し、1976年に卒業。ワシントン・ポスト紙、タイム誌を経て、79年にニューヨーク・タイムズ紙に入社。30年以上にわたり同紙で書評を担当し、鋭い文芸批評で文学界に多大な影響を及ぼす。98年にピューリッツァー賞(批評部門)を受賞。2017年に退社。著書に『仕事場の芸術家たち』『真実の終わり』。
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岡崎 玲子 (おかざき・れいこ)
1985年兵庫県生まれ。豪ヴィクトリア州法廷弁護士。米ニューヨーク州弁護士。ジャーナリスト。翻訳家。早稲田大学法学部卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校ロースクール(UCLA School of Law, LL.M.)を修了し、米ニューヨーク州弁護士資格を取得。その後、豪モナッシュ大学で学び、豪ヴィクトリア州法廷弁護士として登録。2001年に『レイコ@チョート校』を刊行し、『9・11ジェネレーション』(2004年)で黒田清JCJ(日本ジャーナリスト会議)新人賞を受賞。訳書にノーム・チョムスキー『すばらしきアメリカ帝国』など。
担当編集より
アメリカ建国時の理念と制度は、トランプ政権によって打ち砕かれた!? 米文壇無比の批評家ミチコ・カクタニが、進行中のディストピア的現実に斬り込む注目の書『真実の終わり』。
いま、フェイクニュースやプロパガンダがはびこり、事実ではない言説がソーシャルメディアの偽アカウントを通じて拡散し、多くの人びとが影響を受けている。かつての全体主義的な大衆操作が、かたちを変えて現代に甦り、荒らし行為が蔓延し、重要な政治決定を蝕んでいる。
トランプ政権はこうした状況のもとに誕生し、国内外に混乱をもたらしているが、アメリカの建国者たちは、まさに彼のような大統領の出現を懸念していた。
カクタニは、ニューヨーク・タイムズ紙で長らく書評を担当し、その辛口の批評は英米文学において大きな影響力を持っている。2017年の退社後に刊行した本書で、カクタニは、ハンナ・アーレントやジョージ・オーウェルをはじめ、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フィリップ・K・ディック、ウンベルト・エーコ、フィリップ・ロス、ジャック・デリダ、ジャン・ボードリヤール、トマス・ピンチョン等々、多彩なテクストをひとつの道筋に結びつけて論じ、現代における米国と世界の危機の深層を読み解いていく。
不穏な時代を生きる人びとに貴重な示唆を与える必読書、待望の邦訳。
『真実の終わり』は、私たちの時代における決定的な論文となるだろう。
——デイヴィッド・グラン(ジャーナリスト)
真実なしでは、私たちは、豊かにも道徳的にも自由にもなれない。
——ティモシー・スナイダー(イェール大学教授)
『真実の終わり』は、私たちの民主主義の病いの、暗い、暗い核心へ踏み込む。
——グレイドン・カーター(ジャーナリスト)
カクタニの『真実の終わり』は政治的に緊迫しており、知的に見事である。
——ジェーン・メイヤー(ジャーナリスト)
[原書カバーより]
【書評】
「毎日新聞」2019年6月23日
池澤夏樹氏〈抵抗し続ける努力促す〉
https://mainichi.jp/articles/20190623/ddm/015/070/003000c
「朝日新聞」2019年7月27日
西崎文子氏〈トランプ時代の深刻な病理問う〉
https://book.asahi.com/article/12576242
「週刊朝日」2019年9月27日号
永江朗氏〈民主主義の危機〉
https://dot.asahi.com/ent/publication/reviews/2019092000066.html
「北海道新聞」2019年8月26日
会田弘継氏〈今日の知的混迷の本質を探る〉
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/338211?rct=n_culture
「週刊東洋経済」2019年7月13日号
首藤淳哉氏〈米国きっての書評家が警告する民主主義の危機〉
https://honz.jp/articles/-/45278
ブログ「内田樹の研究室」2019-05-10 vendredi
内田樹氏〈たいへん面白い本だったので、すぐに書評を書いた〉
http://blog.tatsuru.com/2019/05/10_1030.html
(担当 H. K.)
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