担当編集のテマエミソ新刊案内
NHKスペシャル取材班による、「発達障害」の本当の姿。誰もが生きやすい社会をめざし、当事者の声や専門家の言葉から、やさしく解説。
いま、多くの人が「発達障害」に関心を抱き、受診希望数も増えています。小中学生の15人に1人に、発達障害の可能性があるとも言われています。発達障害とは、いったいどのようなものなのでしょう? 私たちは、どう向き合っていくべきなのでしょうか。
生放送で大きな反響を呼んだ「NHKスペシャル 発達障害 ~解明される未知の世界~」(2017年5月21日放送)。取材班は、発達障害の実像について、当事者の声にできるだけ耳をかたむけることから始め、専門家による最新の知見や、海外における事情を取材して、番組を制作しました。
本書は、NHKスペシャル取材班が番組制作で得た、さまざまな情報をもとに書き下ろしたものです。本書が、「発達障害」を理解するきっかけとなり、誰もが生きやすい社会へのヒントになればと願っています。
目次(一部)
はじめに
- 1 知られざる「感覚過敏」の世界
当事者中心のスタジオゲスト
発達障害の3分類とは?
光や水が苦手。当事者が語る「感覚過敏」
道で話すと相手の声は騒音にかき消される
スーパーマーケットの冷蔵棚がうるさい
感覚過敏がコミュニケーションの問題を引き起こす
シミュレータで自閉スペクトラム症の人の世界を体験
感覚過敏にやさしいスタジオセットにつくり直した
刺激を減らして買い物を楽にするクワイエット・アワー
ほか
コラム1 感覚の困りごと─軽減する具体策 - 2 ADHDと学習障害の当事者に見えるもの
どうしても忘れ物をしてしまう女の子
「だらしない」と言わないで
教科書を音読できない男の子
文字が文字だと認識できない
対応できると、自分を受け入れられる
ほか
コラム2 苦手なこととの向き合い方 - 3 二次障害のこわさ
発達障害が引き起こす、さらなる困難
発達障害「あるある」を共有する
「普通」が正しいわけではない
発達障害の当事者同士で集まることの意義
ほか
コラム3 「定型発達症候群」という考え方 - 4 発達障害を抱えながら働く
独特の個性を活かしてグローバル企業に就職
レゴを使って「快適エリア」をつくる
社交的でないと就職できないのは、仕組みがおかしい
発達障害の人の雇用がグローバル化や人材不足を乗り越える鍵になる
カミングアウト、する? しない?
特性を理解し、受け入れることから
ほか
コラム4 発達障害を「堂々と」生きる
おわりに
主要参考文献
(担当 H. K.)
著者
- NHKスペシャル取材班
- 国内外の発達障害研究・支援の最前線を取材し、NHKスペシャル「発達障害 解明される未知の世界」を制作(2017年5月21日放送)。本書の執筆を担当したのは、河瀬大作、齋藤真貴、上松圭、勝目卓、三善信一郎、生出知佳。
- 発達障害を生きる
- NHKスペシャル取材班 著
2018年4月26日発売
ISBN:978-4-08-775437-7
定価:本体1200円+税
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