担当編集より

『舞姫』『山椒大夫』『阿部一族』……今なお読み継がれる名作の数々を生み出した明治の文豪・森鷗外。その末子として明治44年に誕生した類(るい)が今作の主人公です。

少年時代は、優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴とともに千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていましたが、大正11年に父が亡くなり、生活は一変。

大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、姉の杏奴とともに画業を志しパリへ遊学します。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していくことに――。

昭和26年、心機一転を図り東京・千駄木で書店を開業した類は、多忙な日々のなか、身を削り挑んだ文筆の道で才能を認められていきますが……。

明治、大正、昭和、平成。時代の荒波に大きく揺さぶられながら、自らの生と格闘し続けた生涯が鮮やかによみがえる圧巻の長編小説です。

著者の朝井まかてさんが「苦闘の人生を生き尽くした類さん。この人を書きたい!と猛烈に思ったんです」と語る今作、ぜひご注目ください。

「青春と読書」公式サイトにて著者インタビューが掲載されています。
合わせてお楽しみください!
http://seidoku.shueisha.co.jp/2009/read06.html