第34回柴田錬三郎賞が朝井まかて『類』と朝井リョウ『正欲』に決定!
2021年10月05日更新
現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品を顕彰する柴田錬三郎賞。
本年度は、朝井まかてさん『類』(集英社)と朝井リョウさん『正欲』(新潮社)の二作同時受賞となりました。
おめでとうございます!!
朝井まかて『類』

【ストーリー】
明治の文豪の家に生まれた宿命を背負い、何者かであろうともがき続けた鷗外の末子、森類。
愛情豊かな父、美しい母、ふたりの姉と何不自由なく暮らした少年時代。
父の死という大きな喪失を抱えながら、画業を志しパリへ遊学した青年時代。
戦後の困窮から心機一転、書店を開業。やがて文筆家の道へ――
明治、大正、昭和、平成……時代の荒波に揺さぶられながら、鷗外の子としての宿命と格闘し続けたその生涯を描き出す、圧巻の長編小説。
■作品情報はこちらから
https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/rui/
【著者略歴】
朝井まかて(あさい・まかて)
1959年大阪府生まれ。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。2013年に発表した『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞を、2014年に直木賞を受賞。ほか、同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、2019年に大阪文化賞を受賞。近著に『落花狼藉』『グッドバイ』『輪舞曲』などがある。
朝井リョウ『正欲』

【ストーリー】
生き延びるために、手を組みませんか──。
息子の不登校に悩む検事の啓喜、秘密を抱えながらショッピングモールで働く夏月、夏月の中学校の同級生で食品会社に勤める佳道、男性に苦手意識を持ちながら大学でミスコンを運営する八重子、ダンスサークルに所属し八重子の視線を一身に受ける大也……。
社会の片隅でそれぞれの「生きづらさ」を抱える彼ら・彼女らの人生が、ある事件を軸に重なりあう。無自覚に振りかざされる「正しさ」を問い、人間の深部をえぐる、気迫あふれる書き下ろし小説。
■作品情報はこちらから
https://www.shinchosha.co.jp/seiyoku/
【著者略歴】
朝井リョウ(あさい・リョウ)
1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。著書に『チア男子!!』『星やどりの声』『少女は卒業しない』『スペードの3』『武道館』『ままならないから私とあなた』『何様』『どうしても生きてる』『発注いただきました!』『スター』など多数。
■柴田錬三郎賞の情報はこちらから
新着コンテンツ
-
インタビュー・対談2025年10月30日
インタビュー・対談2025年10月30日赤神 諒×後藤勝徳(一般社団法人歴史新大陸 代表理事)「史実と創作が紡ぐ、もう一つの幕末物語」
主人公のモデルとなった幕末の武士・瀧善三郎。彼の生涯をめぐり、善三郎の顕彰活動や舞台化に取り組む後藤さんと熱く語りあっていただきました。
-
インタビュー・対談2025年10月27日
インタビュー・対談2025年10月27日『夏鶯』刊行記念インタビュー 赤神諒「希望を失ってなお生きていくための「武士道」」
武士とは何か? 武士道とは何か? 作家であり、環境法・行政法を専門とする法学者でもある赤神さんに『夏鶯』についてお話をうかがいました。
-
新刊案内2025年10月24日
新刊案内2025年10月24日あなたについて知っていること
エリック・シャクール 訳/加藤かおり
あなたは僕を知らない。僕だって、あなたを知らない。喪失と欠落、そして家族の愛を描く珠玉の文芸作品。
-
お知らせ2025年10月24日
お知らせ2025年10月24日弊社刊『青の純度』につきまして
-
インタビュー・対談2025年10月24日
インタビュー・対談2025年10月24日大島真寿美「少女漫画編集部という宇宙、ジグザグした形の星をまるごと描きたかった」
少女漫画誌について書こうと決めてから十年、どんな経緯でこの小説が生まれたかについて、じっくりとうかがいました。
-
インタビュー・対談2025年10月24日
インタビュー・対談2025年10月24日小池真理子「“永遠”を描く心理小説」
運命の不条理に翻弄される三人の男女の心の動きに焦点を当てた、三年ぶりの長編『ウロボロスの環』にこめた思いを伺いました。