現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品を顕彰する柴田錬三郎賞。

本年度は、朝井まかてさん『類』(集英社)と朝井リョウさん『正欲』(新潮社)の二作同時受賞となりました。

おめでとうございます!!

朝井まかて『類』

(集英社刊)

【ストーリー】

明治の文豪の家に生まれた宿命を背負い、何者かであろうともがき続けた鷗外の末子、森類。

愛情豊かな父、美しい母、ふたりの姉と何不自由なく暮らした少年時代。

父の死という大きな喪失を抱えながら、画業を志しパリへ遊学した青年時代。

戦後の困窮から心機一転、書店を開業。やがて文筆家の道へ――

明治、大正、昭和、平成……時代の荒波に揺さぶられながら、鷗外の子としての宿命と格闘し続けたその生涯を描き出す、圧巻の長編小説。

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https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/rui/

【著者略歴】

朝井まかて(あさい・まかて)
1959年大阪府生まれ。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。2013年に発表した『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞を、2014年に直木賞を受賞。ほか、同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、2019年に大阪文化賞を受賞。近著に『落花狼藉』『グッドバイ』『輪舞曲』などがある。

朝井リョウ『正欲』

(新潮社刊)

【ストーリー】

生き延びるために、手を組みませんか──。

息子の不登校に悩む検事の啓喜、秘密を抱えながらショッピングモールで働く夏月、夏月の中学校の同級生で食品会社に勤める佳道、男性に苦手意識を持ちながら大学でミスコンを運営する八重子、ダンスサークルに所属し八重子の視線を一身に受ける大也……。

社会の片隅でそれぞれの「生きづらさ」を抱える彼ら・彼女らの人生が、ある事件を軸に重なりあう。無自覚に振りかざされる「正しさ」を問い、人間の深部をえぐる、気迫あふれる書き下ろし小説。

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https://www.shinchosha.co.jp/seiyoku/

 

【著者略歴】
朝井リョウ(あさい・リョウ)
1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。著書に『チア男子!!』『星やどりの声』『少女は卒業しない』『スペードの3』『武道館』『ままならないから私とあなた』『何様』『どうしても生きてる』『発注いただきました!』『スター』など多数。

 

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