【特集:猫と暮らす】

私たちの心を惹きつけてやまない猫。
その存在は「猫ブーム」という言葉の枠を超えてしまうほど、人間社会との密接さを増していっています。
多くの愛猫家がいるなかで、“猫と暮らす”ということは、私たちにとってどういったことなのでしょうか。
小説のまなざしで、 今改めて、 猫と暮らすことを考えます。

新連載/畠中 恵「猫君 りんねの輪」
大人気お江戸ファンタジー
「猫君」の第二弾が遂に連載開始!
新米猫又だったみかんやぽん太達は無事に二年生に進級しますが、思わぬ大事件に巻き込まれ······。

読切短編/溝渕久美子「猫の来歴」
京都、西陣で暮らす歩と晴香は、くりかえし遭遇してきた猫たちに思いを馳せる。
お決まりのルートを巡回するように歩く猫たちには、実はとびっきりの秘密があって……。
日常で紡ぐ、猫と人間と宇宙の物語。

エッセイ/桐野夏生「ガレミの物語」

特別対談/小川 哲×赤川 学(社会学者)「身近で小さな他者たちと」
猫の存在が私たちの社会に及ぼす影響を、社会学の観点から考えてみようとして立ち上げられたのが「猫社会学」です。
今回は、その猫社会学を立ち上げた社会学者の赤川学さんと、猫ちゃんと暮らし始めた小川哲さんに、猫と暮らすことによって生じる人間の変化についてお話しいただきます。実は、猫愛にあふれる小川さん。
早速、愛猫家の大先輩ともいえる赤川さんに、相談事があるようで……。

【新連載】
澤田瞳子「知られぬ雪」
幕末、維新の波にもまれながらも高い志で己の信じる道を貫いた医師、松本良順と高松凌雲――。
激動の時代を生き抜いた二人の姿を直木賞作家が鮮やかに描く新連載!

【読切短編】
宇野 碧「わたしとぶっちゃんと、黒い奇跡」
アニメ作品の聖地巡礼のためにバイト先の娘・ぶっちゃんとイタリアを旅する大学生のさや。
アクシデントだらけの珍道中で二人が目撃するのは――。

【第37回小説すばる新人賞受賞作『グッナイ・ナタリー・クローバー』刊行記念インタビュー】
須藤アンナ「痛みとともに、より面白い形へ」
第37回小説すばる新人賞を受賞し、この度『グッナイ・ナタリー・クローバー』がついに刊行となった須藤アンナさん。
霧の町チェリータウンが舞台の今作は、須藤さんの空想力が詰まった一作です。
新時代の書き手の魅力をご紹介します。

【インタビュー連載「注目の星」】
佐藤 究「変身すれば強くなる――その通念を打ち砕く」
『テスカトリポカ』(二〇二一年)で直木賞を受賞した佐藤究さんは、純文学の新人賞でデビューし、エンターテインメントの新人賞で再デビューを果たした経歴を持ちます。
前作『幽玄F』 (二〇二三年)でエンターテインメント小説を牽引する書き手に授与される柴田錬三郎賞を受賞。
その吉報をBGMに刊行された最新長編『トライロバレット』は、アメリカのユタ州を舞台にした異形のヒーロー小説です。

【第38回小説すばる新人賞】
募集要項はhttp://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/sinjinsyo/をご覧下さい。ご応募をお待ちしております。

連載小説、インタビュー、対談、エッセイ、書評等、豊富な内容で毎月17日発売予定です。