シルヴィア・プラスの短篇集『メアリ・ヴェントゥーラと第九王国』(柴田元幸訳)の刊行を記念して、柴田さんによる日本初訳の「ザ・シャドー」と、柴田さんと作家・漫画家の小林エリカさんの対談を掲載! 椎名誠さん、石田夏穂さんの新作、古谷田奈月さんの短期集中掲載小説の最終回など読み逃せない作品が勢ぞろい。

【小説】
椎名誠「駅前WAN・NYAN会話学園」
犬、猫、鳥類、爬虫類たちが人語の発話を学ぶスクールが隆盛の世界。介護も会話もできる動物たちは人間に重宝されていた。ある学園を経営する十七子はこの競争に勝つための妙案を思いつき…。

【小説】
石田夏穂「黄金比の縁」
人事部の新卒採用チームの一員として働く、小野。とある事件を契機に意に染まぬ異動を命じられた彼女は、就活生の採用を通じて会社に復讐を果たそうと、採用の条件に独自の基準を見出すのだが…。

【小説】
古谷田奈月「フィールダー」(3)
小児性愛者の疑いを持たれた児童福祉の専門家・黒岩文子。彼女が家を飛び出し向かった先はF市の団地だった。黒岩を救おうと、橘は緑濃いその町へと向かう。一方リンドグランドでは、モンスターの討伐数を競うランキングイベントが始まり……。

【未邦訳短篇】
シルヴィア・プラス「ザ・シャドー」
噛みついて、確かに歯型はついた。でも、たかが子どもの喧嘩だ。どうして近所の人のうちの家族に対する態度がこれほどまで変わるのか。1959年に書かれたこの短篇には、第二次大戦下の米国内での偏見や差別が映し出されている。訳・解説は柴田元幸。

【対談】
柴田元幸×小林エリカ「今日、シルヴィア・プラスを読むということ」
かねてからプラスに惹かれていた柴田氏がこの度、短篇集『メアリ・ヴェントゥーラと第九王国』を翻訳、刊行した。プラスの作品を長年愛読してきた小林氏と、同書とその創作世界について存分に語り合う。

【国際交流基金 共同企画】 
「会えない時代の往復書簡 松田青子×ケリー・リンク編(3)」
コロナのこの「奇妙な時期」に創作のこと、家族のこと、住んでいる家のこと、子供時代のこと、好きな音楽などについて存分に語り合った二人の往復書簡も今回が最終回。翻訳者たちに感謝し、お互いの幸せを祈り、幕を閉じる。

【エッセイ】
年森瑛「欲しいものはサプライズではもらえない」

【エッセイ】
須賀ケイ「湖国のレイクレーサーと男女混合戦」

連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。