すばる10月号、好評発売中です!
2023年09月06日更新

敷居が高い印象はあるものの、触れれば面白く、人生に役立つ「哲学」。
哲学の最前線では今、何が起きているのか…!
蓬莱竜太さんの新作戯曲、澤田直さん×山本貴光さん、児玉雨子さん×三宅香帆さんの刊行記念対談も掲載!
【戯曲】蓬莱竜太「きのう下田のハーバーライトで」
港の近くにあるモーテル「ハーバーライト」の一室で原と伊坂はそれぞれに仕事の確認をしている。二人の出会いは大学時代で、一緒に応援団を作った。中退した伊坂が実演販売の仕事で成功したことで、原は伊坂と働くことになるが……。
【特集:哲学の言葉が必要だ】
今生きてゆく中で、心のうちに浮かぶ靄。答えを求めて古今東西の哲学書を繙けば、さらなる疑問の壁にぶつかる。けれど、わからないことこそが始まり。哲学には、思考を深めるための言葉と技術、発想を飛躍させるための問題提起がある――。
鼎談/小川公代×戸谷洋志×中村佑子「「生」に対して問いを立て続ける」
「自律した主体」という呪いを乗り越え、他者と連帯し生き抜いていくため、「哲学」と「物語」に手がかりを探す。最前線で思考し、模索し続ける三人がじっくりと語り合った。
論考/中島隆博「日本と哲学」
かつて孔子は「中国の哲学者」として西洋に影響を与えたが、19世紀に「転倒」が起き、格下げに。しかし西洋中心主義への批判が英語圏で起き、日本で始まった「世界哲学」は、地域哲学を通じての普遍性の探求を試みる――。
論考/古川日出男「吉本隆明とあなたと美」
『共同幻想論』の刊行から半世紀超、そこに記された概念がある日「切々たる凹凸」をたたえた。東日本大震災、コロナ禍をへて、実作者として走り続ける著者が、吉本隆明の言葉と響き合う。
インタビュー/古田徹也「哲学と文学が重なるとき――ひとの心はわかるか――」
『このゲームにはゴールがない ひとの心の哲学』を上梓された古田さん。他我問題と呼ばれる伝統的な問題を起点に、ひとの心について迫った一冊だ。その議論の先に見えた新しい景色とは。
座談会/永井玲衣×冨岡薫×三浦隼暉「なぜわたしたちは哲学できないのか」
哲学対話の場で「現代は哲学をするのが難しい」との声がよく聞かれるという。哲学するのを妨げるものは何か、若い世代の哲学人が考え、話し合う。
【シドニー・マルディ・グラ紀行】李琴峰「虹に彩られる季節(後編)」
フロートは200以上、1万2千人以上が参加するパレードは、空がまだ明るい19時半に開始された。40分の道程を、参加者でもある著者があますところなく描き、時代と意識の転換点を積み重ねるその地の精神を寿ぐ。
【刊行記念対談】澤田直×山本貴光「人はなぜペソアに惹かれるのか」
ポルトガルの国民的詩人ペソア。自分とは別人格の“異名者”を多数作り書き分けたその詩群は、多くの芸術家に影響を与えた。この夏『フェルナンド・ペソア伝』を上梓した澤田氏と、ペソアに魅せられてきた山本氏が語り合う。
【刊行記念対談】児玉雨子×三宅香帆「近世文芸はポップスだ!」
作詞家であり、作家でもある児玉雨子さんの新刊『江戸POP道中文字栗毛』が9月26日に発売される。同じく『妄想とツッコミでよむ万葉集』などの著書を発表してきた三宅香帆さんと、古典の魅力と現代性について語り合う。
【リメイク短編】児玉雨子「大好千禄本」「私の敵の敵の敵」
児玉雨子さんの新刊『江戸POP道中文字栗毛』に収録されるリメイク小説を先行してご紹介。芝全交の『大悲千禄本』と南杣笑楚満人の『敵討義女英』を、推し活など現代的な要素を取り入れながら、大胆にアレンジする。
【追悼 ミラン・クンデラ】
西永良成が「ミラン・クンデラとの四五年」を、阿部賢一が「「人生のしめくくり」の書――ミラン・クンデラ『無意味の祝祭』を読む」を寄稿。
【第48回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/ をご覧ください!
連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。
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