すばる7月号、好評発売中です!
2024年06月06日更新

大河ドラマ「光る君へ」で注目度を増している「古典」の世界。
「源氏物語」や、和歌や漢詩の魅力を新たな視点でご紹介します。
対談では、新刊発売記念の井上荒野さん×高山羽根子さんが創作について、
祝・三島賞受賞の大田ステファニー歓人さん×書評家・豊﨑由美さんが、
大田さんデビュー秘話について語る。
【小説】
古川真人「間違えてばかり」
親類縁者が島に集まるお盆の前夜、各々が準備に奔走する。自室に引き上げた敬子は時に孫と会話を交わしながら、昔の記憶と現在を行き来する。老人の記憶違いや、若い者たちの伝言や会話のくい違い……間違いと修復を繰り返しながら時間が紡がれていく。
【特集:「古典」のチカラ】
周期的に浮上する「古文・漢文の授業」不要論。とはいえ、千年以上前から、普遍的な人間の情動を歌に、物語にのせてきた「古典」は今もなお私たちの心を揺さぶり続ける。時を超え、常に新鮮な驚きをもたらす古典の世界に、いざ参らん。
鼎談/桜庭一樹×李琴峰×三宅香帆「漢詩からひろがる」
「漢詩が面白いんです!」。そんな桜庭さんの情熱から始まった「漢詩」鼎談。中国語圏出身の李さん、日本の古典文学関連の著作もある三宅さんと、「漢詩」の魅力についてお話しいただきました。
対談/俵万智×山崎ナオコーラ「現代の私たちだからこそできる古典の読みかた」
第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞記念対談。「源氏物語」を現代的な批評眼で読み解いた受賞作『ミライの源氏物語』を通し、いま古典を読むことの楽しさを語る。
論考/木村朗子「『源氏物語』受難のとき」
今や大河ドラマで脚光を浴びる「源氏物語」だが、かつて国民教育上有害とされた時代もあった。学校教育に必要とされた理由や、現代フェミニズムの潮流における扱いなど、千年にわたる「源氏物語」研究をひもとく。
論考/渡辺祐真「古典は誰もが使える最強のデータベース──和・歌枕・本歌取・季語・庭・引用・共感と驚異」
一首の和歌をめぐる創作リレーは俳句、随筆、小説、庭……と形を変え、ときには千年以上に及ぶことがある。「継承」というキーワードで、古典を考える。
エッセイ/安田登「漢詩をよむこと、楽しむこと」
能楽師として活躍しながら、中国や日本の古典に関する活動で全国を飛び回る著者が、中学時代に出会ったのは、中国最古の詩集『詩経』。杜甫、白楽天ほか、好きな漢詩を取り上げ、「ここがいい!」ポイントを語ります。
エッセイ/小津夜景「抽斗に導かれた断想」
古い詩歌や漢詩を眺めているとき、抽斗にしまいこんだ小さな物とたわむれる感覚が思い出されるという。いにしえの人々が書いた作品、「古典」を読む。その営みとはどういうものなのか。古典をめぐるを綴る。
エッセイ/堀越英美「古典の中の「おもしれー女」たち」
大河ドラマ『光る君へ』のまひろのように、世間体に抗い自由に生きる女性。日本の古典作品は意外やそんな「おもしれー女」の宝庫だ。現代より不自由だった社会で個性を爆発させてきた女性たちを紹介。
【『錠剤F』刊行記念対談】
井上荒野×高山羽根子「物語は常に、過渡期を描写する」
社会の規範が変わっていく中で何を描こうとするか、どこまでを決めて書くか……作風の異なる二人の創作論には、題材へのアプローチ方法や映画からの影響など多くの共通点が。
【『みどりいせき』刊行記念対談】
大田ステファニー歓人×豊﨑由美「作家誕生」
すばる文学賞を受賞した大田氏のデビュー作が、このほど三島賞に輝いた。不思議な名前の由来は? 高い評価を受けた文体はどのように生まれた? 作家の才能に早くから注目してきた書評家の豊﨑氏が訊く。
【追悼:ポール・オースター】
飯野友幸が「オンリー・コネクト」を寄稿。4月に肺癌の合併症で亡くなったオースター。「ニューヨーク三部作」以前に書き溜めていたその「詩」に注目し、研究してきた著者がオースター作品の根源を見つめる。
【第49回すばる文学賞】
みずみずしく意欲的な力作・秀作をお待ちしています。募集要項は http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/ をご覧ください!
連載小説、対談、エッセイ、コラム等、豊富な内容で毎月6日発売です。
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