内容紹介
標的は、日本国民1000万人――。
羽田空港に突如、中国のステルス爆撃機が飛来した。
女性パイロットは告げる。「積んでいるのは核兵器だ」と。
核テロなのか、あるいは宣戦布告なのか。
警察庁の鶴来(つるぎ)は爆撃機のパイロットを事情聴取しようとするが、護送中に何者かに拉致されてしまう。
囚われた彼女を助けたのは鶴来の義兄で警備員の真丈(しんじょう)だった。
真丈は彼女に亡き妹の姿を重ね、逃亡に手を貸す決意をする。
核起爆の鍵を握る彼女の身柄をめぐり、中国の工作員、ロシアの暗殺者、アメリカの情報将校、韓国の追跡手が暗闘する。
一方、羽田には防衛省、外務省、経産省の思惑が交錯する。
いったい誰が敵で、誰が味方なのか。なぜ核は持ち込まれたのか。
爆発すれば人類史上最大の犠牲者が――その恐怖の中、真丈と鶴来が東京中を奔走する。
『天地明察』、『十二人の死にたい子どもたち』、「マルドゥック」シリーズ等数々のヒット作を生み出した著者が、作家生活25年のすべてを込めた極上の国際テロサスペンス。
冲方丁デビュー25周年記念作品。
プロフィール
-
冲方 丁 (うぶかた・とう)
1977年岐⾩県⽣まれ。1996年『⿊い季節』で⾓川スニーカー⼤賞⾦賞を受賞しデビュー。
2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回⽇本SF⼤賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治⽂学新⼈賞、第7回本屋⼤賞、第4回⾈橋聖⼀⽂学賞、第7回北東⽂芸賞、2012年『光圀伝』で第3回⼭⽥⾵太郎賞を受賞。
主な著書に『⼗⼆⼈の死にたい⼦どもたち』『戦の国』『麒麟児』『もらい泣き』などがある。
新着コンテンツ
-
連載2025年12月15日
連載2025年12月15日【ネガティブ読書案内】
第49回 鈴木 俊貴さん
泣きっ面に蜂が襲ってきた時
-
新刊案内2025年12月15日
新刊案内2025年12月15日沈黙をあなたに
マリオ・バルガス=リョサ 訳/柳原孝敦
ノーベル賞作家でありラテンアメリカ文学を牽引した巨匠による、喜劇と悲劇、そして音楽と本と祖国への愛に満ちた人間賛歌。
-
新刊案内2025年12月15日
新刊案内2025年12月15日分裂蜂起
佐々木譲
大きな歴史のうねりの中で、特務巡査としての任務を全うする一人の男の物語、ついに完結。
-
お知らせ2025年12月11日
お知らせ2025年12月11日渡辺優さんの『女王様の電話番』が直木賞にノミネートされました
第174回直木賞の候補作が発表され、渡辺優さんの『女王様の電話番』が選出されました。
-
お知らせ2025年12月09日
お知らせ2025年12月09日創作をめぐるWeb上の誹謗中傷と風評被害について 『青の純度』の作者として
創作をめぐるWeb上の誹謗中傷と風評被害について 『青の純度』の作者として
-
新刊案内2025年12月05日
新刊案内2025年12月05日武家女人記
砂原浩太朗
娘として、母として、妻として。そして、ひとりの女性として。江戸時代、さまざまな身の上を生きる武家の女人の姿を描く傑作時代小説集。