
プロフィール
-
河﨑 秋子 (かわさき・あきこ)
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞を受賞。『颶風の王』で2014年に三浦綾子文学賞、2016年にJRA賞馬事文化賞を受賞。2019年『肉弾』で大藪春彦賞を受賞。
担当編集より
すべての書き手を、戦々恐々とさせる。
本物の小説家が、あなたの目の前にいる。
——真藤順丈氏(小説家)
人間はいつまでも夢を見続ける愚か者だと思います。
たとえば圧倒的に厳しい自然を切り開くような。
そんな荒唐無稽な賭けに身を任せてしまう——。
原動力は、功名心なのか、好奇心なのか、もしくは思考停止なのか。
たとえ思考停止だとしても、いくばくかの夢を見続けます。
いつかどこかに。どこか心地よいところに行けるように。
自分の力が形となり、亡き後も何か残してくれるように。
『土を贖う』は、様々な時代の北海道で夢を見た人間たちの物語です。
彼らをあざけるのでなく、憐れむでもなく、ただそのままに描かれています。
その切実さが身に迫り、私もまた愚かな夢の中にいる人間だと実感させられました。
河﨑秋子さんは、「本当のこと」が自然と見えてしまう作家なのでしょうか。
作品を読んでいても、お話をしていても、いつもそんなことを感じます。
生きていること、死んでいくこと、あがくこと、怒り、願い……。
言葉の本当の意味を、物語を通じて胸の深いところに放り込んできてくださる希有な方です。
ぜひ、この短編集を読んで下さい。
担当編集/S
新着コンテンツ
-
新刊案内2025年06月26日新刊案内2025年06月26日
筏までの距離
水原涼
デビュー作で芥川賞候補に挙がった著者が贈る、わたしとあなたの8つの物語。
-
インタビュー・対談2025年06月20日インタビュー・対談2025年06月20日
宇山佳佑×檜山沙耶(フリーアナウンサー)「風が吹くたび、物語が生まれる」
ウェザーニューズで気象キャスターとして活躍し、その後も活動の幅を広げる檜山沙耶さんと作品、風、お天気について語っていただきました。
-
お知らせ2025年06月17日お知らせ2025年06月17日
小説すばる7月号、好評発売中です!
新連載はいずれも小説すばる新人賞出身の佐藤雫さん、神尾水無子さんの2本立て!
-
お知らせ2025年06月17日お知らせ2025年06月17日
本日開店、「スキマブックス」!!
文芸ステーションに新しい読みもののコーナー「スキマブックス」がオープンしました!
-
スキマブックス2025年06月17日スキマブックス2025年06月17日
今度こそ許すまじ春野菜といんげん豆の冷製スープ事件
結城真一郎
彼氏が浮気をしているのではないかと疑った大学生は、「あるレストラン」に浮気調査を依頼するが――。
-
インタビュー・対談2025年06月17日インタビュー・対談2025年06月17日
堂場瞬一「日本政治の未来をフィクションで問う」
堂場瞬一さんの通算195冊目の作品にして、実験的政治小説第二弾『ポピュリズム』の世界観を語ってもらった。