担当編集より

このたび、『水を縫う』が第9回河合隼雄物語賞を受賞しました!

2020年5月に発売以来、たくさんの共感と感動の声をいただいてきた今作は、ある家族のひとりひとりを主人公に据えながら、世の中で「普通とされていること」「常識とされていること」をもう一度問い直していきます。

「男なのに」刺繍が好きな高校一年生の清澄。
「女なのに」かわいいものが苦手な社会人の水青。
「愛情深い母親」になれなかったコンプレックスを抱えている、ふたりの母であるさつ子。
清澄が一歳の頃に離婚し家を出て、「まっとうな父親」になれなかった全……

そんな彼らひとりひとりが、一歩ずつ前へと踏み出していく姿が描かれていきます。
「男なのに」「女らしく」といった言葉の前に立ち止まったことのあるすべての人に贈る、あたらしい希望の物語です。